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PENTAXが気になる(10年ぶり2回目)
私が一番最初に手にしたカメラは、20年ほど前に他界した祖父のPENTAXのMZ-3というフィルムカメラ。形見として大切に使っていましたが、2年前のある時からミラーが全く動かなくなってしまいました。よくある故障のようで早く修理に出したいのですが、そのままにしてしまっています。
一緒に使っていたレンズがそのまま使えるな、という安易な気持ちで、中古のPENTAX K10Dというデジタル一眼レフを手に入れたのが2008年。これがデジタルカメラデビューです。ヘビーに使ったせいで、筐体もボロボロになってしまいましたが、次の機材(SONY α77)を購入する際の足しとして手放してしまいましたが、もちろん今でもデータは大切に保存しています。
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なんで売ってしまったんだ。改めて見ると「いい写真だな」と思える写真ばかり。すっかり疎遠になってしまった友人、まだ子供だった親戚、まだまだ若い両親、生前の祖母の姿、様変わりする前の懐かしい街並み、楽しかった旅行、憧れの車にに乗ったときのこと…。気がついたら1時間ほど経ち、なんの感情なのかわからない気分になり、なぜか少し泣いていました。
伝えたかったであろうメッセージ性もない写真ばかりですし、今使っているカメラとレンズの方が数倍性能がいいはずなのに、なぜここまで心揺さぶられるのか。それは写真全てから「撮りたいものを撮っている」という勢いをとても感じたから。
色味だけノスタルジックなエモい写真が流行り、機材や写真のハウツー動画が溢れ、最新情報を追い続けているせいなのか、なんだか最近は写真やカメラの欲が小さくなってしまっています。疲れなのか、恥ずかしさなのか、視野が狭くなったのかは分かりません。しかし15年前の私は違った。深いことは考えず、とにかく撮りたいものを撮って、「いい記録」として写真をバンバン撮っていた。「なんでもない風景も、数年経つと思い出になるから写真は取っておいた方がいい」、という意見をよく耳にしますが、ようやくその意味がわかった気がします。なるほど、あれこれ考えずに撮りたいなと思うものを撮るのがまずは一番であるという、当たり前のことを15年前の自分が教えてくれた気がします。
写真の光景と記憶が直結する。動画ではないのに、撮った前後のことや会話など、色々なことを次々に思い出すことができる。大切なのは「目の前に広がっていた瞬間」であることではないでしょうか。青春時代をスマホと共に過ごしている今の10代は、写真を撮る機会も格段に多いでしょうが、おそらく加工しまくっていて記憶が改竄されるのではないかと勝手に心配しています。
このシャッターを切る勢いと、ミラーレスではない、光学ファインダーのカメラが合っていたのかもしれません。なんだかPENTAXのカメラがまた欲しくなりました。決して高画素ではないですし、手ぶれ補正機構がついている割には手ブレも頻発。しかし、しっとりとした色味、そこまで多くないボケ量にも関わらず被写体が浮き上がってくるような描写。気にせずガンガン使える頑丈なボディ。何故売ってしまったのか。…と、また機材に委ねるような気持ちになっている。反省です。
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