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六角形の祓い師

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六角形の祓い師が登場する作品をまとめたものです。
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2024年3月の記事一覧

【短編】SEVENTH HEAVEN⑤ -一つ目-

【短編】SEVENTH HEAVEN⑤ -一つ目-

始まりは、母を祝う。子種を宿し、育て生む大地を讃える。
次に、父を祝う。子種をもたらす、雨の恵みに感謝を捧げ。
さらには祖と裔。受け継ぐ過去と、続く未来を想い、尊ぶ。
そして己。此処で鳴る心臓、脈打つ命、巡る心を是と捉え。
最後に祝うは、それら全てを創りし神。世の理を統べる者。

祓いをこの世の禊と捉え、穢れなき世界、それを象る者たちを祝福する。

「それが、祝詞」

あの子の声で、七代目が言う。

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【短編】SEVENTH HEAVEN④ -出鱈目-

【短編】SEVENTH HEAVEN④ -出鱈目-

桜色のワンピースが似合う、そんな女の子になりたかった。

髪を伸ばし、可愛いもので身を固め。ふわふわのシュシュや、パールピンクのネックレス。爪もリップも艶々にして、明るい色をほんのり添えたい。

しかし、違った。生まれ持った私の素地に当てがわれたのは、寒色系のボーイッシュ。柔らかく華やかなものよりは、強く凛々しくが似合うらしい。
純血の祓い師という立ち位置も相まって、私のそうした印象は過度に演出さ

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【短編】SEVENTH HEAVEN③ -賽の目-

【短編】SEVENTH HEAVEN③ -賽の目-

朧月のように淡い灯りを、懸命に辿る。

ミノから聞いた住所は、見知らぬ地方の見知らぬ地名だった。実家から今住んでいる街へ向けた道中、新幹線を途中下車して、さらに地下鉄に乗り換える。最寄とされる駅で降りると、中心街の喧騒はそこにはなく、転がしているスーツケースの音が嫌に響いた。

『私のところにも退去命令が出ました。おそらく直に、監視の目もつく。連絡を取ることが難しくなります』

持参してきた荷物ひ

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【短編】SEVENTH HEAVEN② -裂け目-

【短編】SEVENTH HEAVEN② -裂け目-

卒業の時までに、学外で制服を着る機会がどれほどあるだろう。

せいぜい修学旅行や冠婚葬祭ぐらいではないか、と思っていたのだが、しかし、

「えー普通に休みの日とかでも着てる子いるよ。ディズニー行ったり。そうだ、うちらも行こうよ。制服ディズニー。ショーちゃん、ランド派? シー派? タートルトークあるのって、どっちだっけ」

まさにその制服に着替え終わった彼女が、二倍の台詞量で応酬してきたので、すぐさ

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【短編】SEVENTH HEAVEN① -縫い目-

【短編】SEVENTH HEAVEN① -縫い目-

春と風を引き連れて、その子は私の前に現れた。

すなわち、出会いと変革。

紆余曲折と悲喜交々を経て、念願とも言うべき高校生活を手に入れた私だったが、しかし待っていたのは孤立と虚脱だった。

真新しい制服に身を包み、近代的なガラス張りの校舎へ踏み入ってはみたものの、中にいたのは良くも悪くも、ただの『子供』であった。里にいた同年代と比べ、姿形は幾分垢抜け、立ち振る舞いもこなれた風である一方、本質的な

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