獅司と安青錦 ウクライナ時代＆来日直後の写真・動画
Фото і відео Шиші та Аонішікі (в Україні, після приїзду до Японії)
Шиші Масару (Сергій Соколовський) народився в Мелітополі, а Аонішікі Арата (Данило Явгусішин) ― у Вінниці.
令和６年９月場所が終わった。
悲喜こもごもの場所となった。
こんなに嬉しくも寂しい本場所は、あまり記憶にない。
元大関・貴景勝関、元関脇・妙義龍関、同・碧山関の相次ぐ引退は、長引くケガによる成績不振という予感・予兆があったとはいえ、いざ現実が束になって押し寄せてくると、そう簡単にすべてを受け止めきれない。
悪い夢だったらどんなにいいか。寂しさは募るばかりで、相撲ファンにとって、現実を直視するのはなかなか勇気が要る。
個人的には、事実を消化するのにまだまだ時間がかかりそう。つらい！！
いっぽうで、嬉しいニュースにも恵まれた場所だった。
関脇・大の里関の大関昇進、幕下の若碇さん、安青錦さん、琴手計改め琴栄峰さんの十両昇進は、世代交代を強く印象づけるものになった。
十両上位で何度かはね返された獅司関が、新入幕を九分九厘確定させたのも大変嬉しいニュースだ。１０月２８日の番付発表が今から待ち遠しい。
獅司関と安青錦さんの活躍に心を動かされ、先日、ずっと取り下げていた「ウクライナ出身の２人の力士（１）」を再掲した。
後記の後記の後記でも触れたが、（１）を書いた時に燃え盛っていた私のウクライナ語学習の情熱の炎は、諸事情を経て現在は風前のともしびなので（大相撲のおかげで僅かに灯っている）、続編（２）（３）は構想倒れになりそうだ。
（１）を書いた当時、続けて（２）（３）を書く予定で、さまざまなウクライナのスポーツニュースや相撲関連団体のホームページを渉猟した。
今回、ほぼ１年ぶりに当時参照したウェブサイトを閲覧してみたが、掲載終了になっているサイトが散見された。「鉄は熱いうちに打て」とはこのことか･･･などと愚にもつかないことを考えていたが、やはり悔やまれる。
獅司関のロシア語記事（ウクライナ時代のコーチのルスラン・ククソフ氏、および母ユリヤさんへのロングインタビュー）は、１年前にすでに保存済みなので消失の心配は無いが、獅司関、安青錦さん共に、いくつかのショート記事は掲載終了になっているものもあった。
まあ、既に２人とも、人気・相撲の実力ともに充分な力士たちで、流暢な日本語を話せるので、新入幕・新十両を機に日本語の深堀り記事やロングインタビューがどんどん読めるようになると思う。とても楽しみ。
とはいえ、ウクライナのサイトには、ウクライナ相撲時代の２人の楽しい写真がたくさん掲載されていたので、写真だけでも紹介したい。
また、三段目から幕下時代の獅司関の取組動画についても、動画リンク、取組結果を合わせて紹介したい。
※ 記事は敬称略。
獅司
ウクライナ時代
幼少期
２０１４年 ジュニア・ヨーロッパ選手権
２０１４年 本人の公式サイト
２０１５年 第１３回 世界ジュニア相撲選手権大会（大阪府堺市）
ちょっと！ソコロフスキー・スイー（ウクライナ）って。
スイーって誰ですか、スイーって。セルギイです。 適当だなあ、もう。
セルギイ Сергій の愛称はセリョージャが一般的で、インタビューから推察すると、獅司は実家ではセリョージャ、仲間内やコーチにはセリョーガと呼ばれているようだ。
Сергій をだいぶ中抜きして Сій としても、シイーにしかならないし、スイーはだいぶ苦しいなあ。
まあ、名前の表記問題は脇に置いておくとして。
なんと、２０１５年の世界ジュニア、優勝が琴櫻、３位を獅司と狼雅が分け合うという豪華な顔ぶれ。
それにしても、狼雅の名前もアマトフシ・アマサナって。Амартүвшин Амарсанаа だからアマルトゥフシン・アマルサナー、もしくはトゥヴァ語の Амыр-Санаа Даваа アムィルサナー・ダヴァーかな？
狼雅はこの頃（鳥取城北高１年生）から、モンゴル国籍で出場していたのだねえ。
２０１５年 世界ジュニア相撲選手権大会（ソコロフスキー）
Чемпионат мира по Сумо 2015 г.Осака,Япония. (Sokolovskiy)
セルギイ・ソコロフスキー（獅司関の本名）公式チャンネル
※ 映像きわめて不鮮明
２０１５年 ヨーロッパ選手権
２０１６年 世界選手権（モンゴル、ウランバートル）
世界選手権（モンゴル）でのセルゲイ・ソコロフスキーの試合
Выступление Сергея Соколовского на чемпионате мира по сумо
в Монголии 0619.com.ua ※ 映像きわめて不鮮明
２０１６年 マスレスリング大会 *
*マスレスリングはロシア・サハ共和国（ヤクート）発祥のスポーツ。
２０１８年 West-Viru Open 2018 大会（エストニア）
２０１８年 ヨーロッパ選手権
２０１８年 US SUMO OPEN 2018
2018 US SUMO OPEN -- Best Matches with commentary
USA SUMO
獅司（ソコロフスキー）
５分１０秒～
１１分３０秒～
2018 US SUMO OPEN -- Heavyweight Highlights
USA SUMO
２０１８年 地元紙の取材にて
来日
２０１８年 日本へ（時津風部屋の稽古に参加）
ロシア語で「日本のザポリージャ・コサック」と書いてある
「日本の」は所有格（生格）ではなく、場所を表わす前置格（所格）
獅司の出身地メリトポリのあるザポリージャ州は、歴史的にコサックの一大拠点だった
２０１８年 日本で研修
（入間川部屋、２０２３年２月より雷部屋）
２０２１年以降
三段目～幕下
カオナ獅司？
取組動画（三段目～幕下時代）
三段目
２０２１年初場所（令和３年１月場所）
Ukrainian star Shishi's January 2021 (Sergey Sokolovsky)
Chris Sumo
令和３年１月場所、東三段目２３枚目の獅司は、初日・２日目を休場し、途中出場で６勝０敗１休。
動画は４日目の若錦翔戦、６日目の天津戦、中日の藤川戦、１０日目の聖冴、１２日目の北勝就の英語ナレーション。
元大関の栃ノ心や把瑠都との比較も。
幕下
２０２１年春場所（令和３年３月場所）
Ukrainian Shishi's March 2021
Chris Sumo
令和３年３月場所、西幕下４４枚目の獅司は４勝３敗。
２日目 千代の勝戦、３日目 陽翔山戦、６日目 千代大豪戦、中日 慶天海戦、１０日目 鈴木戦、１２日目 碧天戦の英語ナレーション。
２０２１年夏場所（令和３年５月場所）
Ukrainian Shishi's May 2021
Chris Sumo
令和３年５月場所、西幕下３４枚目の獅司は６勝１敗。
５日目 一木戦、９日目 上戸戦、１１日目 琴翼戦、千秋楽 頂戦の英語ナレーション。
２０２１年名古屋場所（令和３年７月場所）
Sumo's Rising Stars: 2 (Ukrainian Shishi, Roga, Hokutenkai, Nishikawa)
Chris Sumo
令和３年７月場所、西幕下１２枚目の獅司は４勝３敗。
相撲界の新星として、獅司、狼雅、北天海、西川（現・豪ノ山）を紹介。
２日目 塚原（現・栃大海）戦、３日目 琴裕将戦、６日目 狼雅戦、１２日目 田邉（現・良安）戦の英語ナレーション。
２０２１年秋場所（令和３年９月場所）
Ukrainian Shishi: Why's he stopped winning?
Chris Sumo
令和３年９月場所、東幕下８枚目の獅司は１勝５敗１休。
初の幕下上位（西幕下１２枚目）で迎えた７月場所を４勝３敗と勝ち越し、番付を更に上げて臨んだ９月場所。大きく負け越した。
２日目 靍林戦、６日目 時栄（現・時疾風）戦、中日 湘南乃海戦、１０日目 常幸龍戦の英語ナレーション。
２０２２年前半の動画
Exotic sumo stars: Kinbozan and Shishi
Chris Sumo
金峰山と獅司の特集動画。
獅司は、大辻、琴翼、一木、時栄（現・時疾風）、徳之武藏との取組をピックアップ。
２０２２年春場所（令和４年３月場所）
Ukrainian Shishi: Inspired by the crowd
Chris Sumo
２０２２（令和４）年２月のロシアによるウクライナ侵攻直後の本場所。
令和４年３月場所、西幕下１７枚目の獅司は６勝１敗。
４日目 海乃島戦、５日目 長内戦、７日目 塚原（現・栃大海）戦、９日目 鳴滝戦、１１日目 靍林戦、１４日目 鳩岡戦の英語ナレーション。
右：「thank you」のあとに、ロシア語の筆記体で Соколовский С. とサインしてある
※ ウクライナ語は Соколовський と綴り、 с のあとに ь を綴るので、
ロシア語によるサインだと推察する（出典：Chris Sumo）
２０２２年夏場所（令和４年５月場所）
Ukrainian Shishi: Staying strong amid anguish
Chris Sumo
令和４年５月場所、東幕下７枚目の獅司は３勝４敗。
２日目 朝玉勢戦、４日目 欧勝馬戦、６日目 深井戦、中日 紫雷戦、１０日目 狼雅戦、１１日目 白鷹山戦、千秋楽 長内戦の英語ナレーション。
２０２２年名古屋場所（令和４年７月場所）
Ukrainian Shishi: July bouts + tour footage
Chris Sumo
令和４年７月場所、東幕下１４枚目の獅司は４勝３敗。
初日 深井戦、３日目 湘南乃海戦、５日目 鈴木戦、７日目 紫雷戦、９日目 千代ノ皇戦、１２日目 白鷹山戦、千秋楽 對馬洋戦の英語ナレーション。
２０２２年九州場所（令和４年１１月場所）
Ukrainian Shishi: MUST keep his cool
Chris Sumo
令和４年１１月場所、西幕下７枚目の獅司は１勝６敗。大敗。
２日目 栃神山戦、４日目 白鷹山戦、６日目 友風戦、中日 栃丸戦、９日目 大成龍戦、１１日目 塚原（現・栃大海）戦、１３日目 西乃龍（現・西ノ龍）戦の英語ナレーション。
新十両
２０２３年名古屋場所（令和５年７月場所）
Congratulations Shishi! Ukrainian's sumo improves no end
Chris Sumo
新十両で迎えた令和５年７月場所。
東十両１２枚目の獅司は９勝６敗。
１１日目 東白龍戦、１２日目 熱海富士戦の英語ナレーション。
２０２３（令和５）年７月 場所前 雷部屋朝稽古
【初公開】雷部屋朝稽古 (新十両 獅司)
日本相撲協会公式チャンネル
２０２３（令和５）年８月 夏巡業
Ukrainian Shishi's hugely eventful day! (ウクライナ出身初の関取！獅司関の立川巡業総集編） Chris Sumo
Shishi trains with the top division! (Exclusive footage)
Chris Sumo
安青錦
ウクライナ時代
２０１７年 ヨーロッパジュニア相撲選手権
２０１８年 ヴィンニツャ地区ジュニア相撲大会
２０１９年 Erd-Cup
２０１９年 世界ジュニア相撲選手権
２０１９年 ウクライナ・ジュニア相撲カップ
２０１９年 ヨーロッパカップ
２０２０年 ウクライナ選手権
２０２０年 Erd-Cup
２０２０年 フリースタイルレスリング・ウクライナ選手権
２０２１年 ウクライナ相撲ジュニア選手権
（ヨーロッパ選手権の選抜大会）
Триденний чемпіонат України з сумо провели в Мелітополі | Новини
３日間のウクライナ相撲選手権大会がメリトポリで開催された / ニュース
Суспільне Запоріжжя ススピーリネ・ザポリージャ
安青錦（ダニーロ・ヤヴグシシン）のコメント概要
[ウクライナ語ナレーション：ウクライナ相撲界をけん引する一人、ジュニアのヨーロッパチャンピオン３回、２０２１年には大人のウクライナチャンピオン。ヴィンヌィツャ出身。今大会もライバルの追随を許さず、１００kg級で２つの金メダルを獲得し、ヨーロッパ選手権への切符を手にした。ダニーロによると、より重要な国際大会を前に試合形式の実践が必要とのこと]
安青錦（ダニーロ・ヤヴグシシン）
「ヨーロッパ選手権は非常に重要なスタート。昨年はコロナ禍の影響でヨーロッパ選手権すら開催されず、何もできなかったから。だからこそ、今年は失ったものを全て取り戻したい。何もかも最高レベルの大会で、出場者も強敵揃い。一生懸命試合に臨みたい」
安青錦のウクライナ語は、それほど早口ではなく、相手に伝わるようにしっかり話していると思う。
けっこうな巻き舌！勘九郎兄弟子に対抗できるかもしれない。
２０２１年 ヨーロッパ選手権（安青錦は２３歳以下で出場）
２０２１年 ウクライナ・ジュニア相撲カップ
来日
※ ヘッダー写真の出典は、雷部屋インスタグラム。
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