獅司@JICA主催イベント(文字起こし)
(2024年3月26日追記)
JICAのYoutube公式チャンネルにイベントの動画が公開されたので、リンクを追加したい。
【ウクライナ】Connecting with Ukraine ⑩
JICAchannel1 国際協力機構(JICA)広報部公式YouTubeチャンネル
日本で活躍するウクライナ人!(獅司関との対談)PDFファイルのリンク
イベントの公式ウェブサイト
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2024年2月17日、獅司関がJICA主催イベントに出演した。
どこかの媒体で報道されないかとしばらく待っていたが、JICAと外務省のSNS以外では情報が流れないので、文字起こしをしてみた。
獅司が参加したJICAトークセッション(文字起こし)
JICA主催イベント「Connecting with Ukraine ~日ウクライナパートナーシップの強化と共創~」における、3日目のセッション「日本で活躍するウクライナ人!(Ukrainian taking active roles in Japan!)」より
モデレーター
イーゴル・イェブトゥシュク氏
(NPO法人「日本ウクライナ友好協会KRAIANY(クラヤヌィ、
НПО «Краяни» українська громада у Японії)」)
ゲスト
獅司 大(しし まさる)氏(大相撲力士、雷部屋)
イーゴル・イェブトゥシュク氏(以下、「イーゴル」と略記)
「本日はこちらに特別なゲストに登場していただきます。
力士の獅司 大(しし まさる)様。どうぞ大きな拍手をお願いします」
(会場からの拍手)
イーゴル
「獅司さんは、本日は日本語で対応して下さるということで、インタビュー形式で少し質問しながら、獅司さんとお話します。よろしくお願いします」
イーゴル
「それでは、獅司さん、こんにちは」
獅司関(以下、敬称略)
「こんにちは」
イーゴル
「もう一回、日本語でお名前を教えてください」
獅司
「日本語で? 獅司 大(しし まさる)です。日本で獅司 大です」
イーゴル
「はい。ウクライナでは?」
獅司
「ウクライナ? セルギー・ソコロフスキー」
イーゴル
「ありがとうございます。この獅司という名前はどうやって選びましたか」
獅司
「先代と。親方、先代おかみさん、選んだっす。獅司と。ライオンです」
(先代=元関脇・栃司の16代入間川親方。獅司の「司」は、栃司の「司」より)
イーゴル
「ありがとうございます。どこかのインタビューで、勝つと『うれ獅~司』、負けると『かな獅~司』とかって言葉を見たんですけど、これほんとですか」
獅司
「(破顔しながら)本当、あります」(笑顔)
イーゴル
「ありがとうございます。いま何歳ですか」
獅司
「いま、27歳です」
イーゴル
「ありがとうございます。相撲は何歳からやっていますか」
獅司
「プロフェッショナルな(=大相撲の世界、相撲部屋への入門は)、もう6年です。ウクライナで、レスリングで相撲やったっす。スポーツ」
イーゴル
「ちなみにウクライナって相撲やってる人多いですか」
獅司
「あまり人気じゃないです」
イーゴル
「ああっ(笑)。それは、まだまだですね」
獅司
「まだまだ、これからです(笑)」
イーゴル
「獅司さんの身体を見ると、正直、自分の気持ちを伝えますと、かなり身体大きいんですね(笑)。で、ちょっと、身長とか、何キロ、体重とか、教えられますか」
獅司
「身長193です。体重170キロです」
イーゴル
「あっ、すごいですね。それは、たぶん沢山ご飯食べてますよね?」
獅司
「ぜんぜん食わないです」
イーゴル
「ほんとですか?」
獅司
「(小声で)ぜんぜん食わないです」
イーゴル
「好きな日本料理は何ですか」
獅司
「好きな日本料理・・・寿司です。寿司、好きです」
イーゴル
「ああ。私も寿司大好きです(笑)」
獅司
「一緒っす(笑)」(笑顔)
イーゴル
「ウクライナ料理は?」
獅司
「ウクライナ・・・いつもママ、ボルシチ作ってるっす。ボルシチ大好きっす」
イーゴル
「やっぱりウクライナ人と言えば、ウクライナの、去年ユネスコの無形文化遺産に登録されたボルシチという料理が、赤いスープが、一番有名ですね。ありがとうございます」
イーゴル
「そして、相撲自体は、どうですか。大変でしょうか」
獅司
「まあまあ。大変です」
イーゴル
「やはりそうですね。で、ちょっと、獅司さんの力士の生活の写真もありますけど、お願いできますか」
大型スクリーン
「力士の生活」と題して、写真2枚
①本場所の土俵で、立ち合いの仕切りを重ねる、大銀杏姿の獅司
②場所入り
イーゴル
「そうですね。けっこう着物が似合うんですね。格好いいですね」
獅司
「ありがとうございます」
イーゴル
「そして、ちょっと、ウクライナ人はちょっと馴染みのないものがあるんですけど、本日みたいな髪型? それもちょっと結ぶところを見せたいです」
大型スクリーン
「大銀杏(おおいちょう)」と題して、床山が獅司の大銀杏を結う場面の写真2枚
獅司
「場所、丁髷(ちょんまげ)です」
イーゴル
「この髪型は何て言うんですか」
獅司
「場所で相撲をとるとき、こんな感じです。相撲終わったら、普通っす。ちょんまげです」
イーゴル
「うん、うん。ありがとうございます。ちょっと稽古の写真もありましたんで、それ皆さんに見せたいですね」
大型スクリーン
「稽古の様子」と題して、部屋での稽古風景3枚。
関取の白まわしを締めた獅司の姿を、正面から2枚、背面1枚。
イーゴル
「けっこう練習は大変ですね?たぶん・・・」
獅司
「大変っす」
イーゴル
「好きな技とかありますか」
獅司
「好きです・・・あっ・・・」
イーゴル
「好きな・・・プリヨーム・・・」
(プリヨーム=ウクライナ語 прийом / ロシア語 приём「技(わざ)」の意)
獅司
「(笑いながら)あっプリヨーム。ま、かちあげっす。かちあげて、まわし取って、一番好きです」
イーゴル
「これ・・・そうですね。私、正直、見たこと無いんですけど。これ、お見せできますか?」
獅司
「うーん・・・。ちょっと着物、大変です」
イーゴル
「あっ、ダメですか(笑)」
獅司
「ダメじゃないです。一緒にやりましょう」
イーゴル
「えっ、いいですか?」
獅司
「はい」
イーゴル
「私、初めてです。超怖い」
(二人、笑顔で立ち上がる。サイドテーブルにマイクを置き、ステージ中央で向かい合う。イーゴル氏が両手を差し出して、獅司関の大きさをはかる仕草。獅司関がスクリーンを指し、足元に仕切り線をイメージするように右手で2本の線を引く仕草。獅司関、しきりに右手を前に差し出して相手との距離をはかり、少し離れて立ち合うように指示する。両者、1メートル半ほどの距離をとって立ち合い。両者が立ち合って両手のこぶしを床に付けると、ちょうど仕切り線の距離70センチになるぐらいの目安。その後、優しくふわっと立ち合い。押しかたも少しレクチャーする獅司関。会場から大きな拍手)
イーゴル
「すごいですね。自分もむかし柔道やってましたけど、組んだ時の感覚は素晴らしい。もう岩みたいです。ほんと素晴らしい」
イーゴル
「練習以外の時は何してますか。休みの日は何してますか」
獅司
「休みですか? 飲んでまっす」
イーゴル
「あっ・・・」(会場がドッと湧く)
イーゴル
「好きな酒とかありますか」
獅司
「日本酒です」
イーゴル
「わあーすごい。もう日本人ですね。お寿司に酒(笑)」
獅司
「酒です」
イーゴル
「日本のファンって多いですか」
獅司
「日本ファン・・・。わかんないっす。今どんぐらいありますか(=どのくらい日本の獅司ファンはいますか)? 拍手をしてください」(拍手する仕草)
(会場から大きな拍手)
獅司
「(嬉しそうに)いっぱいあるっす(=たくさん獅司ファンがいる)」
(会場から笑い声、獅司本人も笑顔)
イーゴル
「わかりやすいですね」
大型スクリーン
「日本のファンの皆様へメッセージ」と題して、稽古場で立ち合う獅司の横顔写真。
イーゴル
「ちょっと最後に、獅司さんからファンの皆さんに伝えたいメッセージがあれば、お願いします」
獅司
「これから頑張ります。応援よろしくお願いします。雷部屋、また遊びに来てください。ありがとうございます」
(会場から拍手)
イーゴル
「ぜひぜひ。皆さん、よろしくお願いします。いや、ほんとに、私たちウクライナ人は、獅司さんのことを誇りに思っています。ほんとに頑張ってください」
獅司、何度も頷く。
獅司
「(会場に向かって)ありがとうございます」
イーゴル
「ありがとうございました。大きな拍手をお願いします」
※ ヘッダー写真の出典は、JICA主催イベント(2024年2月17日開催)。