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人生が晴れた日。

振り返って数えることもなかったけど、今朝確認したら、その想いを聴いてから、もう23年も経っていた。

その日からずっと、

つらいことや、どんなにくやしいことがあっても、キレることなく、逃げることなく、腐ることなく、ただひたすらに自分を信じて夢を目指してきた。

といっても、さすがに腐りかけたことは何度かあったけど。

ひどい経験もあって、もうどうしようもないがっかりの気持ちを何度も立て直して、我らはここにきた。

23年。そのうちの15年間、つまり結婚してからずっと、夫の試合を応援しているような心境だったな。

亡くなった親友からは、おい闘魂夫婦!とあだ名をつけられて呼ばれていたぐらいだ。

闘っていなかったとはいわない。あだ名の如くずっと、明確に見える敵とたたかってきたというのが真実だ。

仲間からも、なぜそんなに闘うのかといわれ、私もかつてそう思うこともあった。

我慢をしたり、努力をする時代は終わっているし、たたかいの時代も終わらせたいと思っていた。

だからこそ、無駄なたたかいにはしたくない。
権力で横暴を振るう世界をあくまでもアップデートする。

夫の姿はそう見えたし、それしか頭にはなかった。



信念を貫いたからこそみえる景色は、やはり清々しい。

昨日、ある契約をした。

内容はどうでもよい。条件だって完璧じゃない。ただ夫がずっと臨んでいた形にできたことは確かで、それが素晴らしく喜ばしい。

夫は気の利いた言葉を持つような人ではないけど、ある日ぽつりと言ったこの話に、私はとても共感した。

やっとの思いと行動で仕事がうまく行きかけてきた時、ある人からこう声をかけられた。

「おまえなんかがそんな大層なこと簡単にできると思うなよ」

そう言われて、心の中で夫はこう思ったという。

「あなたの世界の中のぼくは、そういう奴かもしれない。でもぼくの世界のぼくは、あなたの世界のぼくとはちがう」


ごまをすって、自分の立場を確保して、人をいじめ貶すことで自分のプライドを保っている、

そんな世界の中の自分を実現しなくていい。

できっこない期待を存分に裏切り、成功してよいのだ。


ああ長かったなあ。
この景色が一緒に見られてよかったなあ。

不思議と、朝から強風の嵐だった気象が、契約を交わした瞬間から空が晴れて、雲間から光が差し込み快晴になった。

まるで夫の映画を観ているようだった。

人生晴れた。


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