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変形性股関節症手術の記録 その1

変形性股関節症の悪化から人工股関節置換手術をしました。
手術から1年経過して、ほぼ普通に歩く/しゃがむ等の動作が出来るようになりました。ふと足を動かすだけで痛みが走っていたのが嘘のようにスッキリ。真っ直ぐ足を伸ばして仰向けに寝られるし、睡眠中に身体をずらしただけでズキっとくる痛さで目覚めることもありません。
健常な方にすれば極当たり前なことが二度と味わえない平穏だと思っていた2年間は何だったんだろう?な位に安らかに暮らせています。

発症してから5年。手術すると決めてから退院するまで、コロナ禍でのおひとりさま入院生活とリハビリ経過。多くの方達にに助けて頂いたおかげで今があるのを忘れないためのnoteです。


症状の自覚

股関節がおかしいな?と感じたのは5年くらい前。当時は肩凝り腰痛の治療で整体院に週2回定期的に通ってました。ある時「前腿が随分張ってますね」と言われた頃から次第に腿が張って正座が辛くなり、整体の効果も出ないので整体師さんから「整形外科で診てもらった方が良いですよ」と勧められて受診しました。
レントゲン結果から
「軟骨が減って大腿骨と骨盤の間隔が狭くなってるところがありますね。」とあっさり変形性股関節症確定。
まだ若いので治療で様子を見ましょう(※1)、となり週1で整形外科に通い、温熱療法&リハビリを2年続けました。

※1 関節の状態や日常の活動量などによって個人差があります。人工軟骨が1年間に0~0.1mmで磨耗するため、人工関節には耐用年数あり、一般的には15~20年といわれています。します。そのため日常生活に支障がない場合、交換(人工関節再置換術)をせずに済む年齢になるまで手術せずに温存治療することが多いようです。
また、激しいスポーツをすると耐用年数が短くなるといわれていますので、継続的にスポーツをする方はそのリスクを念頭に定期検診を受けて状態をチェックすることが重要です。

治療中断期

勤務先近くの整形外科に週2で通院していましたが、症状が悪化はしないけど好転することなく騙しだましな状態でいたところに
「緊急事態宣言」
不要不急の外出はするな、となり私は全日リモートワーク。自ずと勤務先近くの医院へも行かなくなりました。
生活にやや不便はあるものの、まぁどうにかなっていたので2年程放置していた間、徐々に悪化して気付けばQOLだだ下がり。日増しに出来ないことが増え、畳に座ることも立ちあがるのも痛む部位を刺激しないよう、また可動域が狭くなった足の向きを少しずつ変えながらの大仕事となってきました。

最終的にはこんな状態でした

・ほんの少し姿勢を変えるだけで股関節辺りがズキっとする
・1歩1歩が痛いので歩く速度が遅くなった。できれば長く歩きたくない
・しゃがめない。
・脚を後ろに蹴上げて靴を履けない(前腿を伸ばせない)。
・階段上り降りがツライ(片足に全体重を乗せると痛みがすごいから)
・股関節が開かない(可動域が狭い)
・仰向けで足を真っ直ぐ伸ばした状態をキープできない
 (前腿の筋肉を伸ばす姿勢が一番痛みを感じるため)
・片膝を立てたまま眠る。寝返りうつと痛くて目が覚めるので眠りが浅い

再度受診=手術を決意

上述の状態を後から調べたところ、かなり末期の症状だったんです。毎日少しずつ悪くなっていくので、当時はこんなものかと諦めがあり、治さなくちゃという気持ちが薄かったのです。
畳に座らずとも生活できるし、移動がつらい程度は我慢できますが、安眠できないのは堪えます。
膝を立てて寝るようになって1年位。そんな生活が情けなくなってきて「大きな病院で診てもらおう(≠いよいよ手術だろうな)」を決心しました。

病院を選ぶ

風邪もほぼ引かないので掛かりつけの病院がないワタシ、病院選びから始めねばなりません。この状態で行くとなると、手術まで面倒見てもらうべく長いお付き合いができる病院が望ましい。選ぶ基準は

 とにかく近くて通いやすい 急性期治療ではない病院(※2)

まず、症例が多く特段難しい手術ではないようなので、それなりに実績がある病院なら技術的な問題はないだろうと考えました。
それよりも、通院しやすいか?が私には大問題。ひとり暮らしなので送り迎えや付添ってくれる家人はいません。
手術後の状態に想像が付かず、歩けなければタクシーを利用することになります。交通費もばかになりません。
また、手術した後も一人暮らしの家に戻ってすぐに身の回りのことが出来るとも思えないので、ある程度回復するまで病院でお世話になりたいと考えました。
ということで、なるべく近所&リハビリ回復期も入院したままでいられる病院を選びました。

※2 『急性期病院』は、緊急・重症な状態にある患者に対し、高度で専門的な治療や処置の対応を24時間体制で行なっている病院のことです。急性期診療が必要な患者に病床を開けるため、必要な処置後の入院期間は短くなっています。つまり早期に自宅に戻って外来通院かリハビリ施設への転院が必要になります。
逆に、リハビリ含め自宅に戻るのが難しい患者の入院や、在宅療養をしている患者を受け入れ、在宅復帰を支援するのは『地域包括ケア病院』が該当します。

初診

一般的な問診をしてレントゲン撮影。
画像をみながら「軟骨が減って骨頭と骨盤が直接擦れて骨盤側が削れている箇所があります。割と大きく削れてます。これ以上大きく削れると手術もたいへんになります(※3)がどうしますか?」
「じゃ手術します!」 ほぼ即決。先生の方が驚いてた感じすらありました。こちらは長年痛みと付き合ってきたので、これ以上長引かせくはない、一心で受診しているので迷いはありませんでした。

手術を前提として次回CT撮影の予約。日常生活の辛さを訴えたので鎮痛剤(セレコックス錠100mg)を処方してもらう。かなり効いて歩くのは楽になったけど、眠る時の痛みは相変わらずでした。

 ※3 骨盤の削れが大きくなるとソケットを固定し辛くなる、とのことでした。
人工関節は、金属製のステムとボールとソケット、そしてソケットの内側にはめ込む超高分子ポリエチレン製のライナーでできています。

2診

CT画像確認して手術決定。先生のスケジュール、ワタシの(主に手持ちチケット絡みの)予定を擦り合わせ、手術日は三ヶ月後に決定。
手術の1ヶ月前に事前の検査をすることになりました。

つづく

注釈

変形性股関節症とは?

変形性股関節症とは、股関節の関節面にある軟骨がすり減り、骨同士が直接摩擦することで引き起こされる病気です。年齢とともに進行し、歩行や日常生活にも支障をきたすようになります。初期段階では、軽い運動や温めることで症状が改善する場合もありますが、進行すると手術を受けることが必要になります。

変形性股関節症の末期

人工股関節置換手術とは?

人工股関節置換手術は、変形性股関節症の進行により股関節が損傷した場合や、痛みや運動制限がひどく、日常生活に支障をきたす場合に行われる手術です。摩耗した関節を人工のものに置き換え、痛みや運動制限を改善することができます。
手術の流れは、まず患部を切開し、股関節を露出させます。次に、股関節を取り囲む筋肉を切開して、股関節を外します。その後、傷ついた股関節の損傷面を取り除き、人工関節に置き換えます。
手術自体は数時間で終わりますが、入院期間やリハビリ期間には数週間から数ヶ月かかることがあります。
人工股関節置換術は日本国内で40年以上前から行われている手術です。整形外科では一般的な治療法として定着し、手術件数は年々増えており、今では年間7万例以上にも上ります。
人工関節ドットコム (https://www.jinko-kansetsu.com/hip/index.html)

人工股関節

手術のリスク

手術には、出血、感染症、人工股関節の緩みや脱臼、神経損傷などのリスクがあります。また、手術後には、術後の痛み、リハビリ期間中の制限、人工股関節の摩耗、手術後の腫れや痺れ、血栓症などの合併症も起こり得ます。
手術を受ける前に、リスクについて医師と十分な話し合いをすることが大切です。

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