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【超実践】頭が良くなる「本の読み方」講座【有料級】

はじめに

こんにちは、リウです。

この講座では、私が10年以上をかけて培った頭が良くなる「本の読み方」をお届けします。

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頭が良くなる「本の読み方」? 本当にあるの?
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少しだけ胡散臭く感じられるかもしれませんが、10年以上の読書歴、年間300冊を読破するノウハウを惜しみなく注いで書いているので、質は保証いたします。

正直、「有料記事」にしてもいいと思っています。間違いなく「有料級」で、これから書いていく内容を「純粋な読書」で得ようと思ったら、膨大な額がかかってしまうでしょう。

しかし、Twitterは「圧倒的ギブ」が主流の戦場なので、今回は出血大サービスで「無料公開」させていただきます。

この講座で得られるもの

以前、私は別記事のなかで「本を読む人が抱く悩み」を一覧にしてまとめたことがあります。以下は一部引用ですが、

  • 読書が積み上がっていないと感じる

  • 説明したいときに本の内容を説明できない

  • 著者のメッセージを鵜呑みにしてしまう

  • 読んだ内容を忘れてしまう

  • 深い読みをすることができない

  • 知識を実践で使えている気がしない

などがありました。

どれも深刻な内容ですね。現在、読書に励まれている方が「よく抱える悩み」であると思います。

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しかし、この講座を読むと「上記の悩み」が解決できます。
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具体的には、以下のようなかたちで「読書の悩み」が氷解します。

①読書が積み上がっていないと感じる
「一冊を完璧に仕上げる読み方」を習得するので、積み上がらない心配は不要です。

②説明したいときに本の内容を説明できない
「説明したいときに説明できないロジック」を解説します。しくみを知ることで、有効な対策が講じられます。

③著者のメッセージを鵜呑みにしてしまう
→当講座を学ぶ過程で「批判的に読む能力」も習得できます。

④読んだ内容を忘れてしまう
→②と同じ論理で、心配は不要です。

⑤深い読みをすることができない
→当講座を終えることで、自然と深い読みができるようになります。

⑥知識を実践で使えている気がしない
実践で使う手法をご紹介します。

以上、この講座を最後まで読み通していただくことで、読書する際に「本の読み方」で四苦八苦することはなくなると思います。

ただし、「全ての本」をすぐさま読み解けるようにはなりません。

難解な哲学書や科学論文を読解するには、専門的な訓練が必要です。そういった例外はありますが、ビジネス書や自己啓発本を読み解くには充分なスキルが身につくことでしょう。

マインドセットを習得する

マインドセットの必要性

それでは具体的な「本の読み方」に入っていきたいのですが、その前に「心構え」として、マインドセット的な話をしておきます。

まず、私が考える「本の読み方」には、マインドセット的な部分スキルセット的な部分があります。

両者を分けるのは、それぞれが別個の役割を抱えているからですね。マインド(=心構え)は、スキルセットを学ぶ前の段階で頭に入れておかなければなりません。

理由としては、マインドセットが「木の幹」の役割を果たすからです。具体個別的なスキルセットは、木で例えるとどうしても「枝葉」の部分に相当しがちです。

ここで間違う人が多いのですが、「枝葉」であるスキルセットをひたすら極めても、真っ当な読解力はつきません。

考えてみれば、当たり前の話ですね。

スキルとは本来、人に教えられる「技術」だから「スキル」と呼ばれるのです。つまり、言い換えるなら「再現性のある世界の産物」です。

一方、本の内容は必ずしも「再現性のある世界の産物」とは限りません。

むしろ一部のビジネス書や自己啓発本は、主観的な要素の強い「情緒」で書かれた部分を含んでいます。それは著者独自の主張につながっていたり、著者の好き嫌いがオリジナルな意見を作り出していたりします。

要は、「再現性のある世界の産物」を極めるだけでは、本を読んだときに「読み取れる限界」があるわけですね。

どこの世界に、著者の「情緒」をスキルセットで読み解こうとする人間がいるのかという話にもなります。

以上のような理由から、マインドセットはスキルセットに優先されるのですが、ここからは「私たちが持つべきマインドセットの内容」を解説していきたいと思います。

マインドセットの内容

本を読むうえでは、どのようなマインドセットを持つべきなのか?

最初に押さえておくべきは「目的意識を持つ」ことです。

具体的には「自分がその本を読む目的」を確定させておくことが大事です。明確な目的意識を持つことで、読みこなしの精度が格段に上がるから、というのが理由になります。

この「読みこなしの精度」を上げることは非常に重要で、目的を定めずに読み始めてしまうのは、目的地を決めずに旅に出るようなものです。

何気ない散歩や気ままなひとり旅ならいざ知らず、ビジネスやキャリアのために行う読書であれば、目的地を定めずに歩き出してはいけません。

説明をわかりやすくするため、具体例を加えましょう。

取り上げる本は、マーケティングのベストセラー『ドリルを売るには穴を売れ』にします。内容を解説した「書評」があるので、併せて読むと理解が深まるかと思います。

早速「目的意識」を固めていきますが、その際にいくつか参考にできるポイントがあるので、ご紹介しておきます。

  1. 「表紙」

  2. 「帯」

  3. 「目次」

慣れないうちは、以上の3ヶ所に注目するといいでしょう。特に「帯」と「目次」の情報には要注意です。

それでは実際にやっていきます。

色褪せないマーケティングの良書

まず「表紙」の左上に「誰でも『売れる人』になるマーケティング入門」とあることから、マーケティングの入門書にあたる本だとわかります。

この時点で「作り手側の意図」は半分透けているようなものですが、続けます。そのまま表紙を見ていくと、中央よりちょっと下に、著者の肩書が書かれています。

・マーケティング脳トレーナー
・MBA&中小企業診断士

「マーケティング脳トレーナー」の肩書が意味不明ですね。下の「MBA&中小企業診断士」とはえらく落差がありますが、続けましょう。

本の「帯」には、印象的なコピーが入っていますね。

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「お客様はモノではなく価値を買っている」
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これはどういう意味なのでしょうか?

少し推論を働かせてみますと、こういう帯のコピーには通常「一番伝えたいメッセージ」が載せられます。スペースは限られていますから、余計な一文を書くわけにはいきません。

そのルールを守っていないということは、極めて物質的な訴えがあるわけではなく、本当に伝えたいことは、何らかの「マインド的な要素」を含むものだとわかります。

でなければ、こんな印象的なコピーは書かないですよね。

もっと直接的な「この本を読めば、こうなります!」的な内容を載せた方が、素直にメリットを伝達できます。

じつは、これを意識した状態で「目次」に進むと、目的地の発見がスムーズにいきます。

まとめると「表紙」と「帯」から、次のヒントが得られました。

  • 表紙→マーケティングの入門書であること

  • 帯→基礎的なノウハウ以外のマインド的な何かを伝えたいこと

すなわち、本書は「マーケティングの入門書でありながら、著者の意図するところはそれだけではない」のです。

  • もちろん、マーケティングの基礎知識を教えることも大事でしょうが、強調したい部分を見逃してはダメです。じつは著者が強調するポイントこそが、本を書く人間が最も頭を使って考え抜いた部分だからです。

マインド的な要素も含む…。そんな認識をあらかじめ持った状態で目次に目を通すと、気になる項目を見つけられました。

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序章「マーケティング脳とは何か?」 14
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「14」はページ数です。つまり、14ページに著者の言う「マーケティング脳」の説明があるのです。該当のページから一部引用してみます。

このように、わたしたちの買い物をちょっと注意深く観察すれば、「マーケティングは会議室で起きているわけではない!」ということがわかっていただけるだろう。このようなネタは際限なく転がっており、このようなマーケティングのヒントに敏感で、マーケティング的な思考・発想ができることを、わたしは「マーケティング脳」と呼んでいる。

『ドリルを売るには穴を売れ』佐藤義典(青春出版社)、p14

なるほど、著者はこの「マーケティング脳」というものを読者に伝えたいようです。文脈的に、ここが「マインド的に伝えたい何か」で間違いないでしょう。

表紙に「マーケティング脳トレーナー」という肩書がありましたが、そこともつながりますね。やけに「マーケティング脳」を推しますが、それだけ著者が強調したいということです。

表紙、帯、目次、3つを活かして少し推理をしてみました。ここまで来れば、具体的な「目的意識」を設定するのは難しくないでしょう。

要は、著者の強調する「マーケティング脳」の正体を理解し、それが何によ
って成り立つかを考えればいい
のです。

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【目的意識の例】
①「マーケティング脳」の正体を自分なりに定義する
②「マーケティング脳」が何によって成り立つかを考える
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以上、『ドリルを売るには穴を売れ』を使って、目的意識の定め方を解説してみました。

3つのヒントを活かして、色んな本で試してみてください。

具体的な「本の読み方」

ここからは具体的なスキルセットの解説に入っていきます。前章ではマインドセットの重要性、『ドリルを売るには穴を売れ』のケースを通して「目的意識」の持ち方を学びましたが、ある意味、本番はこれからです。

なお、この講座で紹介する「本の読み方」は2つのパートから成り立っています。順番にこなしていただければ、正確な文章の読解が可能になります。

実際に読んでいただければご理解いただけますが、中身を見ると「ああ、こんなものか」と思うほど、至極当たり前のことを論じています。

ここで協調しておきたいのは、そうした「当たり前」の技術を極めることが、精緻な読解の実現に必要不可欠である点です。

たった「2ステップ」しかないと意気消沈せず、1パートずつ、じっくり読んでいってください。

①意味の確定

1パート目は「意味の確定」ですね。

これだけではさっぱりだと思いますので、私なりに定義すると「意味の確定」とは「その文章がどんな意味を持つのか正確に理解しておくこと」と言えます。

文章には「意味」があります。主語があって述語があり、そのあいだに目的語や補語がある。形容詞や副詞という修飾語句も存在する。英文法を下敷きにするとわかりやすいですが、さまざまな要素の交わりから総合的に「意味」が規定されるのです。

1パート目では、ここを押さえにかかります。というのは、私たち日本語ネイティブな日本人は、生育過程で自然と母語を習得してしまうので、じつは文法や言語の読解に関するリテラシーが低いのです。

文法の基礎知識や読解力を養うのは、義務教育の国語の授業ですが、実際のところ義務教育期間で充分な能力を養えているかは疑わしい。

したがって、正しい「本の読み方」を身につけるには、文章の実質的な最小単位である「文」の意味を理解することが重要なのです。

例を出しましょう。今度は、ロジカル・シンキングの定番書『イシューからはじめよ』を取り上げます。

こちらの記事に解説があるので、やはり併せて読むと理解が深まるかと思います。

今回は4ページの「悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える」の一節から文章を引用し、論じていきます。

僕は自分の周りで働く若い人には「悩んでいると気づいたら、すぐに休め。悩んでいる自分を察知できるようになろう」と言っている。「君たちの賢い頭で10分以上真剣に考えて埒が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい。それはもう悩んでしまっている可能性が高い」というわけだ。(中略)ビジネス・研究ですべきは「考える」ことであり、あくまで「答えが出る」という前提に立っていなければならない。

『イシューからはじめよ』安宅和人(英治出版)、p4

少し長い引用になりましたが、この文章では「悩むことと考えることの違い」について語られています。

実際に意味を押さえていきましょう。

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「君たちの賢い頭で10分以上真剣に考えて埒が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい。それはもう悩んでしまっている可能性が高い」
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上記の文は、著者が周りで働く若い人に向けて発している言葉ですが、「悩むことと考えること」について検討するうえでは、とても示唆的な文章です。

まず「君たちの賢い頭で10分以上真剣に考えて埒が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい」とは、どういうことでしょうか?

私なりに言えば、「私が今話しかけている君たちはとても頭が良いのだから、その君たちの頭で長く考えても答えの出ない問題は考え続けても無駄だ」というふうになります。

今、私がやったのは、既出の言葉を自分の言葉に変換する、いわゆる「言い換え」ですが、じつは「意味の確定」プロセスにおいて、最も役に立つ手法がこの「言い換え」なのです。

なぜなら「言い換え」をするには、意味を理解するための3つのプロセスが含まれているからです。それは「理解→分解→再構築」という流れです。

それぞれの要素の解説をし始めると長くなるので今回は省きますが、要は「言い換え」を通じて、堅固に意味がわかるようになるわけです。

それでは残りの読解を片づけてしまいましょう。

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「ビジネス・研究ですべきは『考える』ことであり、あくまで『答えが出る』という前提に立っていなければならない。」
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先ほど手に入れた「言い換え」を使うと、以下のようにも言えます。

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「『答えが出る』ことが、ビジネス・研究を考える際の前提条件である」
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多くの方がとっくにお気づきだと存じますが、私は主語と目的語を入れ替えただけです。具体的には「ビジネス・研究」と「答えが出ること」の順番を変えただけですから、特別なことはしていません。

しかし、順序を入れ替え、言い換えたことで「意味が捉えやすくなった」と思います。これが「言い換え」の威力です。

最後にこれまで「言い換えた」文章をまとめ、確実な意味を手に入れます。
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「私が今話しかけている君たちはとても頭が良いのだから、その君たちの頭で長く考えても答えの出ない問題は考え続けても無駄だ」
「『答えが出る』ことが、ビジネス・研究を考える際の前提条件である」

【確実な意味】
「『答えが出る』ことが、ビジネス・研究を考える際の前提条件である以上、考えても答えの出ない問題を考えるのはナンセンスである」
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どうでしょうか?

案外、短くてあっさりした結論になったのではないかと思います。しかし、私の知るところ「言い換え」以上に「文意を掴み取るのに便利な方法」はありません。

既出の文章に対して、「自分の言葉を経由して文章を組み替える」ことで漏れなくダブりなく「本来の意味」を確定させられるのです。

ここまで「意味の確定」を解説してきました。これで少なくとも、あからさまに文意を間違えることはなくなると思います。

②全体で論じる

続いて2パート目に突入してまいります。ここでは「全体で論じる」を扱います。早速、解説していきましょう。

まず定義から入りますが、私なりの定義では「①で得た意味を全体的な文脈とかち合わせること」となります。

要は、①で得た意味を文脈的に捉えていく作業ですね。作業の抽象度は若干向上しますが、正確な文意を得るには欠かせないものです。

さて、①で得られた意味は、次のようなものでした。

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【確実な意味】
「『答えが出る』ことが、ビジネス・研究を考える際の前提条件である以上、考えても答えの出ない問題を考えるのはナンセンスである」
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この「意味」を全体的な文脈に当てはめていきます。

ところで①で引用したのは「悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える」という一節ですが、こちらは「優れた知的生産に共通すること」という「章」に含まれています。

したがって、①で得た意味をぶつけるのは「章」に対してです。

①で論じた文章は「悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える」の一部ですが、そちらを論じるより「優れた知的生産に共通すること」に焦点を絞った方が明らかに有用そうです。

実作業に移りましょう。「章」が「何を述べているか」は、著者が既に題をつけてくれています。

つまり、「優れた知的生産に共通すること」ですね。

ここに①で得た意味をぶつけると、

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「『優れた知的生産』においては、『答えが出る』ことが、ビジネス・研究を考える際の前提条件である以上、考えても答えの出ない問題を考えるのはナンセンスである」
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となります。

単に「優れた知的生産においては」を、冒頭にくっつけただけだと思われるでしょう。実際その通りなのですが、文脈に具体的な意味をぶつけるとはこういうことです。

現実社会では(最近はSNSで顕著に見られるようですが)、全体的な文脈と具体的な意味を切り離して語られがちです。本来この2つは不可分であって、文脈を無視して意味を論じることはできません。逆もまた然りです。

よって「正確な読解」とは、著者が提示した文脈を考慮しながら、個別具体の文章を読み進めていくことを言います。

「文脈に照らしながら、目の前の一文を読む」

あまりにも基本的ですが、あまりにもないがしろにされがちです。

おわりに

ここまで長文を読んでくださりありがとうございます。

丁寧に読み進めていただいた方は、私が紹介した手法が「こんなに単純な手法だったのか」と考えていらっしゃるかもしれません。

しかしながら、最も原理的かつ基本的なことであればあるほど、それを極めれば、最も効果的な方法として運用できるということは、多言を要しない真実でもあります。

また、「部分から全体の方向性」で完結するわけはありません。全体から部分を参照する場合もあり、往復運動を何度か繰り返すケースも出てきます。

より難解な文章を読み解こうとすれば、正確な文意を得るのに何度も「部分と全体の往復」を繰り返すでしょう。

この先に広がっている「読解の荒野」は、基礎的な手法を武器に、ちょっとずつ切り拓いていくしかないのです。

最後に、冒頭で示した「読書の悩み」が、今回紹介した手法によって「どのように解決するのか」を記して終わりにいたします。

①読書が積み上がっていないと感じる
「一冊を完璧に仕上げる読み方」を習得するので、積み上がらない心配は不要です。
→一冊の本を分解すると「章」「節」「文」という流れで構成されています。今回紹介した手法は「文」を正確に読み解くものです。最小単位の「文」を正確に読み解ければ、積み重ねによって「節」「章」を攻略できるはずです。

②説明したいときに本の内容を説明できない
「説明したいときに説明できないロジック」を解説します。しくみを知ることで、有効な対策が講じられます。
→「説明したいときに説明できない」のは、「文の意味」を他人に説明できるくらい理解できていないからです。自分が理解できていないのに、他人に説明できるわけがありません。したがって「文意」を理解すれば、自然と説明ができるようになります。

③著者のメッセージを鵜呑みにしてしまう
→当講座を学ぶ過程で「批判的に読む能力」も習得できます。
→最小単位である「文意」を理解できたなら、自分が同意できるところもあるし、そうでないところもあるでしょう。そうした区別がついたなら「批判的に読む能力」がついたも同然です。

④読んだ内容を忘れてしまう
→②と同じ論理で、心配は不要です。
→②で解説したように、「文の意味」を他人に説明できるようになれば、内容を忘れることはありません。

⑤深い読みをすることができない
→当講座を終えることで、自然と深い読みができるようになります。
一文ずつ「正しい読解」をすることこそ「深い読み」そのものです。

⑥知識を実践で使えている気がしない
実践で使う手法をご紹介します。
【追記】をご覧ください。

ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。

この講座を何度も読み返し、基本的な「本の読み方」をモノにしていってください。

では、あなたの読書生活が実りあるものでありますように。

【追記】

講座を全て作り終えた段階で書いています。

大事なことを講座の途中で伝えていなかったことに気がつきました。じつは私が紹介したい「本の読み方」はこれで終わりではありません。

続きは「本の考え方」講座となります。どちらかと言えば、そちらが伝えたいことの「本体」で、この「本の読み方」講座は前座にあたります。

具体的には、この講座ではお伝えし切れなかった「読書を実生活に活かすための手法」をメインに紹介しています。

知識は「知る→実践」の流れで自由自在に扱えるようになりますから、続きの講座では「実践」の部分を知ることができます。

この講座は「本に書いてあることを正確に読めるようになるため」のものなので、その延長線上にあると考えてください。

読書をビジネスやキャリアに活かしたいという方に「刺さる」内容だと思いますので、ぜひご覧ください。

現在執筆中です。近々お届けできますので、もう少しお待ちください!


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