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診察では話しきれない話

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診察はどうしても全てをうかがい、説明するには十分な時間が取れません。 少しずつここに書き溜めていきながら説明の補足にしてもらいたいです。
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記事一覧

家庭医がみる〜便秘のはなし〜

今回は便秘の話です。 意外と便秘で悩んでいる方は多いし、最近は色々な薬が出ていて選択肢も増えているので解説しておこうと思います。 便秘ってなに?便秘って何?って話です。 「私って便秘なんですか?」聞かれる方もいます。 便秘って何を持って便秘というのでしょう。 定義は以下のようになされています。 すごく簡単にいうと 便が出ていない状態。 便が出ていてもスッキリしない感じがある。 少しずつしか出ていない。 それが長くつづているなら便秘ということです。 便の状態を確認しよ

訪問診療やってます

当院は20年以上佐賀市を中心に訪問診療も行っています。 先日長年のかかりつけ患者さんから家族が訪問診療開始になったと話があり、「先生のとこ訪問診療やってたの?」「お願いしたらよかった」と言われる場面がありました。 そこで気づきました。 「知らなかったのか!!」と。 ということで、ホームページ内にも記載していますが、 当院がどんな訪問診療をしているか書いておこうと思います。 今回は概要、次回は実際の導入までを説明します。 訪問診療って何?A.しらみず診療所の訪問診療につい

プライマリ・ケアって何?――松田晋哉先生、草場鉄周先生との鼎談

「勿凝学問410」2017年に刊行し、翌年に増補版を出した『ちょっと気になる医療と介護』の重版出来の連絡が届く。第3版にしようかと思い、新企画の一つとして、プライマリ・ケアに関する鼎談を思いつく。産業医科大学の松田晋哉先生と日本プライマリ・ケア連合学会理事長の草場鉄周先生との鼎談は、とてもおもしろいものになったので、オンラインでの公開も行うことにした。 (写真は草場先生提供) 日本プライマリ・ケア連合学会、草場理事長挨拶 Ⅰ部 プライマリ・ケアって何?色々と相談でき診ても

#4 風邪診療について考えよう

だいぶ寒くなってきましたね。 みなさん元気にすごしていますか? 喉が痛い、鼻水が出る、咳が出る。 風邪をひきやすい季節になってきました。 ということで、最近いろいろな病院にかかっている人の お薬手帳をみると、抗生剤を出されていることが多い。 そこで風邪診療について考えてみましょう。 風邪診療についてたくさんの薬は必要か2019年にAmerican Family Physicianという総合診療・家庭医療系の雑誌に風邪診療に関する最近の知見がまとめられています。 日本で

#3家庭医としての守備範囲

「先生何の専門医?」 「家庭医です」 「???」 家庭医をしているとよくある会話です。 今日は僕の守備範囲について書こうと思います。 1.病気日常的によくある症状・疾患を対応します。 内科、外科、小児科、皮膚科、眼科、精神科と領域を跨いで診療します。 稀な病気や専門的な施設・検査が必要な場合は専門医にご紹介させていただきます。 下の図のように総合病院に受診/入院する、救急外来を受診する人は合わせて1割程度で、そのほかの人の日本人の8~9割の人のニーズはプライマリ・ケアで

#2 ダイエットは自分を理解することからはじめる

診療所ではダイエット・肥満外来も行なっています。 漢方薬を使って痩せたいという人も多くおり、治療に併用していることもあります。 僕のダイエット・肥満外来の方針は『怒らない・叱らない・自立する』です。 厳しく指示してコントロールしてほしい人は是非スパルタトレーナー、肥満外来をしている厳しい言葉をかけてくれる先生方を探してください。 僕の考えを外来ではなかなか伝えられないので、ここで書いていきます。 1.自分のことを理解する僕の外来では、まず、朝夕の体重を測ってもらうことから始