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酒とバラバラの日々/『Da Lat Whey Stout/Pizza 4P’s』


黒ビールはたまに無性に飲みたくなるものです。黒砂糖的な甘みを脳が感じているように見えて、実際は苦みがやや強い程度です。ただ何となくカラダにいいような気がします。
酒飲みは飲んで健康になりたいのです。百薬之長っていうくらいなので。
でその正体は、ビールの材料である麦芽(モルト)の一部を黒くなるまで深煎りして混ぜているというモノ。混ぜる量で黒さの度合いが変わりますがせいぜい10%くらい。多少でも黒いのは黒ビールと呼ばれます。
 
これはベトナムで大人気のニッポン系ピザ店4P’sが作って売っている黒ビールです。
4P’sはFor peaceで企業のコンセプトとしては極めて明快です。ベトナムに駐在していた商社員の人が独立して始めました。ハノイで最初にオープンしたのは2011年で、今は30店舗くらいあります。どこもカネ持ちベトナム人で賑わっています。
最初にできた店はウチの近くの古い建物を改造した倉庫みたいな空間で、中に大きなピザ釜が並んでいてピザを作る若者が舞台の上の役者のように動いていました。高揚感を掻き立てるいい店でしたが3,4年で別の場所に移りました。
 
聞いた話ではカレ等Da Latに牧場を持っていて、そこで絞ったミルクでチーズを作って、そのチーズでピザを作ってみたいな、数々の美しい物語を纏っています。
このWhey Stautは、、wheyは乳清、つまりは牛乳から乳脂肪分やカゼイン(タンパク質)などを除いた水溶液で、チーズを作るときに出る副産物でこれまで捨てていたものを最近は栄養的な価値があるので使っている、って、それがビールに入っているのかな、
Stautはアイルランド発祥の黒ビールのことでコクのあるエールビールという意味です。
黒ビールもただじゃ済まさないぞ、みたいな。
 
茸ピザ1枚のランチで飲みましたが牛乳の味はしませんでした。たぶん。だいたい味というのは記憶できないものです。乳清がどう使われているのか、興味があるようなないような、たぶんない。
モノの本には黒ビールに合うツマミはチーズらしいのでいい選択でした。
数値的にはABV: 5.5%、IBUs: 40です。アルコール度数、苦みとも若干高めです。1本をゆっくり飲む感じです。黒ビールはギンギンに冷やして飲むものではないので多少ぬるくなっても問題ありません。
美味しゅうございました。
 
この店でいつも思うのは、オレの会社ってこんな立派なコンセプトあったっけか、みたいなことです。
広い意味でのコンサルタント業ですが、モノではないデザインとかアイデアを売っておカネをもらっています。
お客によってはこっちが出したアイデアを使っておきながら、最後に気に入らないとか言って食い逃げするのもいます。払うにしてもいかに引き延ばすかが経理担当者の腕の見せ所みたいな。
レストランなんかでもおカネ払うときに明細見て、コレとコレは不味かったわ、みたいなこと言って値切る人たちなんだワ。そこでPeaceとか言ってもねえ、、
 
所詮ワレワレはイメージの海を無自覚に漂っているだけです。

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