見出し画像

AIの思考を知るために「数学」を学び直してみる。

■「量子力学」という不思議な世界があることを知って以来、超常現象や超能力の話を聞いたときに、即否定するのではなく、「もしかしたら、そんなこともあるのかもしれない・・」と思うようになりました。

クイズ番組で、出題を聞いた挑戦者が、○と×どちらかのボードに向かって走ってそれを突き破り、正解ならマットに着地、不正解なら泥まみれになる、という企画がありますが、

「光」というのは、「粒子」でありながら、「波動」でもあるらしく、両方のボードを同時に通り抜けることができるそうです。

そんな不思議な現象を、「波乃光子」という被告の裁判劇で解き明かす本があります。

鏡の中の物理学(朝永振一郎著。講談社学術文庫)

ノーベル物理学賞を受賞した朝永氏による科学入門書ですが、とにかく分かりやすくて読みやすくて面白い。

「二つの窓の両方をいっしょに通って侵入した」と一貫して主張する「光子」の弁護人が、被告の精神鑑定を求めると思いきや、検察官の主張の矛盾をつき、実験によって反証していく様は圧巻です。

朝永氏によると、「光子」の行動を述べるには、われわれの日常的な言葉をもってすることはできないそうです。

朝永氏は、こう述べます。

日常的な考え方から全く自由な、より純粋な言語によらなければ、そういうものの記述はできない。こういう、全く自由で純粋な言語というのは、すなわち数学である。



最近は、数学を学び直しています。
その理由は、AIの思考方法を知りたいと思ったからです。

AIは電子計算機ですから、日常の言語ではなく、数学という言語で思考している。そうだとすれば、数学を学ぶことで、「AIにできることは何か」、「人間にしかできないことは何か」を知るヒントを得られるのではないか・・・

学び直すと言っても、受験問題を解けるようになる必要はありませんし、高校時代の教科書を読み返しても、ほぼ100%理解できませんので、まずは、「統計学」「線形代数」「微分積分」について、こんな本を読み進めました。

「マンガでわかる やさしい統計学」(監修者:小林克彦、マンガ:智・サイドランチ。池田書店)

「マンガ 線形代数入門」(原作:鍵本 聡、漫画:北垣絵美。講談社)

「Newtonライト2.0『微分積分』 (ニュートンムック)」

数式だけの教科書とは違って楽しんで学べますし、何より「試験がない」という気楽さが、かえって本質的な理解を深めることに役立っている気がします。


朝永氏の言うように、「数学」のことを、数式の集まりではなく、世界を読むための「コトバ」だと考えることにしました。
そのように考えれば、法学も数学も、国語も英語も、本質は同じです。

コトバを学び続け、認識できる世界を拡げていきたいですね。
(了)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?