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「いじめられる側にも問題がある」は間違っている!だけでは、いじめは解決できない

いじめられる側が問題児だった

いじめられる側にも問題があるケースは、実はそこそこ存在してると思っています。なぜなら、他でもない私がそうだったから。
今でもけっして上手とはいえないけど、私は子供の頃は他人との付き合い方が本当に下手くそでした。小学校時代にいじめにあったのは、その「人付き合いの下手さ」が原因だったと思っています。特に小5-6の頃は、自分の中で暗黒時代と位置づけているほど、学校でも酷いいじめにあいましたし、塾でも家でも……どこへ行っても誰とも上手く行かない状態でした。
ちなみに当時の私を振り返ると、
・提案が聞き入れられないと激高する
・相手が嫌がる悪戯やイジリが仲良しの証だと思っている
・不注意が強く、とにかく色々失敗する
という状態です。いくら子供の頃とはいえ、思い返すと顔から火が出るレベルの状態ですね。これで周りの子と上手く行くためには、よほど飛びぬけた魅力をもっていなければ無理でしょう。

持って生まれた性質や家庭環境が問題行動につながっていた

何故当時の私がそんな状態だったかというと、他責的な言い方ではありますが、母親の影響が強かったのだと思います。
私の母親が、とにかく最初の2つの項目が強い人なんです。意見がぶつかれば、交渉の余地はなく、キレて暴れ、自分の意見を押し通す。私が泣いて「イヤだ」といっても、イジりやちょっかいを繰り返し「これは愛情だ」と言い張る。そんな状態の家でしたから、当時の私は「要求が通らなければヒスって相手をビビらせればいい」と本気で思っていました。その上、少し仲良くなれば「もっと仲良くなりたい」と、しつこくちょっかいを出す。無意識に、母親の真似をしていたんです。
また当時は不注意もひどく出ていました。実は今も不注意傾向はあり、請求書の処理のような事務仕事は大の苦手なのですが、あの頃は特にひどかったです。多分生活そのものが不安定だったから、元々もっていた性質が余計に悪くなっていたのでしょう。時代も時代で、クラス全員が名札を付けていないと連帯責任…みたいな状況もありました。そんな中で私が頻繁に名札忘れるわけですから、まあ……みんなからは嫌がられますよね。周りから「予備の名札買って学校に置いておけ」とは言われましたが、親に言ったところで「忘れるお前が悪い」「ムダ金使わせるな」って怒られて終わりです。小遣いももらっていませんでしたし、お年玉なども親預かりで、自由になるお金もありませんでしたから、どうにもなりませんでした。
余談として当時はアトピーも酷くて、見た目もひどい状態ではありましたが、やはり私の人づきあいのヘタさや、不注意がいじめの原因になったのだと思っています。

「いじめられる側にも問題がある」は間違っている!では救われない

そういう訳で、私は「いじめられる側は絶対にシロ!」のような論調に首をかしげることも多いです。大人になってから「いつも集団から仲間外れにされる」ってボヤく人が、とんでもない性格をしてたのを目の当たりにしたこともありますし。集団ならではの理不尽さが存在するのも事実ですが、はやり「何かがおかしい」人がターゲットになりやすいのは事実でしょう。
世には「いじめられる側はシロ」な物語はあふれています。「あなたは悪くない」「諦めないで」そんなメッセージは多いですね。でも、そういうものを見ても、私には救われる部分が全くありませんでした。自分が悪かった自覚がありますから。それで、かなり長い間、重苦しいモノを抱えていました。

「いじめられる側」にもサポートが必要

そんな話をしていたら、あるとき現教職の人が「そういう場合には、いじめられてる側にも『何が問題か』を学ばせて、よりよい行動がとれるようなサポートが要る」と教えてくれたんです。私は、そのときはじめて救いを感じました。
小学校では、前述のような状況でしたから、当然当時の担任の先生とも折り合いが非常に悪かったのです。その上、当時の私は中学受験をさせられており、一方で担任はどちらかというと「自然体の子供」が好きなタイプ。成績より人格。勉強より学校の活動というスタンスでしたから、なおさら嫌われていました。当然、私の教育方針をつかさどる親と先生との折り合いもむちゃくちゃです。板挟みな伝書鳩を何度させられたか(笑)
でも、現教職の友人の言葉のおかげで、当時の担任に対して「色んな歯車が上手くかみ合わなくなっちゃってることに気づいて、手を差し伸べてくれても良かったんじゃないの?」って、思うことができました。当時の周囲の大人たちに、もう少し期待をかけて良かった、頼れる存在であってほしいと願って良かったんだと気づきました。

必要なのは「問題がある子」が集団に含まれるのを前提とした教育

私の場合中学に進んだあたりで、幸い色んなことが少しずつ良くなり、高校からはだいぶ生きやすくなりましたが。当時を思い返すと、いじめられる側にも問題があるケースと、それに対するアプローチ方法が、もっと世間に知られてもいいんじゃないかな……と思います。
世の中のいじめ問題の話を見てると、とにかく加害者側がクロで、被害者側はシロという処理が多んですよね。でも、実際はそういう状況ばかりじゃない。いじめに発展するより前に、何かがズレているケースもかなりあるんじゃないかと思います。
ですから、集団の中にヘンなヤツがいても、礼儀正しく距離を取る必要性とか、先生や周りの大人の、ヘンなヤツに対するアプローチ方法とか、そういう対処方法がもっと知られたらいいと願っています。



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