【木曜日のしかけ#40】幹部に経営会議の議題を提案させる
木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。
社長、突然ですが経営会議の議題はどのように決めていますか?
『白潟さん、私が事前に考え決めてますよ』
ありがとうございます。
社長が議題を決めるのが一般的ですね。
『そうだね、経営会議の3日前までには幹部に議題を共有し事前に考えてもらい経営会議に参加させてます』
さすが、社長段取り上手ですね。
経営会議では活発な議論が行われそうです。
今回、社長に紹介する7秒しかけは「幹部に経営会議の議題を提案させる」です。
『うちは、事業部長や本部長にも議題を考えさせ私に提案させてます』
なるほど、既に7秒しかけ実践ずみですね。素晴らしいです。
ここまで読んでもらいありがとうございます。
『白潟さん、幹部に考えさせたら最適な議題にならないのでは?』
もちろん、その通りかもしれません。
ただ、全幹部に経営会議の議題を考えさせ、全参加者の前でプレゼンさせ社長が最後に議題を決める方法は極めて有効な幹部育成になりませんか?
『たしかに、それは有効だね』
社長にとって、現時点での幹部育成の優先度が低いのであれば7秒しかけ「幹部に経営会議の議題を提案させる」は実践されない方がいいかもです。
幹部育成の優先度が高い社長は、ぜひ読み進めてください。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 「幹部に経営会議の議題を提案させる」とは
経営会議の主なねらいは、組織の戦略的方向性や重要な意思決定を行うことです。 具体的には次に示すようなものがあります。
① 経営戦略の立案と評価
長期的な目標やビジョンを実現するため、現在の戦略を評価し必要であれば見直し改善点を見つける。
② 業績のレビューとフィードバック
組織の業績や進捗状況を確認しフィードバックを共有することで、問題点を把握し解決策を立案し次のステップを計画する。
③ リスク管理と対策
組織の様々なリスクを列挙・分析し、必要であればリスク対策を議論し決める。
④ 意思決定の迅速化
重要な課題について迅速に意思決定を行う場として、経営陣が集まって議論し結論を出します。
理想は、経営力が高い経営陣が異なる視点を歓迎し、自由に意見を言い合い積極的に議論し社長が最後に意思決定することです。
ただ、中小ベンチャー企業では社長と幹部の間に実力ギャップがあり、社長ひとりで意見をだすか、社長と副社長だけで議論し意思決定するような会議になりがちです。
それだと、あまり有効な経営会議になりません。
社長ひとりで決める、または社長と副社長2人で経営会議をした方が効率的です。
せっかく、幹部も経営会議に参加させるのであれば会議が幹部育成の場になった方がいいです。
もちろん、経営会議で一度も意見を言わない幹部は参加させなくていいでしょう。
そこで、社長におススメしたいのが7秒しかけ「幹部に経営会議の議題を提案させる」です。
具体的な進め方を紹介します。
1 経営会議開始直後に議題の提案
このタイミングで社長から幹部に、今日の経営会議の議題を幹部から提案させます。ホワイトボードがあればそこに全幹部の議題案を書かせます。
ホワイトボードがなければ、白紙に書かせてプレゼンさせます。
くれぐれも、順番に口頭プレゼンはさせないでください。
そうしないと、2人目以降の幹部は適切な議題を提案した幹部に同調するリスクがあります(同調効果)。
2 議題の削除
全幹部からの議題が提案された後に、今日の経営会議の議題に相応しくない議題を指摘させます。
ひとつずつ、
削除の提案 ⇒ 削除提案者と議題発案者との意見交換 ⇒ 他の幹部交えての意見交換 ⇒ 幹部同士で結論をだす
という流れで進めていきます。
自分が提案した議題が他の幹部に却下されるのは悲しいです。
ただ、削除された理由を理解できれば議題提案力を向上することができます。
3 残った議題に対して社長からフィードバック
上記2で削除されずに残った議題から、本日の経営会議で議論すべき議題を社長が選びます。
議題の内容によってはひとつも選ばれない可能性もあります。
次のような選ばれなかった理由を、社長から幹部に伝えます。
★今ではない ⇒ タイミングがずれている
★解決中である ⇒ 既に経営課題の解決に取り組んでいる
★経営課題ではない ⇒ 課題の設定がずれていた
その後、幹部の疑問に社長が回答しその疑問を解消させることで幹部の経営力を向上します。
4 社長から議題の追加
社長が議論したかった議題が幹部から提案されていない場合は、このタイミングで社長の議題をだし幹部に理由を説明します。
この理由をきくことも幹部の経営力向上に寄与します。
5 経営会議の議論開始
ひとつずつの議題の議論をしていきます。
以上が進め方です。
時間はかかりまずが、何回か続けることで幹部の経営力UPが実現できます。
いかがでしたでしょうか?
幹部育成の優先度が高い社長にはおススメです。
気にいってもらえたら、ぜひ7秒しかけ「幹部に経営会議の議題を提案させる」活用してください。
2 アンカー(「幹部に経営会議の議題を提案させる」を思い出させるきっかけ)
「幹部に経営会議の議題を提案させる」は準備をすれば実践できます。
3 今すぐ準備しましょう
準備しなくても実践できる社長は、今すぐ実践しましょう。
そうでない社長は「幹部に経営会議の議題を提案させる」を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!
① 経営会議の進め方を決める
次の進め方案を参考に進め方を決めてください
【進め方】
1 経営会議開始直後に議題の提案
2 議題の削除
3 残った議題に対して社長からフィードバック
4 社長から議題の追加
5 経営会議の議論開始
② 4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回は実践できませんが、準備の例を次に示します。
・ 「幹部に経営会議の議題を提案させる」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)
・ 1枚のふせんに「幹部に経営会議の議題を提案させる」と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)
③ ②のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る
4 いつから実践しますか?
「幹部に経営会議の議題を提案させる」いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 次の経営会議から
・ 次々回の経営会議から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
「幹部に経営会議の議題を提案させる」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。
「幹部に経営会議の議題を提案させる」の紹介は以上でおひらきです。
経営会議で幹部の育成ができることを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
「幹部に経営会議の議題を提案させる」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!