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【木曜日のしかけ#29】「決めない」を決める

木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。

社長の重要な仕事は決断です。

毎週/毎月の経営会議で重要な経営課題の意思決定をし、幹部からの頻繁な相談にも社長は即答で決断します。

ただ、「何も決定しない」という決断もときには必要ではないでしょうか?


今回の7秒しかけ「「決めない」を決める」を読んでもらい社長の意思決定を振り返ってもらえたら有難いです。


0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)

7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。

① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。

『習慣超大全/BJ・フォッグ (ダイヤモンド社)』

② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~ 

簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。

『やり抜く人の9つの習慣/H・ハルバーソン著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』

【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」

③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。

20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!

④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。

特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。

具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。

1 「「決めない」を決める」とは

社長、「何も決めない」という意思決定をしたことありますか?

『白潟さん、私はあるよ』
そうですか、やはりたまにありますよね。

経験のある社長はイメージわくと思うんですが、

・今、本当に決める必要があるのか?
・うまく言えないんだが、今決めない方がいい気がする?

社長のあたまに、このような問いが浮かび

今回は決めるのやめよう!

と決断することはあるのではないでしょうか。

当たり前ですが、意思決定する上での情報が不足している・間違っている等の理由で「決めない」ことは普通にあります。

ただ、情報が十分にあり幹部との議論を深めても「決めない」決断をすることもあります。

私は、社長が「何も決めない」という意思決定はありだと考えます。


もちろん、優柔不断な社長への提案ではないですし、毎回そのような意思決定を提案するわけでもありません。

10回に1回くらい、

・一晩寝かした方がいいか?
・時間が経てば課題が自然に解決するのでは?
・決定を急ぐとリスクが増大するかも?
・メンターや顧問の意見を聞いた後でもよいかも?

等と考え、翌日以降に意思決定をずらすことはあるのかなと考えます。

その場合は、いつまでに意思決定するか決めておいた方がいいでしょう。 もちろん、決めてる社長が多いと思いますが…

・明日、意思決定する
・今週末までに意思決定する
・来週中に意思決定する
・来月の経営会議で意思決定する

ここで、ドラッカーからの社長へのメッセージを示します。

意思決定の正しさを信じるかぎり、困難や不快や恐怖があっても決定はしなければならない

しかしほんの一瞬であっても、理由はわからずとも、心配や不安や気がかりがあるならば、しばらく決定を待つべきである。

経営者の条件/P.F.ドラッカー(ダイヤモンド社)


一方、全く別の理由で社長が「何も決めない」という意思決定をすることもあるのではないでしょうか?


経営会議等で反対意見がひとつもでなかった場合
です。

ドラッカーも著書「マネジメント」で、意見の対立を見ないときには決定を行わないと述べています。

マネジメントの行う意思決定は、全会一致によってなされるようなものではない。対立する見解が衝突し、異なる見解が対話し、いくつかの判断のなかから選択が行われて初めて行うことができる

 したがって、意思決定における第一の原則は、意見の対立を見ないときには決定を行わないことである。

マネジメント【エッセンシャル版】基本と原則/P.F.ドラッカー(ダイヤモンド社)

社長と幹部の異なる見解が対話することで

① 社長が間違った判断をすることが防げる
② 異なった視点により選択肢が増える
③ リスク低減策が考えられる
④ 想像力が刺激される

4つの効果が得られます。

正しい決定は、共通の理解と対立する意見、競合する選択肢をめぐる検討から生まれます。


ここまでいかがでしたでしょうか?

7秒しかけ「「決めない」を決める」が、社長のこれからの意思決定に少しでも役に立てば嬉しいです。

2  アンカー(「「決めない」を決める」を思い出させるきっかけ)

「決めない」を決める」今すぐ準備をすれば実践できるでしょう。

3 今すぐ準備しましょう

準備しなくても実践できる社長は、今すぐ実践しましょう。

そうでない社長は「「決めない」を決める」を実践するには
次の準備が必要です。今すぐ準備しましょう!

① 「決めない」という意思決定もあるという認識をする

② 4回以上の実践状況のチェックシート作成
前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)を実践する準備です。週4回は実践しないと思いますが、準備の例を次に示します。

・ 「「決めない」を決める」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)

・ 1枚のふせんに「「決めない」を決める」と4回のチェック欄を書く
(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)

③ ②のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る

4 いつから実践しますか?

「決めない」を決める
この意思決定をする必要があった時に実践しましょう!

「決めない」を決める」の紹介は以上でおひらきです。

社長の意思決定で会社が更に良くなることを心から願っております。

実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

「決めない」を決めるの7秒しかけを気に入ってもらえたら、
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それでは、また明日!






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