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小説感想『獄門撫子此処ニ在リ』

 どうもこんにちは。

 先日読んだ『魔女に首輪は付けられない』に引き続き、ライトノベル新人賞の受賞作を読んでみようと思い、今回は『獄門撫子此処ニ在リ(1巻)を購入、読んでみました。小学館ライトノベル大賞・大賞受賞作品らしいです。すごい。撫子と言えば「YOU GET TO BURNING 君らしく 誇らしく 向かってよ」と頭の中で曲が流れ出します。

 ジャンルとしては伝奇・和風ファンタジーになります。百合要素も結構入ってたので、百合好きな人は楽しめる小説なんじゃないでしょうか。以下、ネタバレ有り(と言いつつ具体的なことはほぼ書かないですが)で感想を述べていきたいと思います。

※一応、本編のネタバレ注意















 個人的には中々楽しめました。物語が全6章構成になっているんですが、それぞれの章で各話完結方式を取りつつ、大筋のストーリーもしっかりと描かれていたと思います。序盤に主人公の撫子たちが対決した怪異にも伏線が散りばめられていたりして、回収された時は爽快感がありました。

 キャラクターもしっかり立っていて、それぞれのキャラにそこそこ好感度がある状態で読み終われたと思います。自分の好きなキャラは無花果アマナと獄門桐比等でしょうか。特にアマナと撫子の関係性は百合が好きな人にはぶっ刺さると思います(自分は百合が大好き!ってわけでもないのでそこそこでしたが。でもバディとしていい関係だとは思います)。

 文章も結構凝った書き方で、流石は大賞受賞作だなぁと思わせるだけの語彙力があったと思います。これぐらい色々な言葉をポンと書ける文章が作れるようになりたいもんです……読書するか……。

 総じて伝奇・和風ファンタジー・百合辺りが好きな人にはお勧めできる小説だと思います。あと骨太な物語が好きな人にも。文庫のラノベにしてはちょっとページ数が多い?気がしますが、そこも良い所だと思います。お得感がある。

 ただ、ここからは合わなかったところについて話したいと思います。合わなかったところ、というかただの愚痴かもしれませんが……。

 まず、小説全体を通して重厚な話を描いてるのは良いんですが、文章の凝った書き方故か話のテンポがゆっくりだと感じました。バトル有りのファンタジーでテンポがゆっくりしてるのはあまり好きじゃないんだよな……と思いつつも、最近の自分は漫画やアニメしか摂取してなかったので、そういった媒体のテンポに引っ張られ過ぎてる可能性もあります。ゆっくりだ、とは書きましたが最近の読書数が圧倒的に少ないので、この小説のテンポが速いか遅いかがわからないんですよね。そこでも少し悩みました。

 後、バトルシーンの少なさが気になりました。先程も言いましたがこの小説は全6章構成です。各章の見せ場部分に1つ戦闘シーンがあって、つまり全部で6回大きな戦闘シーンがあるわけですが……6回は少ないて!というのが正直な感想です。いや、小説だとそういうモノなのかもしれないですが、個人的にはバトルが連続していてその間にストーリーが進んでいく構成(どちらかというと少年漫画的?)が好きなので、その点から少ないと感じました。

 以上の2つが合わないところなんですが、正直に言ってこの2つは獄門撫子の悪い点というわけではなく、ただ単純に自分が読者としてワガママなだけなので、そこら辺気にしないよ!という人は是非この小説を読んで欲しいです。恐らく自分が異端なだけだと思いますし……話は面白いので応援したいところです。

 今回はここら辺で感想を終わりたいと思います。この小説、面白いんですが全体的に好みに合わなかったので感想を書くのが難しかったです。面白くなかったらそれに応じた書き方があるし、面白いし好みに合うのならそれこそ色々書くことが出来るんですが、面白いけど好みに合わなかった、という小説は一番どう書いたらいいかわからなくなります。書くことが中途半端に出来なくなる。

 読書自体はまだまだ続けていきたいので、近いうちにまた何か小説の感想を書きに来るかもしれません。それでは。

(見出し画像引用:獄門撫子此処二在リ 特設サイト|ガガガ文庫|小学館 (gagagabunko.jp)

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