Shippo

舞台・映画・本・ドラマ・英語学習など、好きなことについて。

Shippo

舞台・映画・本・ドラマ・英語学習など、好きなことについて。

最近の記事

人間の不完全さを愛する映画ー『幸せへのまわり道』

こじんまりとした作品ながら、人の生き様というのは白黒つけがたく「グレー」な面を持ち合わせているということを、温かな視点で描いた良い映画だった。 《あらすじ》 ある日、雑誌記者ロイド(マシュー・リス)の元に「国民的子供番組の司会者、フレッド・ロジャース(トム・ハンクス)を取材し記事を書いて欲しい」という仕事が舞い込む。初めは自分とは畑違いの仕事に乗り気ではないロイドだったが、相手の心の奥底にあるものを感じ取って語りかけるフレッド・ロジャースとの対話を通じ、ロイドは自分自身が長

    • 「海街チャチャチャ」が描く、心の治癒

      砂浜に寄せる穏やかな波のように、人の心の柔らかい部分に浸透するようなドラマだと思った。 舞台は小さな海沿いの架空の町、コンジン。 ソウルで腕利きの歯科医だったへジンは、ある患者の治療を巡って利益優先の上司と対立し、歯科医としての良心と信念を曲げられず医院を退職してしまう。そしてなかなか次の就職先も見つからずにいる中で、ふとスマホに現れた「亡き母の誕生日」の通知に目が止まり、ひとり車を走らせ子供の頃に家族旅行で訪れた思い出の地、コンジンに向かう。コンジンで母との思い出と自らの

      • オータム・イン・ニューヨークの思い出

        季節が肌寒くなってくると、思い出すのはニューヨークの秋の風景。 ニューヨーク、特にマンハッタンは昼夜を問わず人と車が溢れ返り、その喧騒こそがマンハッタンの象徴とも言えるのだが、この賑やかな街にもひとときの静寂を味わえる場所がある。大都会ニューヨークにいくつか点在する「公園」や「庭園」や「植物園」だ。 5年前にニューヨークに留学していた時、ニューヨークの春夏秋冬を体験し、どの季節にもそれぞれの良さがあった。その中でも、季節の移ろいが木々の彩りを変え、大都会の街並みと広い空の

        • ヤマザキマリさんの言葉に学ぶ、2020年の世界の見方

          私たちが人生で経験する様々な事を、世界中のいろんな国で暮らしてきた経験をもとに独自の視点で検証する切り口がユニークで面白く、ヤマザキマリさんのエッセイをこれまで何冊か読んできた。 「地球(世界全体)」という果てしなく広いものさしを広げながら、含蓄に富んだ「個」の視点であらゆる人間や事象について考察するヤマザキマリさんの言葉には、ページをめくるごとに新しい世界に触れる新鮮さがあり、読み終わるたびに「海外に行きたいなぁ」「もっといろんな事を知りたいなぁ」と知的好奇心を刺激されて

        人間の不完全さを愛する映画ー『幸せへのまわり道』

        • 「海街チャチャチャ」が描く、心の治癒

        • オータム・イン・ニューヨークの思い出

        • ヤマザキマリさんの言葉に学ぶ、2020年の世界の見方

          『愛の不時着』が身近な世界を変えてしまった

          「寝ても覚めても韓国ドラマ」「韓国ドラマなしでは夜も日も空けない」家族と一緒に何年間も生活を共にし、テレビには四六時中、何かしらの韓国ドラマ作品がずーーっと流れていた。 そんな日常風景に韓国ドラマがある日々を送っていたにも関わらず、「韓国ドラマ=家族が好きなもの」程度の認識しか持っておらず、自分が韓国ドラマに興味を持つ機会はなかった。 しかし、4月からのステイホーム期間の影響で家で過ごす時間が増え、TVでNetflixが見れる様になった事もあり(Fire TV Stickを

          『愛の不時着』が身近な世界を変えてしまった