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テレワークを導入して国際物流のオペレーションチームが分かったこと(@shippioinc )

はじめまして。株式会社Shippio(@shippioinc)です。初めてnoteを出します。

現在、新型コロナウイルスの影響を受けて多くの企業がテレワーク(在宅勤務)の実施/導入を検討しています。

国際物流業界では、テレワークの導入が定着しているとは言い難いです。

導入が難しい背景としては以下が挙げられます。

・テレワークを導入することで、顧客との電話対応ができなくなる
・社内のコミュニケーションツールがメールのみである
・FAXの文化が根強く、FAXの送受信はオフィスで行う必要がある
・セキュリティ上、外部デバイスから社内サーバーにアクセスができない
・大所帯のため、急なテレワーク対応が難しい
・案件ごとに必要な通関書類を印刷する必要がある...etc.


勿論、上記が全ての国際物流企業に当てはまるわけではありません。しかしながら、全ての課題をクリアし、全面的なテレワークの導入に踏み切るのは難しいのではないでしょうか。


Shippioのオペレーションチームは、上記の課題をクリアし、BCP対策及び働き方改革の一貫として3月から週3回5人の全オペレーションメンバーが一斉にテレワークに取り組んでいます。

今回は、国際物流のフォワーダーがテレワークを導入にあたり、導入にあたる期待と懸念、課題解決方法、実務上のメリット、デメリット、導入の是非に関する結論、将来の展望などについてご紹介していきます。
※このnoteも自宅で書いています。


<目次>
テレワークとは
導入にあたる期待と懸念
課題の解決方法
実際に導入して感じたメリット
実際に導入して感じたデメリット
結論
オペレーションチームが100人体制になったら
おわりに

テレワークとは

テレワーク(英: telework)あるいはテレコミューティング(英: telecommuting)とは、勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、英: Information and Communication Technology)を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語。また、テレワークで働く人をテレワーカーと呼ぶ。主にインターネット経由のデータ交換で実現される。
Wikipediaより引用

テレワークは、エンジニアやデザイナーなど一部に浸透している働き方ですが、国際物流業界ではあまり馴染みがありません。Shippioのオペレーションチームは国際物流企業出身者が多く、全員テレワーク未経験のメンバーでした。

期待と懸念

新型コロナウイルスの影響を受けて、Shippioオペレーションチームもテレワークに挑戦しよう!という話が挙がった際に、予想される期待及び懸念点を事前に洗い出しました。

<導入への期待>
1. 今後起こりうる有事の際、在宅で業務に取り組める(BCP対策)
2. 拠点を拡大していく上で、拠点間で円滑なコミュニケーションを行うための基盤づくりとなる
3. 今のうちにテレワークを仕組化することで、今後50人、100人のオペレーション体制に成長した際のコミュニケーション体制を磐石とする
<懸念点>
1. 業務パフォーマンスの低下のおそれ
2. 情報共有の質の低下のおそれ
3. 各オペレータのパフォーマンス測定が難しくなる可能性

他にも細かい懸念点があったものの、新型コロナウイルス感染対策及びの将来のチーム作りのために、事前に課題を解決した上でテレワーク導入に踏み切りました。

課題解決方法

冒頭で挙げた「国際物流業界で、テレワーク導入課題」の解決に有効だったツールをご紹介致します。

課題①:テレワークを導入することで、電話対応ができなくなる
課題②:社内コミュニケーションツールが電話 / メールのみ
課題③:FAXの文化が根強く、FAXの送受信はオフィスで行う必要がある
課題④:案件ごとに必要な通関書類を印刷する必要がある

課題①:テレワークを導入することで、電話対応ができなくなる
メンバー全員が一斉にテレワークを行う場合、オフィス宛ての電話を受けられなくなってしまいます。Shippioも、オペレーション用の電話番号を設置しており、同様の問題がありました。

解決方法:Twilio
Twilioは、登録した番号に着信があると、同サービスに登録された担当者の携帯電話番号に電話が自動転送されるサービスです。Twilioを活用することによりオフィス以外であっても電話対応が可能となりました。

課題②:社内コミュニケーションツールが電話 / メールのみ
社内のコミュニケーションツールが電話 / メールのみという企業は多いのではないでしょうか。電話で多人数が会話することは難しく、メールで多人数によるコミュニケーションを取るためにはCcに関係者全員のアドレスを打ち込む必要があり、情報共有やコミュニケーションのスピード感が低下する可能性があります。

解決方法:Slack 
Shippioでは、社内全体のコミュニケーションツールとして、「Slack」を導入しています。部門やトピックごとにチャンネルと呼ばれるスレッドがひとつの画面で管理されています。チャンネル内にメンバーが招待されていれば、スピード感のあるコミュニケーションが可能です。
テレワークを始めてから気づいたSlackがテレワークに有効と感じた運用方法があります。業務中、メンバー全員通話中の状態にしておくことです(基本ミュート状態) 。チームメンバーに聞きたいことがある時に、ミュート状態を解除して話すだけで全員に声が届きます。呼び掛けられたら同様にミュートを解除してコミュニケーションを取ります。非常にシンプルな工夫ですが、オフィスでデスクを隣合わせているかのように近しいコミュニケーションが可能です。

課題③:FAXの文化が根強く、FAXの送受信はオフィスで行う必要がある
船会社からのArrival Noticeの受信、振込明細の送信など、業界慣習上、FAXを要するケースはまだまだ多いです。数十枚以上のFAX送受信のため、オフィスに勤務する必要があります。テレワーク導入にあたりFAXの送受信に係る業務は大きな課題でした。

解決方法:eFax 
eFaxは、登録したFAX番号でFAXを受信すると、同サービスに登録した担当者宛てにメールでPDFファイルが送付されます。受信だけでなく、FAX番号宛てにPDFファイルをオンライン上でFAX送信することも可能です。

課題④:案件ごとに必要な通関書類を印刷する必要がある
Shippioのオペレーションチームは、国際物流企業出身者が多いです。いずれの出身企業であっても、通関案件ごとに書類を印刷していることは共通でした。AEOなどのコンプライアンス等の観点から印刷が必須の書類もあります。テレワークでは、オフィスのプリンタで書類の印刷が出来ません。

解決方法:Shippio(※コーポレートサイトに飛びます)
Shippioでは、テレワーク導入以前から原則通関書類の印刷を行っていません。私たちが開発しているWebサービス「Shippio」は、お客様の国際物流に関する情報、資料をひとつのWeb画面で集約し、管理することができます。

<集約できる情報等>
- 見積もり一覧
- 依頼中の案件一覧
- ステータス管理
- 過去の案件一覧
- 書類管理
- 商品リスト管理
- リアルタイム動静確認
- 請求管理
- 担当者情報
- コミュニケーションチャット

「Shippio」は、輸出入するお客様向けのサービスですが、Shippioは、自らがフォワーダーとしてチーム内でも「Shippio」を利用して日々取り組んでおります。所謂、Dogfoodingによるサービス改善です。私たちオペレーションチームも、フォワーディングの情報や資料をひとつのWeb画面で担当者別にまとめることにより、通関書類を印刷しなくても案件管理をしています。


テレワークのメリット

Shippioのオペレーションチームでは、テレワーク導入から早くも2週間が経過しています。チーム内で出たメリット/デメリットについてご紹介して行きます。

メリット
・オフィス以外の勤務でも仕事ができるという自信が生まれた。
・平日でも家事に割ける時間が増えた。
・自炊が増えたことにより、食生活が改善された。
・通勤時間が無くなり、活用できる可処分時間が増えた。
・ひとりで集中して考える癖が身についた。
・通勤しないことで新型コロナウイルスへの恐怖が多少和らいだ。
・チーム感が生まれた(ビデオ会議中のプライベート)
・業務を雑務等で中断されることがなくなり、今まで以上に効率良く仕事ができている。
・SlackでのWeb通話はチーム内全員で共有されているため、全ての会話を共有することができた。etc...

想定以上にメリットが多い反面、テレワークのデメリットも浮き彫りとなりました。

テレワークのデメリット

デメリット
・オフィスではデュアルディスプレイで運用しているが、自宅だとノートパソコンのみでの作業となり作業効率の低下を感じた。
・Web通話だけでなく、グラフィックを使った情報共有もしたい。
・各担当者の抱えている案件、トラブルなどの雰囲気が伝わりにくい。
・オフィスにいるときより集中できない時間が増えた。
・家でひとりで仕事するよりオフィスの方が楽しい。
オフィスで筋トレができない。

2週間の実施により、かなりメリット、デメリットが浮き彫りになりました。ディスプレイ環境については、自宅のテレビとノートパソコンをHDMIで接続して、オフィスと変わらない環境を構築した者もいました。テレワークでもアウトプットのレベルが落ちないよう、創意工夫を続けていきます。

テレワークをして分かったこと(結論)

2週間の間に、週3回5人の全オペレーションメンバーが一斉にテレワークを行った結果、「新型コロナウイルスが落ち着こうとも、継続してテレワークを実施すべきである。」と考えています。

導入への期待として挙がった...

1. 今後起こり得る有事の際、在宅で業務に取り組める(BCP対策)
2. 拠点を拡大していく上で、拠点間で円滑なコミュニケーションを行うための基盤づくりとなる
3. 今のうちにテレワークを仕組化することで、今後50人、100人のオペレーション体制に成長した際のコミュニケーション体制を盤石とする

テレワークの実施により、上記3点を達成する足がかりを得ることができました。継続して取り組み、事業規模の拡大に伴い直面するであろう新たな課題を次々と解決していきます。オフィスワーク&テレワークをハイパフォーマンスで使いこなす、ハイブリッド型の働き方ができるチームを目指します。

導入前の懸念点に対する導入後の結果

懸念点1: 業務パフォーマンスの低下のおそれ
→デュアルディスプレイ導入で解決

懸念点2: 情報共有の質の低下のおそれ
→業務中は全員でWeb通話をしているため、情報共有に問題はなかった。

懸念点3: パフォーマンス管理が難しくなる可能性
→担当者の動きが見えないため、オペレーションチーム全体のパフォーマンスを数値化する仕組みを作る必要がある。これは東京以外の拠点でも活用できるため必須の取組とする。

オペレーションチームが100人体制になったら

現在は5人規模のオペレーションチームですが、将来、オペレーションチーム合計100人以上の体制でテレワークをする場合の理想について考えてみました。

【理想】
 拠点拡大しても、「拠点」ごと「拠点感」が無く、Shippioというひとつの会社としてコミュニケーションを円滑に取れる

理想の実現のためには、 全拠点のメンバーがVR勤務を行うことにより、1ヶ所で拠点をまたいで働けるVR体験を定期的に開催したりするのかな。。などと考えております。


おわりに

このnoteを通して、テレワーク導入を検討されている物流企業の方々に少しでもお役に立てたら嬉しいです。

我々、Shippioオペレーションチームもまだまだテレワーク初心者軍団です。継続していく上で様々な課題が出てくるかと思います。その際は、随時情報を提供したいと考えております。宜しければ、Shippioのnote, Twitter, Facebookのフォローをお願いいたします。

そして、Shippioのオペレーションチームは新型コロナウイルスの影響を受けて、テレワーク期間を来週以降も継続します。

お客様に対してご迷惑をお掛けしないことを第一に、ShippioのVision「貿易を超える」とMissionである「理想の物流体験を社会に実装する」という言葉を体現できるよう努めて参りますので宜しくお願いいたします。

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Author : Yoda(@yoda_ota
Editor:tomo(@tomo_8095

◎Corporate website
株式会社Shippio

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Twitter : @shippioinc 
Facebook: Shippio 

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