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「非ドメイン出身でもきっとハマる、サプライチェーンの魅力」を深堀!

こんにちは。Shippioセールスディレクターの竹原です。

先日リリースした「非ドメイン出身者でもきっとハマる、サプライチェーンの魅力5つ」が、選考に進んでくださった皆さまから好評だったため、サプライチェーンの魅力についてもっと深堀りして紹介していきます。

今回のnoteも、サプライチェーンに関わったことが無い人でもイメージしやすい内容で書いております。noteを読み終わった後に、少しでもサプライチェーンに興味を持っていただけたら嬉しいです。

そもそもサプライチェーンって何?

私たちShippioのお客さまは、貿易を行う製造業や商社です。

Shippioのソリューションを通して、貿易業務の効率化だけでなく、サプライチェーンの可視化データ活用による経営改善を支援しています。

製造業や商社は、ビジネスモデルや商品によって様々なサプライチェーンを構築しています。

サプライチェーンとは、製品やサービスを提供するための、原材料の調達から最終消費者への販売までの一連の活動を含むビジネスプロセスのことです。

サプライチェーン上では、企業内のさまざまな部門や外部の取引先、物流業者、販売業者などが連携しています。

企業におけるサプライチェーンの課題としては以下のような例が挙げられます。
Shippioのセールスはこれらの課題を解決するために活動しています。

サプライチェーンにおける主な課題
サプライチェーンにおいては以下のような課題があります。


1. リスク管理
自然災害、政治的不安定、サプライヤーの倒産など、予測不可能なリスク要因によってサプライチェーンが妨げられる可能性がある
2. 透明性と可視性の担保
サプライチェーンは複数の企業・関係者や地理的な場所にわたることが多いため、その過程において情報がブラックボックス化していることが多い
3. 需要予測の誤差
需要の過少予測による在庫不足や需要の過大予測による在庫の過剰など、需要予測の誤差はコストや顧客満足度に影響を与える可能性がある

ChatGPTより

サプライチェーンの面白さ

前回のnote(「非ドメイン出身者でもきっとハマる、サプライチェーンの魅力5つ」)
では、サプライチェーンの面白さを5つの観点から紹介しました。

今回は、前回紹介した項目をいくつか抜粋し、深堀しながら紹介します。

「サプライチェーン」と聞くと「自分にはなじみがない」と感じる人が多いと思います。今回は、私たちの日常生活に近い例などを使いながら説明しますので、身近な課題であることをイメージしていただきやすいと思います。

ロジカルに説明できるから面白い、サプライチェーンの仕組み

個人的には、「サプライチェーンの仕組みはロジカルに説明ができること」が1番好きなポイントです。
仕組みさえ理解すれば、「そりゃそうだよね!」と納得できるのがサプライチェーンです。

物流コストは、ザックリ言うと下記の3つで決まります。

<物流コストの構成要素>
①モノの大きさ / 重さ
②運ぶ時間
③運ぶ距離

1番コストが高いのは、「大きい / 重いモノを、短い時間で、遠くに運ぶ」ことです。

なぜこのようなロジックになるかは、モノを運ぶコスト構造を見ると理解できます。

<モノを運ぶ場合のコスト構造>
①モノを運ぶための燃料費
②モノを運ぶ人の人件費
③(モノを運ぶ手段の減価償却費)

モノを運ぶ場合のコスト構造は、ザックリ言うと上記の3つです。(細かい付随コストは割愛しています)

・大きくて重いモノを運ぶには、多くの燃料が必要
・短い時間で運べる飛行機は、船よりも多くの燃料を使用
・遠くに運ぶには、燃料だけでなく、モノを運ぶヒトの拘束時間も長期化

これは、日常生活においても全く同じです。

飛行機の手荷物が増えた際に発生する追加料金は、「モノの大きさ / 重さ」が増えて燃料費が必要になるからです。

タクシーが距離に比例して料金が決まるのは、「運ぶ距離」が長くなると、燃料費も人件費も増大するからです。

そして、私が「サプライチェーンのロジカルさ」の面白さをより感じるのは、課題解決の打ち手を考える時です。

前述のパートでご紹介した通り、1番コストが高いのは、「大きい / 重いモノを、短い時間で、遠くに運ぶ」ことです。

つまり、コストを削減するには、①小さく / 軽くして②急がずに③短い距離を運ぶ」を実現すれば良いのです。

1つずつ深堀していきます。

サプライチェーンのコストを削減するための打ち手①:運ぶモノを「小さく / 軽くする」

サプライチェーンのコストを削減する打ち手の一つは、モノを運ぶ時だけ小さくすることです。

身近な例は、ニトリさんの圧縮マットレスです。

消費者目線だと「自分で持ち帰ることができて便利!」と思うだけかもしれませんが、サプライチェーン従事者の目線だと、「小さくしてコスト削減をしていて凄い!」なんです。

小さくすることで、輸送する際のコンテナやトラックに積むことができる数量が増えます。
結果、同じ数量を運ぶ際に、少ないコンテナ / トラックで輸送できるのでコストが下がります
もっと言うと、お客様自身が持って帰るので国内の配送コストも発生しないんです。

他には、宅配の料金がサイズで決まることも身近なサプライチェーンの仕組みの事例です。

コンビニで宅配便の配送手配をする時に、宅配物の「縦・横・高さ」をメジャーで測られた記憶はありませんか?
宅配は三辺の合計サイズで料金が決まります。

つまり、三辺の合計サイズを小さくすれば、料金が安くなります。

ネットで家具を買うと、パズルみたいに梱包がされていることが多いと思いますが、これは少しでも小さく梱包して、三辺の合計サイズを下げることで配送コストも下げるための企業努力なんです。 

ここでふと疑問に思うことがある方はいるでしょうか?

そうなんです!たまにスカスカの段ボールで注文した品が届くことがありますよね。

もっと言うと紙や空気の入った謎のビニール袋が入ってたりします。

なぜでしょう・・・・?

「もしや、サイズを小さくするよりも他のコスト削減効果があるからでは?」と考えた皆さんは、もうサプライチェーンの沼に片足突っ込んでます。

これについては、後半でご紹介します。

貨物の大きさ・重さに比例して変動する輸送コストについて(営業資料より)

サプライチェーンのコストを削減するための打ち手②:納期に余裕をもってモノを運ぶ

次に、「急がずに」運ぶには、どんなサプライチェーンの打ち手が考えられるでしょうか?

これも言葉の通り、余裕を持って運べば良いんです。

消耗品をECで買う時、追加コストが発生する「お急ぎ配送」を使わないようにするためには何が必要ですか?

①消耗品が無くなる前に、使用頻度を計算して届くタイミングを考えて購入する
②あらかじめたくさん買っておく

だと思います。

これを企業のサプライチェーン管理に置き換えると、

①在庫が無くなる前に、売上予測と各リードタイムをもとに適切なタイミングで調達する
余力のある在庫量(安全在庫)を持つ

です。

ここで、サプライチェーンの複雑性についても説明します。
(先ほどのスカスカ段ボールの例にも繋がります)

例えば、「急がずに」運ぶための打ち手として、「余力のある在庫量(安全在庫)を持つ」を選んだとします。

そうすると、たしかに配送(モノを運ぶ)コストは下がります。

一方で、保管(モノを持つ)コストは上がります。ここでの保管コストは倉庫の賃料です。

日常生活に置き換えると、「お急ぎ配送」を使わないためにたくさん消耗品を持ちたいから、広い部屋に引越するか検討する。みたいな感じです。

この場合、「お急ぎ配送に払う配送費」「増える家賃」を計算して判断しますよね。

引越理由が「たくさん消耗品を持ちたいから」という話は聞いたことがないので、きっと別の打ち手を選びそうですね。

企業においても、やはり「在庫量を増やしまくる」という考えは少ないです。

このように、サプライチェーンにおいては複数の選択肢同士がトレードオフの関係になることが多いため、部分最適で考えるのではなく、全体最適で考える必要があります。

「スカスカ段ボールも、きっと何かとトレードオフの関係にあり、別の効果が認められたから打ち手に採用されたはず!」と思った皆さま、もうサプライチェーン沼に両足入っています!

サプライチェーンのコストを削減するための打ち手③:短い距離を運ぶ

サプライチェーンのコストを削減するための打ち手の三つ目は「配送する距離を短くする」ことです。
ただ、もちろんここにもある選択肢とのトレードオフの関係が生まれます。

ECで全国にモノを届けている企業の立場で考えてみます。

配送距離を短くするには、消費者の近くから出荷すれば良いので、消費者の近くに倉庫を持てば良い。と考えた時に、配送(モノを運ぶ)コストとトレードオフになるのは、先ほどと同じ保管(モノを持つ)コストです。

配送距離を短くするためには多くの倉庫を持てば良いのですが、もちろん倉庫の賃料は増えます。

次に考えるのが、では、倉庫は「どこに」「いくつ」「何坪」借りるのが最適なのか?です。

ここで、サプライチェーンのコスト改善の奥深さに触れたいと思います。

今までは、「配送費」と「倉庫の賃料」だけで話していましたが、他にも変動するコストがあります。

例えば、倉庫の中で働く人の人件費 / 採用コストです。

倉庫のエリアによって人件費は変わってきます。

家賃が安いからといって不便な場所に倉庫を作ると、人が集まらないので採用コストが増えるリスクもあります。
(最悪の場合は、人手不足で倉庫が機能しないリスクも・・・)

また、コスト以外に考慮しないといけないこともあります。

増えた倉庫に対し、売れるモノを正しく保管することができるか?倉庫内のオペレーションが円滑に機能するのか?という観点も必要です。

少しマニアックになってきたので割愛しますが、「コスト削減」の打ち手を考えた時には、トレードオフの関係にある「他のコスト」だけではなく、その打ち手を実現するための「オペレーションや物流(=実現性)」についても考える必要があります。

ということは、「スカスカ段ボールってコスト以外のメリットもあったりするってこと?」と思った方は、もうサプライチェーン沼に頭まで入って苦しくなっていますね。

沼から出ていただくために、「スカスカ段ボール」について説明します。

ただし、私自身が「スカスカ段ボール」の打ち手を検討 / 実行してた訳ではないので、あくまで個人的な推測だと思ってください。

「スカスカ段ボール」ということは、商品に合わせた段ボールではなく、ある程度均一の段ボールを使っているということになります。

そうなると、どのようなメリットが期待できるでしょうか?
あくまで憶測ですが、

①段ボールの仕入を統一 / 集約でき、段ボール費用が安くなる(仕入コスト削減)
倉庫で働く人が、わざわざ段ボールサイズを気にしなくて良くなる(作業効率改善=人件費削減)
形がバラバラの段ボールよりも、小型トラックに積める数量が増える(配送費削減)

などと推測します。

単なる「小さく / 軽くする」だけの打ち手だけを考えていると、上記みたいな発想にはならないですよね。

特に、日本は少子高齢化で慢性的な人手不足です。

倉庫で働く社員をできるだけラクにする、効率を上げて労働時間を短くするといった点も大きかったのでは?と個人的に考えています。

最後に


サプライチェーンに興味を持つと、いろいろな企業努力が見えてくるのも面白いポイントだと思います。

Shippioは、サプライチェーンをロジカルに分解して、自社サービスが「サプライチェーンの何をどのように改善できるのか」を日々突き詰めています。

数カ月前までは、Shippioのメインの提供価値は「業務効率化」でした。
ところが、今は「サプライチェーンの可視化」「データ活用による経営改善」を価値として提供できるようになってきました。

Shippioで実現できる3つの可視化(営業資料より)

セールスやカスタマーサクセスとプロダクトが連携し、Shippioがお客様の経営課題解決の打ち手にならないか、お客様ごとに異なるサプライチェーンに関する仮説を立てながらセールス活動を行っています。

もともとサプライチェーンに関する専門知識がなかったメンバーも、入社後のキャッチアップを経てそれぞれがサプライチェーンの複雑さや面白さを語ることができるようになっています。

今回のnoteを読んで少しでもサプライチェーンの面白さを感じていただけた方、Shippioで働くことに興味を持ってくださった方は、ぜひカジュアル面談で詳しい事業やセールスの面白さをお話しさせてください!

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