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🎁 for ぱんだごろごろさん

『やっぱり、お母さんには一生勝てない気がする。』

一年前に籍を入れた旦那様と、
少しまぶしい部屋で朝食を食べながら話す。

昨日は、お互いの両親が初めて会う食事会だった。
今日は、いよいよ結婚式。
そんな緊張しそうな朝でも、
いつもと同じように朝食を食べていられる私。
絶対にこういう図太いところはお母さんに似たんだって思ってる。

「そんなもんだよ。どこの家も。」

結婚式の朝だというのに、
彼もいつもどおりのマイペースぶり。
なかなか度胸のある人だなぁと思いながら、
昨日の出来事へぼんやりと思いを馳せた。


お互いの両親が初めて会う食事会の少し前。
緊張の欠片も見せずに現れたお母さんと、
まるっきり借りてきた猫状態のお父さんをみて、
「大丈夫かな💦」って、
不安になったのはナイショ。

よそ行きの表情(メイクも含む)ではあるものの、
お母さんのお喋りはいつも通り賑やかで、テンポがいい。
彼のご両親と初対面だなんて思えないほどの
ちょうどいい距離感で話しかけるお母さん。
その話術、私にも遺伝したらよかったのにな。

場を和ませるためなのか、
笑いをとる為なのか、
私の小さな頃の恥ずかしい暴露話や、
おとなしいお父さんへの容赦ないツッコミはお手の物。

彼とご両親が笑ってくれたから良かったものの、
そこまで暴露しなくてもいいんじゃない?って、
肘で小さくつついた。
もちろん、知らんぷりされちゃったけど。

私が小さい頃のお母さんは、
仕事でいつでも忙しくて、
学童にはギリギリに迎えに来たし、
帰ってからも家事でバタバタと家の中を走り回ってた。

時間に余裕がある時のお母さんは、
最高に楽しい話し相手だった。
つい話に引きこまれて、
ずっと聞き役になっちゃう。

「お父さんの反応がいまいちだから、
 娘と話す方が楽しいわね」
って嬉しそうに笑ってた。
お母さんらしい言いっぷりに私も笑っちゃった。

「あなたの方が暇なんだから」の一言で
スマホの設定やデータ移行、
ネットショッピングや、
口コミで評価の高いコスメは、
いつの間にか私の担当になってるし。

立て替えたお金を1円単位まで払うお母さんに、
「手数料ちょうだい」って甘えて、
一緒に31アイス食べに行ったの、楽しかったなぁ。

去年は、noteで知り合った方に急に誘われて、
きみまろのライブに一緒に行ってたっけ。
いつのまにかお友達が増えててびっくりした。

相変わらず仕事で忙しそうだけど、
私が彼と暮らし始めてからも、
お母さんが楽しそうで嬉しい。

「我が家で一番元気で明るい人なの」って、
彼に話したことも一度や二度じゃない。

「行動力があって、
 人生を楽しんでいる方なんだね」って、
彼が優しく言ってくれたのも覚えてる。

そんな母が、食事会の話をした時に
「いまさら両親の顔合わせなんて要らないんじゃない?」
と言い出した時は焦った。
嫌なことは嫌ってはっきりという人だから、
行かないって言いだすんじゃないかってドキドキ。

「彼の両親とも家族になるんだから、
 お互いに仲良くなれた方がいいでしょ。
 お会いして話すって大事だと思う。」

ってとりなそうとしたら、

「〇〇君(旦那さんの名前)のご両親が優しい人なくらい、
 いちいち食事会しなくても分かる。
 しかも、結婚式の前日じゃなくたって、、、。」

まだぶつくさ言うお母さんに、
最後は「お願い!!」と手を合わせて、
納得して貰った。

お母さんリードの食事会は無事に終わり、
ほっとした気持ちで彼と歩く帰り道。
私のスマホに、お母さんからのLINEの着信音。

「想像してた通りのご両親で安心しました。
 〇〇君がどんな人かを見て知ってるから、
 ご両親が立派な方だってことは
 お会いする前から分かってました。

 『 子は親の鏡、親は子の鑑 』

 あなたは私の子どもにしては立派に育ちました。
 何の心配もしていません。

 明日は暑いから、
 ウォータープルーフのマスカラにする予定だけど、
 化粧が崩れるから泣かずに見送ります。

 お父さんは泣いちゃいそうだから
 恥ずかしいことにならないように、
 横で見張っておきます。 🐼」


泣いた。


もうやだ。


うちのお母さんって本当に―。


突然涙ぐんだ私を心配してくれた彼に、
そっとスマホを差し出すと、
ゆっくり文字を目で追った後、
ふわっと嬉しそうに笑ってくれた。


もう一度。
ゆっくり読み返して、
最後の🐼で笑っちゃう。
noteでは🐼だって言ってたなぁ。
くすりと笑って、そぉっと息をはきだした。


結婚式の前日にLINEで泣かすなんて。

当日は泣かないようにって、
もしかしたらお母さんなりの気遣いなのかも。

明日の朝、目が腫れないように、
冷やしてから寝よう。



そして迎えた朝にもお母さんからのLINEが。

「ヴェールおろす時に映えるように
 綺麗にマニキュアぬれたから安心して!」

もう、そんなのひとつも心配してないってば!!

『 子は親の鏡、親は子の鑑 』

私はお母さんの娘であることを誇りにして
今日、嫁ぎます。

お母さんの娘だから大丈夫。
生まれて初めて自分にそう声をかけた。



(おしまい)

ぱんだごろごろさんの鶴亀杯の御句

純白のヴェールの陰で夏が往く


当日には仕上がらなかったプレゼントのお話です。

妄想全開で書いてみました。
(エピソードも創作です)

実際のぱんださんと娘さんとは違うと思いますが、

よかったら受け取って下さい(*'▽')ノ


ぱんだごろごろ頃さんの俳句記事はこちら

『これでも母賞』の記事はこちら

まだ片手分ぐらいしかお話を書いたことない私のお話なので、
読みづらい点も多々あったと思います。
拙い物語を最後まで読んで下さって有難うございました❣



💖 ぱんだごろごろさんから、素敵なお礼が届きました。

めっちゃ号泣しちゃう、お嬢様のお手紙つきです(^^♪

優しさ数珠つなぎどころか、
無限ループになってる気がします💖

ぱんださん、ありがとうございました❣


優しいお気持はありがたく、ちゃっかり頂く方針にしました💖