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自宅を建てる-04 敷地

しおやです。

今回は主に敷地について書いていきます。

土地と言うと不動産的ですが、敷地と言うと、設計の舞台というイメージがあります。
ちなみに建築基準法第一条一号で、敷地の定義は「一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある一団の土地をいう。」とあります。

私の敷地は、入札の競合相手がいなかったことからも察することができるかもしれませんが、設計、工事ともに困難な要素が多いです。

敷地条件として困難な要素

1.三角形である
 →デッドスペースが出来やすい。
 →1番作りやすい四角形にすると小さくなってしまうので、でこぼこにしたり、斜めの部分を作ることが考えられます。

2.傾斜地である
 →一部はかなりの急斜面。擁壁や基礎などで通常よりお金がかかりやすい。
 →今回は、傾斜の下にも隣家が並んでいて擁壁を建てるのも困難です。

これだけでも土地の市場では避けられ(、安くなり)ますが、さらに、

3.土地と前面道路との間に段差がある
 →厳密には道路部分で段差があり、何かしらの段差解消が必要。
 →ブリッジのようなものが必要そうです。ブリッジの基礎は敷地内に作らなくてはなりません。

4.前面道路に車がよりつけられない
 →敷地前で駐車できず、搬出入が困難。
 →重機ではなく人力作業が多くなりそうです。

敷地条件として良い要素

1.敷地面積がある程度ある
 →周辺の家との距離を保てる。
 →風や採光が取りやすくなります。

2.公園が目の前
 →桜並木やモミジが目の前にあり、景観を取り込める。
 →借景を取り込んだ計画ができ、日常に彩りができます。

3.視線の抜けがある
 →丘の上の方なので、ある方位には視線の抜けがあり圧迫感が無い。
 →1と重なりますが、窓を効果的に作りやすいです。

あとは、良いとも悪いともどちらとも言えることとして敷地内に大きな木がありました。

10mはありそうな木が2本と、2~3m程度の木も数本立っています。何十年とこの地に根を張って育ってきた樹木はなかなか迫力があります。
しかし落葉樹で隣家に葉を落とすため、枝落としは必要になります。

10mの木は伐採するのもかなり大変でもあり、根っこが斜面を留めているフシもあるので安全面からも残したいと思いました。(調べると、樹木による斜面崩壊防止効果がある、特に広葉樹で根系効果の大きいことを示す事例が見られる、とのこと)

心理的にも木はなるべくなら切りたくありません。大木を避けてプランすることは、それほど支障が無さそうでしたので大木は残すことにしました。

なかなか敷地内に大木がある家は無いでしょうし、公園からのつながりも残せるということで、ポジティブに捉えました。

土地購入について振り返る

このような敷地は、予算内で、希望の家を建てられるかの見極めがとても難しいです。

01で書いたように、いろいろな理由で家を建てたいと思いましたが、限られた予算で都会で新築を建てたいと思うと、こういう難しい敷地しか無いかもしれません。(これからの人口減少、空き家問題などで、もう少し状況は変わるかもしれませんが、現状はまだこう言えると思います。)

私の場合、まず出会い方、購入法が特殊でしたが、その場所、価格が自分に都合がよく決断に至りました。そして土地を購入する前に知識、経験を踏まえていろいろなことを確認し、敷地図にラフなプランを書いて、どれくらいの大きさが確保できそうか、何が問題になりそうかを少しずつ詰めていきました。

土地探しから設計者が参加することで、こういう敷地にも可能性を持てることを実感しました。(※ただし、ここにどうしても建てたいという熱意が必要)

次回は家の話に入っていきます!

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