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文章表現原理主義者がDTPデザインをやることになった話

私が文章で創作を始めたのは高校生の頃で、本格的に文章の書き方を勉強したのは大学に入ってからでした。
そして、その大学で教授に言われたことが大変強く頭に残っています。

「フォント変更などデザインに走るのは邪道」と。

あくまで「この学科、このコースに来たからには」というニュアンスで、なおかつ一言一句この通りではなかったと思います。課題で小説を提出するときに、指定のフォーマットを説明された際の軽口とか、そんな感じだったような。

ただ、要するに「文章表現一本で勝負しなさい」というこの言葉が、私に強く響きました。
ハリーポッターの原作小説(日本語版)で、本文中でフォントが変わる鬱陶しさに負けて続きを読まなくなった女なので……。

もともと持っていた「シンプルな紙面で文を読みたい」という嗜好に、教授の言葉も相まって、私は文字が絡む表現については究極のミニマリストみたいな状態になりました。文章表現原理主義者と言ってもいいでしょう。

本当に長い間、ネット上でも太字や下線すら、なんならフリガナすら振らずただただ文章だけを書いてきたのです。

しかし、そんな私が、チラシや紙ベースの販促ツール作成を業務内容に含む職に就きました。デザイナー1年生です。そろそろ2年生になります。

もーーーー困った。
なにしろ色もフォントサイズもなにもいじらずに、文章だけで勝負することを是として15年以上生きてきたものですから。

ツールの使い方を覚えたところで、なにをどうすれば「人目を惹き」「わかりやすく」なるのか、皆目見当もつきません。

ポップなデザインとは? かわいいとは、オシャレとは? 謎が深すぎる。

文章力を買われて(?)入ったはずの会社なのですが、まさかこんなことになろうとは。
一応、最初から「illustratorを使うことになる」「販促ツールのデザインとかも仕事に含む」ことは知らされていて、私も「面白そうだな」と思って入社しました。
なので、「話が違う!」ということではないのですが……。

日々深淵を覗く気持ちでイラレと向き合っています。

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