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【芸術から一句】カズオ・イシグロ著『クララとお日さま』

ノーベル賞作家カズオ・イシグロの『クララとお日さま』をしばらく前に読み、あるシーンの印象から俳句をつくりました。今回の企画のテーマにハマると思い、思い切って【芸術から一句】に参加いたします。

ところでこの小説の読後感、本の帯などに出てくるコメント(「AIロボットとの心の交流を描く美しい物語…?」云々)とはギャップがあります。イシグロの他の作品とも似ているのですが、感動的な場面もありつつ、その世界観は無慈悲で非情です。モヤモヤとした感じで話が終わります。未読の方にはネタバレになる可能性もありますので、ここまでにして、一句。

使い捨てロボットの墓きりぎりす


当然ではありますが、俳句と小説とは別物です。小説に「きりぎりす」などは登場しませんが、この季語はシーンの雰囲気(あるいは作品全体のイメージ)にマッチすると思いました。また、AIロボットを通した世界の描写が印象に残る作品で、他にもいくつか俳句をつくれそうに思いました。


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