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自由な形式で書かれた詩を収めています。幻想的な詩、物語的な詩、ナンセンスな詩など。
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2022年2月の記事一覧

【詩】隠しきれない

グッとくる グッとくるぜ 胸の底からほとばしる この気持ち 隠しきれない 思わず顔に出てしま…

汐田大輝
2年前
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【詩】灰になる一瞬前に

蜘蛛の巣にびっしりたかった水滴 その一つ一つに朝の陽が宿る 誰かがモーツァルトを弾いている…

汐田大輝
2年前
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【詩】臨界

君はいない ここにはいない だから 何も知らない 空には白色のオーロラ 森は轟音につつまれ…

汐田大輝
2年前
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【詩】記憶の中のトラムは

記憶の中のトラムは いつも同じ景色を走っていて 古ぼけたフィルムが融けていくように 少しず…

汐田大輝
2年前
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【詩】ギターを弾いてみた

ギターを弾いてみた 陰鬱な空がふるえた 世界に穴が空いた 世界の向こう側が見えた 日曜日の曇…

汐田大輝
2年前
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【詩】学校地獄

月曜日 数学教師が 黒板に数式を書き始める 数行を書いたところで 咳が出て止まらなくなり し…

汐田大輝
2年前
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【詩】硝子市民

僕らは 硝子の身体を持った 清潔な市民です 朧げな青い光を出して 夜の街をさまよいます 顔の半分は隠したまま 素敵な衣装を見せ合います 退屈な夜には 銀河のへりに心を飛ばします オレンジ色の惑星に 黒い河が流れています 砂漠に埋もれた多目的競技場は 市民のささやかな娯楽のかけら 遠くの星から友達が訪れました そっと触れてみます かすかな振動を感じます あなたは清潔な泡の中にいて 鼻唄をうたっている あなたの息が金属の粉のように 僕の部屋に拡がっていく 僕らはハンモック

【詩】ずっと多くの星

天国にいるときよりも ずっと多くの星を 僕はここで見ている 天国にいるときよりも ずっと多…

汐田大輝
2年前
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