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いじめと社会の確執、その改善

どうもお久々の投稿です。※週刊はできませんでした。
では、そんな今回の話題は「いじめ」についてです。私の過去の文章でも触れたこの話題ですが、今回は解決への方法へとさらに1歩踏み込んだ内容を考察していきますので飽きずにお付き合い下さい。
※これは個人の意見なので、寛大な心で読んでください。もし共感出来ればいいねしてください。
 まずいじめとは、定義についておさらいしていきましょう。いじめとは、「児童や生徒が一定の人間関係にある者から、心理的または物理的な攻撃を受けたもののうち、精神的苦痛を感じているもの。」だそう。つまり知人から精神的苦痛を与えられること、ということです。それは何を意味するのか。それは被害者目線で判断される内容ということです。被害者がどう思うのか、それが判断材料となるものなのです。ではいじめの原因についても軽くおさらいしていきましょう。
 いじめの原因として大きく挙げられるものは、まず①格差社会の考え方です。これは資本主義社会の特徴でもありますが、人間の根本に基づく思考パターンともいうことができます。なぜなら生物は常に野生に生きるときに本能で相手よりも強いか弱いのか判断して、狩りをするのかしないのかを判断するものです。しかし人間にはこれとはまた別に原因があるのです。それは自己顕示欲と承認欲求です。自己顕示欲とは自分と他人とを差別化して考える思考のことで、承認欲求は聞いたことがあるとは思いますが、自分以外のほかの誰かに評価してほしいという欲のことをいう。この二つは人間のみが持つ高度な思考に基づく欲求で、この二つの欲求が主な原因のひとつといえるわけです。
 そして②コミュニケーション能力の不足が考えられます。いじめの本質的な解決にはコミュニケーションは欠かすことができません。なぜならいじめが起きる環境には自分と他者で形成されたコミュニティが欠かせないからです。「人間は社会的な動物」として知られているように、我々人間はコミュニティなしでは生きていけません。なので人間はいじめの可能性を日常生活から孕んでいるということになります。
 以上二つが主な原因ですが、どちらにも共通するのはいじめという現象はある一種の本能的な行動と位置付けられるということです。いい方を変えれば、起きるべくして起きているというところです。そして避ける手段というのははっきり言ってないと思っています。起きてしまったものはどうしようもないのです。
 学校で行われている対策はいわば対処療法というものです。つまり起きた物事を解決するという方法ですが、それは本質を無視している表面上の解決にしかならないものであり、いわば応急処置のようなものです。しかししっかりと本質に向き合う原因療法を確立しなければ、この問題は解決しませんし、生徒のためにもなりません。そこでここではまだ確立されていない原因療法について深く考察していきましょう。
 いじめには欲求と会話が関係しています。そしてそれらは「文化」という価値観で強く行動と結びついています。そして、いじめの改善に最も重要なポイントは「価値観を変える」ことにあります。ですが、価値観は簡単には変えられるものではありません。では価値観を変えるための最短の方法は何でしょうか。それは違う価値観を持つ人、また価値観そのものに触れることです。つまり海外の文化に触れる機会を作ることが最も手っ取り早い方法であるということです。
 海外文化に触れることが原因療法の近道だといいましたが、その理由は日本の、アジアの国の価値観で共通するものに起因します。それは前回触れた「である」社会の考え方です。前回の文章で触れている内容なので割愛しますが、わかりやすくまとめると「である」社会は社会全体で考え方が類似していて、個人よりも社会全体、集団の秩序を一番に意識する考え方をするということです。そしてそういった考え方は社会全体に同じ考え方、価値観が蔓延るという特徴があります。そこで海外という全く異なる文化を部分的にでも取り入れることほどのことをしなければ違う価値観を持つ人に触れる機会を設けるのが難しいのです。また近年インターネットの発達によって似た者同士が集まってコミュニティを作り、異端は排除するという考え方が強くなっています。それもいじめの原因の一つになっていると思います。次はインターネットやSNSといじめの関係について触れていきます。
 インターネットはコミュニティの規模の縮小ととても密接に関係しています。なぜならインターネットに固有の機能である、ユーザーの好みに合わせた情報のみを選定して流すことがあるからです。これによってユーザーの情報が偏るだけでなく、現実世界においても似た価値観の人のみで人の輪が形成されやすくなっているのです。それは異なった考え方や価値観を意図的また無意識に排除してしまっていることにつながっているのです。ではインターネットはいじめにとって悪影響を及ぼしているだけ、つまりメリットがないのか、それは違います。インターネットは同時にコミュニティ形成の難易度を大幅に下げてくれました。コミュニケーションへのハードルが低くなったということです。それは昔に比べて仲間ができやすくなっているため、マジョリティとマイノリティの格差が是正されやすくなっている(なんならマジョリティとマイノリティという概念さえ通用しなくなっているような気もしますが)ように思えます。では日本でなぜいじめはなくならないのか。それはインターネット普及によるメリットと日本という国の価値観が合致せずむしろデメリットが浮き彫りになってしまっているからです。ではどういうことか。それは次に示していきます。
 まずメリットとどうかみ合っていないのか。まず日本は全体の意思を尊重し、個人は二の次という考え方があります。これは憲法にもある「公共の福祉」という言葉にあたります。そしてインターネットの普及は少数の集団を形成する傾向があるので、多数派を尊重する日本社会とはある意味で背反状態にあります。また日本には異端の存在を敵視する考え方も存在します。これは現在では減少しましたが、部落差別に表れています。しかしインターネットの中ではコミュニティがどんどん小さくなっているので、新しい考え方や、流行は少数派として社会から線引きをされるようになっています。それはインターネットの世界と現実世界とで考えかた捉えられ方が異なるようになり、やはりデメリットとして際立っているといえるでしょう。
 では「である」社会である日本で違う価値観を取り入れるにはどうするのか。それは教育における「改革」が必要となります。学校教育の場で後進の育成に様々な文化、主に海外の文化を取り入れたカリキュラムを新たに組むことで達成することができます。そこで私が提案するのは小学校低学年から複数の言語を用いた授業をすることです。言語はその国の文化や考え方を強く反映する存在です。そこで海外の文化を取り入れる初めの一歩として、身をもって多言語に触れられる授業をすべきだと思います。英語を使って英語を覚える、日本語も使って覚える、第三外国語を高校、ないし中学校から選べるようにすることで、その環境で育った生徒は言語を体で理解して、現在の教育よりも圧倒的に実践的な言語学習の場を形成できると思います。またさまざまな考え方を形成するにあたって外国人との交流を積極的に取り入れることが重要になると思います。言語は入り口にすぎません。実際に人と関わっていくことで文化は浸透していくものです。日本の生活を知っているのと、日本文化を知識として知っているのではその理解に大きな差があり、われわれ日本人でさえ日本の文化を身をもって体験したことがある人は少なくなっている一方です。そこで実際に海外の人と関わりを持つこと、その機会を設けることは日本に新たな人材を育成するために必要な要素であると思います。また言語もその言語を生まれながらに話しているネイティブスピーカーとの会話で学ぶことでその学習効果、身につく力は大きく変わります。その言語のネイティブスピーカーは、その国で使われている言語のため、実生活と深く結びついているものであり、その言葉のキャラクターはその国の文化的背景だけでなく、その人個人がどういった経験をしてきたかを判別するための重要なツールであり、すなわち日本人でない人に学ぶことが異なった考え方や価値観を教育に取り入れるために重要な役割を果たすのです。
 ではここで話はだいぶ脱線しますが、このメソッドを取り入れた場合の経済的効果について触れていきます。(興味がなければ次の段落へ行ってください。)このメソッドにおいてのメリットは、外国人労働者の雇用機会の拡大と学校それぞれのブランディングの形成が挙げられます。外国人労働者の雇用機会の拡大において、現在問題となっている外国人労働者への対応。その第一の原因は日本国内の産業の空洞化における雇用機会の減少だと考えられます。国内の雇用環境では、現在日本国民を雇用するだけでもキャパシティの限界に達しています。また日本は現在金利政策の影響で貨幣価値が低い状態です。そこで無理に一般企業で人を雇うのは企業にも大変な負担になりますし、無理に雇えばその企業からリストラされて路頭に迷う人も増えるでしょう。現に日本国内の非正規雇用者は急増しています。安定して会社にいつづけて働き続けるといった考え方はもう古くなってしまっているのです。そこで海外からの企業誘致を行い、それと並行した職場見学等の実際の外国企業やそこで確保される雇用の場で外国人労働者を雇い、雇いきれない労働者には教育現場で働いてもらい、異文化交流の場を企業、教育の双方に生み出すことで社会全体の産業や経済の波をシフトチェンジすることができると考えています。あくまで今は机上の空論ですが、もし達成できれば、外国人労働者の雇用問題、日本の経済停滞の双方にアプローチできる画期的な方法となりえるのではないでしょうか。また海外企業の誘致によって考えられるメリットは、政府の税収入の増加です。これは一見教育とも産業とも直接は関わらないものですが、政府の懐が大きくなれば、雇用・教育のサポート、公共財となる建築物やインフラ設備等の改善によってより出費が抑えられるというメリットのサイクルが完成します。海外との積極的なコネクションによって行われるこの教育プランは、これらのプラスの経済効果を生む可能性を秘めているのです。
 とここまで経済的なメリットを述べてきましたが、経済的なメリットが増えるということは、その分教育にかけられる歳出が多くなる、したがってサポートが充実するといった効果を生みます。それは例えば障がいを持っている不自由な方も積極的に教育の場、社会に繰り出せる支援や設備投資を行う余裕ができることを意味していて、結局的にそれは社会的な障がい者や、社会的にマイノリティと扱われてきた人への認識が改善される機会にもつながり、それは必然的にいじめの防止につながっていきます。また小さい時、発達段階から複数の文化、考え方、価値観に触れることによってさまざまな考え方があるという潜在意識の形成につながり、これもまたいじめの防止における根幹である意識改革の一端となりえると思います。
 ここまで社会から教育におけるアプローチを考察してきましたが、次に現在の働いている世代、現役世代またこれからも増え続ける高齢者へのアプローチを考えていきます。高齢者へのアプローチは一見すると必要ないように思えます。ですが人口の多数を占めるこの世代を改革しないことには、上記のような新しい改革の実施は見込めません。そこでここからは主に高齢者に対してのアプローチを考えていきます。
 まず高齢者は流行についていけないという、いわばジェネレーションギャップがしばしば見受けられます。現代でインターネットが発達したことによって流行が続く期間はどんどん短くなり、更新されるスピードもどんどん速くなっています。しかし高齢者は一般にその激動の変化についていけず、むしろ取り残されてしまうということがあります。ではそこで何が必要か。それはデジタルデバイスを半強制的に生活に取り入れ、高速で流れ行く情報との生活に慣れてもらうほかありません。高齢の世代の中にはデジタルデバイスの導入に反対する派閥も見受けられます。ですが、デジタルデバイスを取り入れないメリットは現代社会において、ないに等しいのです。そこで乗り気でない人をこの大きな変化に順応させる手段には強制力が必要不可欠で、そうするメリットは大きいと私は思います。またデジタルデバイスに順応する環境を用意することが同じく重要になってきます。そこで国が開く、デバイスの講習や気軽に学べる教材の開発が必要で、それを国が先導することで一般企業、主に書店などはテキストを作成し、新たなビジネスにつながるというここでもまた経済のサイクルが完成します。また横行する情報に日々触れ続けることこそが、若者と高齢者のデジタルデバイドの解消にもつながるのです。
 高齢者、現役世代がインターネットに精通することでさまざまな情報から必要なものを選び、獲得していくといったサイクルは、いじめに間接的に関わってきます。いじめは日本の古き考え方である、個人よりも全体を優先するという考え方に由来するものだと話しました。そこで国民全体に本当の意味でインターネットが普及することによって、この凝り固まった価値観を打破できるように思えます。こうして社会全体で革新していき、社会をせんたくすることによって、いじめという根強い問題に対応していけるように思えます。
 そろそろまとめとなりますが、社会・国民全体での取り組みこそがいじめの原因療法になりえると私は思います。それには海外とのつながりを強化するのと同時に日本人としての潜在意識に新たな刺激を与えて、あらゆることを自分事として考えさせる、そういった教育や価値観の形成が本当の意味でいじめの根幹に作用するものだと思います。またそれには新しいもの、変わっているものを拒むのではなく、受け入れるといった姿勢がとても重要になります。この文章を書いた目的はこの「受け入れる」という精神、日本人が本来持ち得た精神こそ、いじめといった差別的な行動に対して効果的なものであるということを伝えたかったことです。また先ほど述べたように、現代社会では自分自身で考え、答えを出すことが多く求められています。いじめは身近なものが原因です。あなたの行動や言動一つがある瞬間いじめとして認識されてもおかしくありません。この文章を読んだあなたなら、これをどうとらえて、どう思いますか。自分の行動を見直す機会に少しでもなったら幸いです。読んでいただきありがとうございました。


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