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ヒトとしての適当さと抽象化能力

『パパは脳研究者』を自分の子供の成長と合わせてゆっくり読んでいます。脳研究者である著者が月齢ごとに自分の子供の成長を観察して、動物としての「ヒト」の特徴を解説しています。

適当だから人はすごい!?

この本の中で、人の認知能力の適当さについて述べられています。

「鳥頭」という言葉があります。記憶力が悪いという意味で使われる言葉です。実際はトリは記憶力がすごく正確で、トリは同じ場所でも前回見た景色と数分後に風が吹いて葉っぱの位置が変わった景色は別ものとして認識します。

人だったら、葉っぱの位置が変わっていても「同じ場所」と認識します。葉っぱの位置が変わったことにすら気づかないかも。

犬を「ワンワン」と言えるすごさ

1歳3ヶ月の私の娘もヒトとしての適当さを発揮しています。

毎朝、保育園に向かう途中に犬の散歩に出くわします。柴犬、シーズー、スタンダードプードル、さまざまな大きさ、毛色の犬に出逢います。娘はこれらの犬を見て「ワンワン」と言っています。

犬ほど個体差(犬種差)が大きい動物はいないと思いますが、それを「犬」とひとまとめに認識できているのです。言われてみれば”適当”ですが、すごいグルーピング能力。

適当こそ抽象化能力

ヒトが”適当”だから、細かい情報は捨てて認識することで、大雑把にグルーピングして、「抽象化」することができるそうです。この抽象化する能力により、さまざまなことに対して対応することができます。

自分を顧みてみると、抽象化することが苦手です。仕事で戦略を考えたり、後輩育成をする立場になってくると、この抽象化ができないと壁にぶちあたります。実際、自分の課題だと感じています。

一方で、記憶力はいいほうです。学生時代の丸暗記系は苦もなくやっていましたし、社会人になってからも資格試験は得意な方です。

「鳥頭」のエピソードを受けて、私の記憶力の良さと抽象化の不得手さがつながっているのではないかと思いました。

学生時代のテストは記憶力でどうなにかなることが多く、大学では生化学系で細かく正確に観察していくことを中心に行っていました。だから私は抽象化が苦手だと思っていましたが、今までの環境の問題だけではなさそうです。

そして、私はストレングスファインダーで「個別化」という資質を上位に持っています。もうこれは輪をかけて抽象化にブレーキをかけている…

最近(子供を産んでから?)、記憶力の衰えを感じています。情報量を減らして大雑把にしか覚えられないので、これを機に、具体を抽象化して概念的に考えやすくなるのでは?と期待しています。いい機会です、具体と抽象の行き来をできるように精進したいと思います。

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