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「こうありたい」思いとビッグママ

IT業界でエンジニアとしてワーママしています。
趣味で10年以上所属していたオーケストラの雰囲気が好きでないと気づき、先日退団しました。退団した後、以前はなぜ楽しいと思えていたのだろうと思いを馳せていたところ、ビッグママの存在を感じました。そして私はビッグママになれるのだろうかと思い、自分を観察してみます。


オケでのビッグママ

なぜ前は楽しいと感じ、今は楽しくないのか

コロナ禍でオーケストラや吹奏楽ができない時期がありました。その頃と出産時期が重なり、コロナ禍ではオケ活動をしていませんでした。しかし、聞くところによると、コロナ禍前後でオケの雰囲気が変わったそうです。

コロナ前は、小学校や老人ホームへの慰問演奏、子供向けの楽器体験を含む演奏会など、地域に根ざす演奏活動が多く、外に目が向く機会が多かったと思います。

しかしコロナ禍で慰問演奏などは無くなり、自分たちが自分たちのために演奏会を行うようになりました。そうすると「お客様を楽しませる」といった外への意識ではなく、自分たちがいかに”いい演奏”をできるかと内向きの自己満足に走っていったように思います。

自ずと選ばれるプログラムも万人受けというよりは、通ぶったアマチュアが選んだマニアックなプログラムになっていました。そして、団内では誰が演奏の足を引っ張っているかを吊るし上げあう雰囲気になっていました。

私は、荒削りな演奏でも「楽しい」という感覚をお客様と共有し合えることが好きだったようです。

オケにビッグママ

以前との違いを認識すると、単にコロナによる変化だけではないと思いました。私がオケ活動を楽しめていたのは、複数メンバーを同じ方向に向かわせる2人のビッグママの存在に気づきました。

1人はオケ全体をチームにした女性団員。私が入団した頃は副団長をなさっていて、還暦を迎えられた年代の方です。思い返せば、彼女は「地域との交流を大切にする団体でありたい」という思いを持っていました。

もう1人は私が所属していたパートのパートリーダー。私より7歳ほど年上の女性です。彼女は「技術は問わず演奏を楽しむことを第一に」というモットーを持っていました。

彼女たちの「こうありたい」という意思がチームの雰囲気を作って、まとめてくれていたと思いました。

具体的にどう行動に現れていたか

副団長は、「お客様からこういうご意見をいただいた」「私たちは支えられている」と団員に話したり、メールで伝えたりしていました。
当時、私は聞き流していていたと思っていましたが、蓄積されて、感化されていたようです。

パートリーダーは、プログラムが決まった後のパート割で、それぞれのレベルで楽しめるように、相性や技術レベルでパートの割り振りをしていました。そして、業務連絡のメール内にメンバー状況共有をちょこちょこ入れてくれていて、これが最低限の相互理解になっていたように思います。面倒臭いおじさんがいるので私は会話せずに済ましていましたが、これによりパートとして最低限成り立っていたように思います。

彼女たちは意図的にしていたというより、「こうありたい」という意識から勝手に行動に現れていたように見えました。

それで私はビッグママになれるの?

オケはドロップアウトしたので、仕事で振り返ってみます。

私は今の会社は15年目。今年の上期ではマニュアル化が進んだ業務のリーダーを務めており、「社歴1〜2年目が主力のメンバー構成のチームでも、サービス品質を落とさずにサービス提供する」が私のありたいチーム像でした。

気持ちが表れた行動

これ大丈夫なの?と半分諦めながらもサービス品質を”今まで通り”に持ち上げようとしていろいろ取り組んでみました。

その中でも「ありたい姿」に意識して、思い返せば優先的に行なっていたこと挙げると以下の3点です。

  • 相談/質問を受けたら、なる早で対応する
    私に相談していいという心理的安全性を作って、抱え込まないことを歓迎したかったです。

  • 対応ナレッジのアクセスのしやすさを改善する
    10年以上ある対応ナレッジを今のメンバーが使いやすい形や保存場所に更新して、実際に使えるようにアシストしていきました。

  • エンジニアとしての意識/視点を上げる
    お客様への姿勢を認識合わせて、それに照らしてどういう回答をしたらいいかを伝えたり、海外メーカーへの問い合わせるときにどのような論理展開が必要かを伝えてきました。

これらがチームメンバーにどう映っていたかは分かりません。そして、ビッグママかどうかの判定も私がすることではありません。少なくとも、この文脈で私は何をしているのかを伝えられておらず、伝えていたらメンバーの気持ちも動いたかもな〜と思えてきました。

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