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和菓子をどうぞ

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すこやかに、しあわせにー。今も昔も変わらぬ願いを込めてつくり味わい、伝えられてきた日本のお菓子。今この時をともに迎えられた喜びに、この先もつつがなく過ごしてゆけるよう祈りを重ねて… もっと読む
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#japaneseconfectionery

10/7〜11 寒露のお菓子「着せ綿」

10/7〜11 寒露のお菓子「着せ綿」

ご提供:10/7(月)〜11(金)
菓銘:着せ綿(きせわた)
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旧暦九月九日、重陽の節句にちなんで菊を模したお菓子を山の芋を使った薯蕷練切でおつくりしました。中は重陽のお供え物にもされる栗の餡です。
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折々に邪を払い無病息災を願う五節句の最後。古代中国の陰陽思想において陽の数(※)である奇数最大の9が重なる日なので「重陽」。菊の節句ともよばれ、菊酒や観菊で菊のもつ不老不死の力にあやかる習わしが

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8/6〜9 立秋のお菓子「牽牛花」

8/6〜9 立秋のお菓子「牽牛花」

ご提供:8/6(火)〜9(金)
菓銘:#牽牛花
ひさしぶりにさらりとしたこしあんを炊いて練切をおつくりしました。
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牽牛花とは #朝顔 の漢名です。奈良〜平安時代に花ではなくタネを薬として使うために中国から渡ってきました。生薬名の牽牛子(ケンゴシ)は貴重なため牛を牽いて取引したことに由来します。江戸時代からは花を愛でるために栽培され、今では日本の夏を象徴する風物詩となりました。
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花が咲くのは

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7/24〜26 大暑のお菓子「水牡丹」

7/24〜26 大暑のお菓子「水牡丹」

ご提供:7/24(水)〜26(金)
菓銘:#水牡丹
花の王とも呼ばれる牡丹。実際には初夏に咲く花ですが、その華やかさは生命力あふれる夏にふさわしく、この時期は赤い餡を牡丹に見立て葛で包んで涼やかさを添えた定番の葛饅頭として親しまれています。
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今回の餡は梅干しと梅シロップを練り混ぜて、さっぱり&ほんのりあまじょっぱい梅餡にしました。さわやかなお煎茶、静岡・さやまかおりとご一緒に。
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いよいよ梅

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7/2〜5のお菓子「笹の露」

7/2〜5のお菓子「笹の露」

*7月のお菓子2回分はアーカイブとしてupします
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ご提供:7/2(火)〜5(金)
菓銘:#笹の露
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笹の節句、七夕に合わせて笹の葉で包んだ葛饅頭をご用意しました。今回は冷たい甘露をつるんとお召し上がりいただきたく、冷やすと透明感が失われる葛粉は使わずに仕上げています。さらりとしたこしあんに笹の葉の清涼な香りがごちそうです。
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きりりとしたお煎茶、静岡・天竜とご一緒に。2煎目を入れた後のお急

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6/26〜28のお菓子「氷室」

6/26〜28のお菓子「氷室」

*こちらでのご案内遅くなりました!
ご提供 6/26(火)〜28(金)
菓銘 #氷室 (ひむろ)
暑さ極まる厳しい夏を無事に越せるように。夏越しのお菓子といえばなんといっても京都の水無月ですが、あいにくわたしの中ではこれぞ水無月といえるものがまだ定まっておりません。
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代わりに水無月の由来のひとつにもなっている行事、かつて陰暦六月朔日に行われていた宮中の氷の節会、あるいは江戸時代の氷室の節句にちな

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6/10〜13のお菓子「よひらの花」

6/10〜13のお菓子「よひらの花」

ご提供 6/10(月)〜13(木) *今回は木曜まで
菓銘 #よひらの花
よひら(四葩)の花は紫陽花(あじさい)の別名です。今年関西の梅雨入りはだいぶ遅くなりそうですが、順調に色づいてきた梅雨の彩りを錦玉羹で映しました。中は名残のレモンを使ったレモン餡です。

錦玉は寒天液に砂糖をたっぷり入れることで濁りのない透明感を出しますが、甘ったるくなってしまうので少し控えめに。雨で煙る花も美しいものです

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