見出し画像

夕方の散歩にて

昨日、夕飯の前に散歩をしました。
持ちものは携帯と鍵と、スマホだけ。
いつもならバッグに、本に、財布にとなにかしら持って出かけるので、
身軽に歩けるのが散歩のいいところ。

散歩に一人で出かけるのも随分久しぶりな気がします。
普段、私は休日になると、ほぼほぼルーティンのように時間を過ごします。
スーパーで買い物をして、作り置きを作って、
書きものをして、英語の勉強をして、ヨガや筋トレをして、掃除をして。

だから何も考えずに、ぼーっと歩いて、近所を歩くことで、リラックスできる気がします。
書きもの、勉強、作り置きや筋トレも、全部自分のやりたいことだけれど、なんとなく時間に追われている感じも、なくはないのです。

昨日は、昼間に通り雨があってその後に晴れました。
だから空が洗われて、幾分気温も穏やか。
風も吹いて、近所の神社に寄ったり、木漏れ日や空をスマホで撮影しながら、坂道をのんびり歩きます。

夏は夕方からが好きです。

散歩をしていると、散歩している人たちとすれ違います。
小さい娘を抱っこして、その娘に話しかけるお父さん。
娘さんも楽しそうにはしゃいで、お父さんのほっぺを軽く叩いていました。

それと、なにか笑いながら歩いている恋人たちともすれ違いました。
その二人とすれ違って、後ろを振り返ると、手を繋ぎ始めていました。
幸せそうな二人が坂道を下っていく姿は、夏空によく映えます。

すれ違っていく中で印象的だったのは、老夫婦です。
実はその老夫婦とは、私が毎朝出勤するときにもすれ違っているので、
「あ、朝だけではなくて、夕方も一緒にお散歩しているのね」と、
微笑ましく思えました。

おじいさんもおばあさんも、つば付きの帽子を被って歩いています。
いつもおじいさんが少しだけ前に歩いて、おばあさんがその後ろを付いて行く感じです。

二人は別に手を繋いでいないけれど、
でもそれは仲が悪いのかしらと思わせるものではありません。
おじいさんは時折、後ろを少し見て、
おばあさんとの距離が離れていないか、確認しているようでした。

その二人を見ているうちに
何年一緒にいて、何年この坂道を一緒に散歩しているのかしらと、
想像を巡らせました。
旦那さんが退職された後に一緒に散歩し始めたのかなとか、
実は散歩のコースはいくつかあるのかなとか。

お二人の繋がりは、きっと若い恋人たちのような熱いものではなくて、
もっと穏やかなものなのだろうと思います。
それは何十年も一緒にいてできた、静かな川みたいな感じ。
それぞれ独立していた川が、
徐々に合流して、大きな海へと繋がっていくイメージかなあと。

散歩をしていると、ご近所の方のそれぞれの日常の、
小さな幸せを垣間見えると、
たった三十分弱の散歩でしたけれど、そう思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?