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チェコへの一人旅

前職を辞めて、派遣社員となる前に、少しだけ時間がありました。
そのときに真っ先に思いついたのが、海外旅行。
もともと大学生のときに何か国か旅行に行っていた私にとって、
ここ数年は我慢の年でした。

海外旅行のいいところは、
日本にはない、その国の空気に浸れるということ。
一人で行く旅は自分のペースで周れるので、
私は結構好きです。
もちろん、他の観光客が家族やパートナーと来ているのを見ると、
日本のことを恋しく思うこともあるのですが、
逆に誰かと一緒にいられることのありがたみを感じることができるのも、
一人旅ならではなのかなと思います。

さて、前職を辞める一か月前に「よし、行こう」と決めた私は、
早速旅行代理店に行きました。
最近は海外旅行代が高く、しかも行く日が年末だったこともあり、
北米や欧州となると、予算オーバーしているものばかりでした。

それでもアジア圏を出たかった私に、色々と提案してくださった代理店の方が
「チェコとかって、興味ありますか」
と、チェコのガイドブックを見せてくれました。

オレンジの屋根が続く、かわいらしい街並みや、
夜の川沿いの写真に魅せられた私は、
予算内に収まるそのチェコへの旅行を決めました。

いざチェコへと旅立つ日。
乗り継ぎ先のドーハ空港に向かう飛行機に乗り、
久しぶりの海外一人旅への胸の高鳴りが、
滑走路を走る音と共に大きくなっていくのを感じました。

ドーハ空港で一つ、ほんの短い時間でしたが、
小さな出会いがありました。
ドーハからチェコへと向かう便をゲート近くのソファーで待っている間に、
ある一人の韓国人女性に声を掛けられました。

その人は私とほぼ同い年で、
しょっちゅう一人で海外に旅に行くのだそう。
こうやって、旅の途中で出会った人たちと話したりするのが好きなのと、
楽しそうに話す彼女と、フライトまでお喋りしていました。
飛行機内では席も離れてしまい、その後は会うことはできませんでした。

でもそういう、旅行ならではの一期一会の出会いに「そうだ、そうだ、こういうのも楽しいんだよな」と、
学生時代のときに感じた小さな感動というか、
胸の高鳴りを思い出していきました。

今回のチェコでの旅行で、主要な観光地を巡ったのですが、
特に印象に残ったのはチェコの街そのものの風景と、カフェ。
写真ではなくて、本物ならではの迫力や、
歴史、空気感は行かないと分からないものだと思います。

私はある塔に上って、チェコの街並みを眺めました。
塔内にある、長い長い螺旋状の坂を上りきると、
もう夕暮れ時でした。
沈んでいく太陽の光が、放射状に広がるチェコの街並みを照らし、
オレンジの屋根とその夕日がよく合っていました。

忘れられない景色

そしてカフェ好きな私は、
今回の旅行でお気に入りのカフェを見つけ、
二日連続朝ごはんをそのカフェでいただきました。
「Cafe Louvre」というお店。

真ん中のアボカドのお料理が本当に美味

料理やコーヒーも一つ一つが美味しく、店員の方も気さくです。
作家のカフカも通っていたという、歴史のあるカフェで、
重厚感のある内装も素敵でした。

このカフェだけではなく、私が出会ったチェコの方々は
フレンドリーの方が多いように思えました。
私が日本人と分かると、日本語で「ありがとう」と言ってくれたり、
一番驚いたのは会計する際に「オカンジョウ?」と言われたことです!

そんな風に、行き先で初めて会う人と少しでも雑談できたり、
その地の人々のホスピタリティに触れることができると、
寒い中でも心がほっとあたたまる瞬間があります。

そしてこれは海外に行くといつもそうなのですが、
昼間の月を海外先で見ると、つい私は日本のことを思います。
空は繋がっていて、太陽も月も一つで、
でも月はきっと、ここと日本とでは見え方は違うなとか、
そもそも日本は今、夜なのかな、天気はどうだろうと、考えます。

でもそれで日本のことが恋しくなるということではなくて、
逆に「世界は繋がっているんだ」と、励まされる気持ちになるのです。

日本にいると、つい忘れてしまうようなことを
海外に行くと身に染みて思い出すことができるのも、
私が海外に行くのが好きな理由なのかもしれません。

チェコに行くとは、代理店に行く前には考えてもいなかった私ですが、
いい冒険ができたなと思います。
この旅行で見たこと、感じたことが、
また自分の一部を形成してくれているのだと、そんな風に感じています。

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