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おやつの時間

このGW中、実家に帰り、ゆっくりしていました。
いつもなら帰っても一泊するだけなのですが、今回は長めに泊まりました。

学生時代のように自分のやりたいことと少しの家事の手伝いで休日を満喫できるこの贅沢感。
書きもの、読書、映画、英語の勉強等々。
「明日はなにしようかな」と考えているうちに、ふと「あ、家族に最近自分が作ったもの、食べてもらってないなあ」と気付きました。

一人暮らしを始める前は、たまに夕飯やお菓子を作ったりして食べてもらっていたのですが、一人暮らしを始めてからは家族には食べてもらっていませんでした。

なにを作ろうかなと実家にあるレシピ本をぺらぺら捲っていると、「キャラメルバナナケーキ」のページが目に飛び込んできました。
「これ食べたい!」そう思い、お昼ご飯の後に買い出しへ。
バナナと無塩バターを手に入れて早速キッチンで作り始めました。
母のエプロンを拝借し、久しぶりに実家の台所に立つと懐かしい気分。
前はここで自分の弁当も作ったり、お母さんに色々教わったりしたなあなんて考えました。

材料を混ぜて、焼くパウンドケーキだから失敗はないだろうとは思いつつ、お菓子作り自体が久しぶりなので、グラム数をきちんと測るのも変な感じでした。料理の時は目分量でやることも多いからです。
でもやはり料理と共通しているのは、夢中で作業している間、自分は落ち着いて自分の頭の整理をしているということ。単純に材料を混ぜている間も、その作業に没頭しつつ、冷静に他のことも考えられている感覚は私にとって、料理とお菓子作りの時にしか味わえないものです。

無事全部混ぜきり、焼いている間、仕事から帰って来た母とお喋りをしました。この連休では母とたくさん話せてよかったと思います。
月に一度は帰ると言っても、それだけでは話しきれないことや、聞ききれないことはやはりあるようでした。やっぱり、生で話して同じ空間にいることって大事ですね。共感というのはもちろん文字でも可能だけれど、生身の言葉、声や表情にお互いの感情が一番分かります。

焼き終わって、食べたいのをぐっとこらえ(端は味見で食べました笑)、ケーキクーラーの上でパウンドケーキを冷まします。
この冷ます時間が私にとって、お菓子作りの間で辛いので、他のことをしながら気を紛らわします。
早く食べたい、でも冷ました方がもっと美味しい。
そんな風に一時間ほど待ち、最後に粉砂糖をかけて出来上がりです。

待ちに待ったおやつの時間。
その日の昼間は私と母しか家にいませんでしたが、二人でコーヒーを入れて、一切れずつ(と母は切れ端も!)いただきました。
「おいしい、おいしい」
料理上手な母に言われると、心から嬉しい気持ちがふつふつと湧くのは、昔から変わりません。上手にできてよかったなと思います。

おやつの時間。
おいしい飲み物と、おやつと、気兼ねなくお喋りができる人たちがいれば、そのおやつの時間は完璧です。
実家にいた頃、三時か四時になった時に母が「○○あるけど、食べる~?」と言ってきて部屋にいた私と妹がリビングルームに行くことはよくありました。
スーパーの安いエクレアでも、少し高めのケーキでも、誰かの手作りお菓子でも、一緒に食べて、飲んで、お喋りできる時間が私は好きです。

自分で作って、食べてもらえる人がいるっていいな。
一緒に食べて、お喋りできる人がいるって幸せなことだな。

そんなことを改めて思ったおやつ時間でした。

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