汐音の台湾2022
2年9ヶ月、台湾は近くて遠い場所だった。
今まで20回以上台湾に行っていて、いつでも気軽に行けた台湾がこんなに遠い国になるなんて思いもしなかった。パンデミックによる行動の制限、そして海外渡航が徐々に解禁されていっても台湾は厳しい検疫措置をとっているのでなかなか観光での渡航が解禁とならなかった。
海外に行けるようになったらまず台湾
っと心に決めていた私は、今か今かとその時を待っていた。
そして、ついに観光による渡航の解禁‼︎
その時はきた。突然に。
勢いに任せて渡航を決意するも、謎なことが多い上にバカ高い航空券…
渡航を決意してから、事前の準備、予約、そして実際の渡航で感じた今までと違うことなんかをまとめておこうと思います。
台湾渡航までの準備〜自主防疫ってなんだ?〜
2022年10月13日から台湾への観光での渡航が解禁!と発表になった。
ただし、今までと全く同じではない。注意すべき点をまとめます。
ものすごく間違った情報が特にYouTube界隈で発信されているので惑わされないで欲しい。
台湾政府が発表している自主防疫はざっくりまとめると
入国時、もしくは1日以内の抗原検査での陰性結果がないと外出禁止。以降も2日に1回の抗原検査での陰性が必要
宿泊は1人1部屋バス・トイレ独立必須
マスクの着用義務
こんな感じ。私たちが渡航を検討する段階では、まだこの自主防疫での渡航が解禁になっていなかったので、
意味がわからん!
謎が多すぎて頭がぐるぐるした。調べれば調べるほど「まだ行かない方がいいのかな?」ってなりました。
台湾渡航に対して必要なもの
・ワクチン3回の接種証明(もしくは72時間以内のPCR検査陰性証明)
これがないと帰国できない。接種証明がない場合は出国時と現地で出国72時間以内の日本の基準にそったPCR検査の陰性証明が必要
・ホテルの予約(7日間は1人1部屋の予約必須)
・往復の航空券
・パスポート
・スマートフォン(SIMカードの購入かWi-Fiルータのレンタル)
私たちの渡航時は帰国時のためにワクチンパスポートの登録が必須だった(11月中旬に廃止されて今は別システム)
情報が随時更新されているので、日本・台湾両国の最新情報をチェックしていく必要があります。ちゃんとしないとマジで大変。あと
スマホ持ってないと詰む
うちの両親なんかは2人で1台のスマホ使っているので無理じゃん!って思いました。
ワクチン接種証明
接種証明書はマイナンバーカードがあればすぐ手続きできます。マイナンバーカードがない場合は手続きに1週間前後かかります。即時発行不可です。この時点で私はマイナンバーカードが手元に届いておらず、渡航がギリギリだったので保健所に直接手続きに行き5日ほどで発行してもらえました。
接種証明、保健所で発行してもらう際に知ったのですがワクチン接種した場所が自分の住民票の該当外の場合(集団接種会場や職場での接種だった場合)保健所での発行ができない場合があります。私は台東区在住ですが1回目、2回目の接種が別会場で3回目だけ台東区での接種だったためちょっと時間がかかりました。保健所に駆け込みできている方は仕事の都合などで急ぎの方が多かったのですが、海外で接種した方などはもしかしたら発行できないのかも?みたいな感じでしたた。結構厳しい。
自主防疫〜抗原検査について〜
台湾の空港に入国するとまず抗原検査キットがもらえます。結構大きい箱。4回分入り。入国の段階でめっちゃあちこちに案内が出ています
空港での検査はありません。抗原検査のキットを受け取るのみ。あとは通常の入国手続きです(日本の空港での出国も特に以前とかわりません)
私たちはホテルについてから各自の部屋ですぐに抗原検査を行いました。検査する前にタクシーに乗ったり電車に乗ったりしてホテルまで行くのは問題ないのか?という疑問もありましたが、マスクをしていればOKでとにかくその日のうちに抗原検査です。
もし検査結果で陽性になった場合はQRコード先に連絡して対応を待つ形。そうすると専用タクシーが専用の宿泊施設に運んでくれるらしい
抗原検査、初めてしたのでどんなもんかと思いましたが鼻に綿棒のようなものをつっこんでぐりぐりするタイプのものです。一番信憑性の高いメーカー製。鼻へのぐりぐりの加減がわからず、うっかり鼻血が出るほどぐりぐりしてしまいまして鼻血ちょっと検査液に混じってしまいましたが医療機関勤務の友人に確認したところ特に支障はないそうです。このあとも3回検査したうち2回鼻血でちゃった。粘膜弱い。
検査結果の報告義務はありません
任意です。陽性だったら報告義務あるけれど、どこかに移動する、入店する際に陰性結果を提示するように求められることはありませんでした。
自主防疫〜ホテル1人1部屋ルールについて〜
これが正直一番ネックでした。
円安の影響もあってめっちゃ高くつく。
入国後7日間の宿泊は1人1部屋で、バス・トイレが独立していることが必要
ドミトリータイプのバス・トイレ共同タイプの宿泊施設は入国後7日間は利用不可
友人・知人・現地家族の家に宿泊の場合でも同条件
夫婦だろうが、友人だろうが、同居人だろうが、どんな条件の関係性でも1人1部屋必須
この条件だと台北の中心部だと安くても1泊1万円前後です。今回、20年くらい一緒に台湾行っている同行者と一緒でしたがはじめて別々の部屋に宿泊。宿泊予約時に要望を伝えておけば隣同士の部屋にしてもらったりできます。
1軒目のホテルでは、自主防疫ルールに対する誓約書にサインしました。正直ちゃんとチェックしているかどうかは宿泊施設によるのかな?って気もしますが、
ルールはまもりましょう
旅行系YouTuberがドミトリー泊まっているの見かけましたが
2度と旅すんな!って思いました。
このご時世ですから、行き先の国のルールは守るのがマナーです。
台湾もまだ外国人を受け入れはじめたばかり。台北以外の都市、特にあまり外国人が行かない地方では受け入れ拒否にあうこともあるようです(私たちの1週間後に台湾に仕事で行った友人談)まだお互いに探り探りの状態であることを理解した上で、楽しい旅を満喫することが求められています。
何度も言うけど
ルール守れないなら行くな‼︎
SIMカード
今回、SIMフリーのiPhoneを利用して日本から台湾で利用可能なSIMカードを予約していきました。KKdayのサイトで1週間のフリー容量で¥2500くらい。空港のカウンターで受け取りの際にSIMカードの入れ替えまでかかりのお兄さんがやってくれました。めっちゃ親切。データ容量がフリーな上に無料通話もついてくるので、お店の予約などにも使えます。コロナ禍の影響でレストランのオーダーがセルフになっているところも多く、利用時に電話番号が必要になることがありますがそんな時もSIMカードについてきた番号が登録できて便利!
現地でスマホ使えないと正直何もできない。
飲食店などの営業時間が、コロナ禍前と結構変わっていまして以前は深夜までやっていたお店も21時終了とか、閉店してしまったお店もたくさんありました。レストランのオーダーもスマホを使ってすることが多く、地図アプリ、翻訳ソフトなどを駆使して利用するためデータ容量無制限はめっちゃ助かります。今回2台のスマホを駆使して旅しましたが地図アプリ起動中の調べ物などで利用できるため2台あるとめっちゃ便利かも。人によるけども。
安い航空券なんてない
安い時は往復2万円を切っていた台湾への航空券。
LCCのセールでもっと安いこともあった。そんな時もあった。
が、
もうその記憶は忘れた方がいい。
燃料費の高騰で航空券がとんでもないことになっています。
毎日のように航空券の値段の流れを眺めているけどここ3ヶ月下がる気配は皆無。LCCの利用でなんとか5万円代になるのだけれども、LCCは結構な確率で欠航になっている。つまり飛んでない。私の友人も高雄行きのタイガーエアが欠航になって結局JAL便で台北から入ることになってました。
しばらく待っても安い航空券なんて出てくる気配はないですね…
12月に入ったら燃料費ちょっと下がるかも?っていう情報出てたのに、その気配もまっっっっっっったくないです。
諦めてお金を出すしかない。
いい感じの時間帯に、いい感じの渡航をしたいのなら8〜9万円が相場。JAL、ANA、エバー、チャイナ全部そんな感じです。
コロナ禍前の最後の海外渡航が2020年のヴェネツィア。そのときの日本→ヴェネツィアの航空券と日本→台湾行きの航空券が同額
嘆いてもしょうがない。
それが現実!
台湾の今。
高いよ…なにもかも
円安やばい
燃料費高過ぎる
台湾は気軽に行ける場所でした。
年に何度でも行ける気軽な場所だった。激安パックでは航空券とホテル代込みで¥29800だったこともあった。航空券なんて高くても4万円くらいでホテルもいつも¥4000前後だった…
そんなことはもう
全部忘れるしかない。
今回の航空券約9万円(JAL利用。チャイナ、エバーはもっと高かった)
LCCでも5万円前後(しかも半分くらいの確率でキャンセルになって飛ばない)
ホテルは1泊1万〜1万2千円前後
今回台湾を横断した6泊7日で旅費が20万円近く…
ヨーロッパ渡航かよ!!!!!!!!
私は安旅自慢ノーセンキューなのである程度快適な旅を求めるのですが、さすがに高くて高くて泣きそうでした。ホテル代が2人部屋を1人で使うためとにかく無駄に高くなってしまう。泣きたくなる。が、20年以上一緒に旅してきた友人共々思ったのが、
部屋別々にするの悪くない
親しき仲にもなんとやらで、なんとなくお互いに気楽でした。この台湾渡航の翌週京都に2人で宿泊したんですが「別々の方がパキパキ行動できたね」みたいな結果になった。もしかしたら今後もあえて別々の部屋で行動するかもしれない。新しい気づき。
夜市や街の食堂でのご飯、2年9ヶ月前の最後の渡航時は100元=約350円の感覚で安いお店だととってもリーズナブルに食事できましたが、現在だと100元=約500円なので食いしん坊の私がお腹いっぱい食べると1000円以下は厳しいです。(すごい食べるからだけど)あと、コンビニでちょっとお茶買ったりおやつ買うときに
日本より高いね
ってなります。念願の渡航だったからケチケチしたくないけど、なんというか台湾の物価が上がったわけでもないのに円安と日本の物価安をものすごく実感しまして
ここ3年で日本は本当に貧乏な国になったね
っと実感します。これ、割と大事なことかも。日本にいると日本の物価がいかに世界の基準に見合っていないかわからないものね。外に出てみるとよくわかると思います。マジでやばい。
両替は空港で
両替をどこでするかは国によって違いますが、台湾の場合は空港でするのが一番手っ取り早くて安いです。街中で両替しようとするとめっちゃ大変。三越やホテルなどでもできますがレートが悪すぎてコンビニでキャッシングした方がマシです。
ちなみに羽田・成田の国内空港でも台湾元への両替はできますが、これまたレートがめっちゃ悪いので
必ず台湾入国時の空港で両替しましょう
入国ゲートを出てすぐのところと、ロビーにもたくさん銀行の窓口があります。どこも一緒なので並んでいないところでさくっと両替しましょう。
円安すぎて、両替後に帰ってきた金額少なくて気絶するかと思いましたけど!
台湾のコロナ禍以前との変わった点
久しぶりの台湾では、そんなに前とは違うなーと感じる点はありませんでした。コロナ禍前と変わったなって思うところは日本にいて感じる部分と大体一緒。お店に入店するときの手指の消毒とか、エレベーターのソーシャルディスタンスとか。特に旅行者として感じた変わった点は
閉店時間が変わった
タクシーが捕まりにくい場合があった
お店がなくなっていた
の3点かな?と思います。
閉店時間の変化に関しては、お店ごとに異なりますが以前は深夜2時くらいまでやっていたお店も21時閉店になっている場合が多く、今回移動が多かったので危うくご飯を食べそびれそうになることも何度かありました。
マスク着用義務
12月から屋外での着用義務は解除になったとのことですが、私たちが渡航した10月下旬の頃はどこにいてもマスク着用義務必須でした。日本よりしっかりマスクしている人が多い印象。鼻マスクの人とかあんまり見かけなくて、めっちゃ安心感がありました。MRT(地下鉄)のホームには専用の係員がいてマスクをちゃんとしていない人には注意が飛びます。
台湾のタクシー事情
タクシーアプリが普及していないので、流しのタクシーを捕まえるのですが21時過ぎると数が減ってとっても捕まえにくいです。台北市内でもタクシー捕まえるのに何分も彷徨ったり、高雄では致命的にタクシーが捕まらない事態に…大きな荷物が伴うタクシー移動ではホテルやお店にタクシー呼んでおいてもらった方が無難です。台北以外の都市ではもはや予約必須です。
雨が多かったのもありますが、タクシー待ち、タクシーの取り合いがあちこちで発生。タクシーアプリに頼り切って日本で生きている私としてはアプリが普及していないもどかしさをとても感じました。今まで台湾でこんなにタクシーに困ったことがなかったので、コロナ禍で運転手さん減ってしまったのかもです。
キャッシュレス化
台北市内であれば結構キャッシュレス化が進んでますが、市場系でのお買い物、タクシーなどは現金のみです。
店舗、レストランではクレジットカード(一部JCB不可)が原則利用できますが、今回LINEpayがかなり使えるようになっているなっと感じました。コンビニなどでも利用できるのでLINEpay便利かも
お久しぶりの日本人
厳格な規制をとっていた台湾に、外国人が流れ込む。この状況をあんまり良く思わない方もいたりするのかな?なんて渡航前は少しドキドキしていましたが、旅をした実感としてはそんなことはほとんどなく、むしろ喜んでくれている?というかんじでした。旅行者の勝手な解釈かもしれないけれど。
街中で会話する日本語にびっくりして振り返られることが何度かありました。以前は台北の街中のあちこちで聞こえていた日本語の会話、おそらく久しぶりに耳にしたのでしょう。決して嫌な顔されるわけでもなく「あ、日本人!久々にみた」みたいなリアクションでした。夜市やマッサージ屋さんでは「日本人‼︎ひさしぶり‼︎」みたいな歓迎ムード
「外国人の受け入れ始まったばっかりなんだなぁ」感を一番感じたのは
免税の手続き!
なんせここ3年近く行っていなかったので、売り場の方々が「初めての免税手続き」でちょっとあたふたしてました。11月にはたくさんの日本人が渡航しているので、もう今頃は慣れてきているのかもしれませんが、私たちが行った頃は本当に初々しい手続きっぷりで
いろいろがやっと動き出したんだな!私もその中で動いているんだな!を実感しました。
夜市の今、どうなってます?
日本で台湾の情報を収集していると「夜市がピンチ」的な情報が結構入ってきましてどうなっているのかな?ととても心配していました
まず、台北の夜市
いたって通常営業!地元の人が仕事帰りにご飯食べにくる感じ変わらず。行く前はちょっとびびってましたが誘惑に負けてごはん色々食べました。狭いテーブルに肩を寄せ合って食べるあの感じ健在(お気持ち程度のパーテーション有)消毒などもあまりしている感じがなかったので、持参の手ピカジェル使用。
うーん。神経質な方はまだまだやめた方がいいかも!テイクアウトできるので持ち帰ってホテルで食べた方が安心感はあると思います。
高雄にある大好きな夜市。ここが「もしかしたら閉鎖かものピンチ」と報道されていたのですが、ぱっと見今まで通りの賑わいでした
ただ一角にぽかんと空きスペース
やっぱりちょっと寂しい。市場の近くのマッサージ屋さんやらのテナントも結構空きになってました。食べ物エリアはそれなりの賑わいで大好きな海鮮焼きそば屋さんはUberにも対応してて大忙し!
ちょっとドキドキしながらも、地元の人と肩を並べてご飯を食べるこの感覚はやっぱり楽しいです。先ほども書きましたが、全てテイクアウトできるのでホテルに戻ってゆっくり食べるのがおすすめです。アルコール飲みたい方は夜市では飲めないのでホテルでがいい。高雄では大好きなイカのフライをテイクアウトしてホテルでビールと共にいただきました
台北、高雄、台中、宜蘭を歩いて。
『台湾の今を感じる』
がこの旅のテーマでした。私は将来的に台湾での起業を考えていて、そのためにも一刻も早く台湾の今を知りたかった。
以前から、台湾のクリエイターが作り出すデザイン、商品には惹かれていましたが
古いものを大事にしながら今を作り出す
そんな力を強く感じました。古いものを壊してとにかく新しいものを作ろうとする日本とは真逆の方向。私が台湾のものづくりやコンセプトの持ち方に惹かれる理由が少しわかった気がします。
デザイナーをしている台湾の友人曰く、そういった台湾の方向性に問題がないわけでもないようですが「おもしろい」「勢いがある」という面では日本よりもはるかに魅力的に見えます。ここ3年でますます台湾の色が出てきた気がする
今を見ることができてよかったなっとすごく思います。
そしてやっぱり、「台湾おもしろいな」って思います。私にできそうなこと少しヒントが掴めた気がする。
まだまだ航空券も高いし、自主防疫も継続されていますが
扉は開いたので‼︎
行きたくても行けなかった長い長い2年9ヶ月、本当に恋しかった台湾。
念願の台湾に行くことができたなんて、夢のようでした。
これからまた私と台湾の新しい旅が、その先が、どんどん広がっていきますように。
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