ダイビングなら沖縄へ!世界の魅力と無限の可能性を秘めた海
東京から飛行機で約3時間、気軽に行ける日本の南国として人気の観光地「沖縄」。なんといっても島の魅力は、「青い海」。白い砂浜とともに作り出すコントラストが、多くの人を魅了する。
沖縄の方言に「美しい」を意味する「美ら(ちゅら)」という言葉がある。沖縄の海は「美ら海」と呼ばれ、世界中が憧れる夢の楽園だ。
沖縄に憧れて移住してきた筆者だが、沖縄の海の魅力をまだうまく伝えられない。そこで今回は、沖縄の海を知り尽くすプロのダイバーさんを取材。お話を伺ったのは「ダイビングショップS2 CLUB沖縄」の伊藤亘(以下、ワタルさん)と、まりなさん。
沖縄でガイドを始めた理由は、「とにかく海がきれいで、本州からのアクセスも便利だから」だそう。年間を通して、いつでも誰でも楽しめる。そんな美ら海の魅力とは?
<沖縄の海ってどんなところ?>
「青くてキレイ」「サンゴがあり、ウミガメに会える」など、いろいろなイメージがあるだろう。一番の特徴は、やはりサンゴ。世界で確認されている約800種のうち、約半数が沖縄近海に生息している。
また、近海を流れる黒潮に乗って、マンタやウミガメなどのさまざまな生きものが暮らしている。あの有名な美ら海水族館が表現する世界は、まさに沖縄の海そのものだ。
ずばり、この海の魅力は何だと思いますか?と尋ねると、ワタルさんは目をキラキラさせて「ポテンシャルが高いことですね」とお話してくれた。
1.沖縄で、世界の海を見に行こう!
(以下、ワタルさん)
世界中にはすばらしい海がたくさんあり、それぞれが特徴的な魅力を持っています。そのあらゆる海のイイところが、ギュッと凝縮されているのが沖縄の海です。世界の海を見るためには、莫大な時間と旅費が必要。
だけど、沖縄の海には世界レベルのサンゴがあり、絶景を楽しめる洞窟ダイビングが楽しめる。海外に劣らない豊富な種類の生き物や透明度の高い海。
海外に行かなくても世界の魅力を楽しめる、という無限の可能性を秘めています。
世界レベルのサンゴに会える
たとえば?オーストラリアのグレートバリアリーフは、約600種のサンゴが生息する「世界最大のサンゴ礁」としてダイバーにも大人気の海です。しかし、そんな海と肩を並べるくらい、沖縄の海にも立派なサンゴがたくさんあります。地球規模で考えると、沖縄はとても小さなエリアですが、これだけのサンゴを見られる海は世界でもすごくめずらしいのです。
また、洞窟ダイビングではメキシコ(セノーテ)が有名。ですが、そこまで行けない人でも沖縄に来れば十分に堪能できます。沖縄本島であれば、最北端の辺戸岬が洞窟ダイビングでは有名なポイントです。また、離島の宮古島も洞窟ダイビングが人気ですね。
サンゴのおかげで、生きものに出会える
透き通っている海は、ブルーが際立って写真としてもすごく映えます。沖縄よりもクリアな海は世界中にたくさんあります。しかし、海の中が透明すぎるのは栄養分が低いということでもあるので、クリアな海にはあまり生きものがいないんです。
例えば、サイパンとグアムの間にあるロタ島は、ロタブルーと呼ばれる透明度の高い海が有名です。ここはサンゴよりも岩がゴツゴツしているのが特徴で、あまり生き物は多くありません。
沖縄の海は本州に比べて、透明度が高くて、とてもキレイですよね? それは、海の栄養分が少ないから。しかし、沖縄では豊富なサンゴが栄養分を補っています。つまり、多くの生きものに出会えるのは、豊富なサンゴがある「沖縄ならではの魅力」ということ。そういった生態系を持つ海は、世界的にも数少ないです。
2.沖縄は、南国のなかで四季があるレアな海
インドネシアなど赤道直下の海は、日本よりも暖かく、一年を通して快適にダイビングを楽しめます。しかし、そこでは年間の気候が一定のため、海の中も代わり映えしません。その点、「四季」がある沖縄の海は、南国の島でもすごく貴重です。
四季がある美ら海は、季節にあわせて刻一刻と海の様子が変わります。そのため、いつ潜っても、海との出会いは一期一会。お客さんも、案内するガイドも飽きることなく海を楽しめるんです。では、季節ごとの海の様子を見ていきましょう。
春、生命誕生のシーズン
海では「この魚が卵を産んだから、春だね」など、生きものの営みと一緒に季節を感じます。
冬(1〜3月)になると出産・子育てのために、寒い北の海からクジラが沖縄近海を回遊します。ホエールウォッチングやホエールスイムを楽しめるシーズンです(船や水面からのクジラ観察するツアー。安全面の配慮から、ダイビングは行われていない)。
そのほか春の風物詩といえば、4月頃に粟国島(あぐにじま)で見られる、ギンガメアジのトルネードが有名です。大量の魚が一つの大きな渦になって泳ぐダイナミックな光景は、なんと産卵行動。ダイバーを毎年ワクワクさせてくれます。
6月の梅雨に入ると観光シーズンは落ち着きますが、サンゴは産卵シーズンです。(潮汐と月の満ち欠けで、一定条件が揃った夜に産卵する)。
また、この卵をエサとして狙う生きものも活発になります。その頃は、沖合でマンタやジンベエザメの目撃情報を聞くことも(ダイビングでよく出会えるわけではない)。
夏、全身で沖縄ブルーを味わおう
そして、夏。海がとても温かくなり、気持ちよくダイビングができる季節です。海に差し込む太陽の光で、水中の青さが一層の輝きを増します。夏ならではの青い海で、浮遊感や解放感を楽しめるでしょう。
さらに、この時期は風向きの関係で、本島北部に潜れる貴重なシーズンです。ここでは鍾乳洞や沈船(沖縄戦で海底に沈んだ船)を見ることができます。
秋、知る人ぞ知るダイビングのベストシーズン
10〜11月は、観光のオフシーズン。海が混雑せずに、生き物をゆっくり観察できます。比較的、台風も落ち着いてくるけれど海水温はまだ高く、夏より航空券が安いので、実はダイビングのベストシーズンなんです。
産卵後の幼魚が群れる様子や、それを狙うマンタに遭遇する可能性もあり、ワイドな海を楽しめる季節です。
3.沖縄の海は、一生かけて楽しめる
(以下、まりなさん)
沖縄本島には東西南北、浅瀬から深場まで、とにかく多くのダイビングポイントがあるため、シュノーケルからディープダイビング(通常より深く潜る)まで、お好みやレベルに合わせた場所をご案内できます。ご家族で初めての海から、ベテランさんまで無理なく楽しめるのです。
潜る場所は当日の風向きによって決めますが、本島では、どんな日でもどこかしら潜れることが多いです。海外のツアーでは、潜る場所と狙いを決めて参加することが多いので、海の状況でツアーが中止になると、旅の目的がなくなっちゃうんですよね。
その点、高確率で海を楽しめるということは、ガイドとしてお伝えしたい沖縄の魅力です。
また、ダイビングは何歳でも楽しめます。70代でダイビングを始める方もいるほどです。また、「子育てを終えてひさしぶりに潜りたい。でも、体力が……」という方も、安心して楽しめるポイントを選べます。体力やライフスタイルに合わせて、ぜひ長く海を満喫してもらいたいなと思います。
これから夏に向けて、沖縄の海は旅行者やダイバーでにぎわう観光シーズンを迎えます。ダイバーの方も、新たなチャレンジをしたい方も、みんなが楽しめる沖縄の海。
「青くてキレイ」だけじゃない美ら海の魅力を、ぜひ体感してみませんか。
<インタビュー協力>S2 CLUB沖縄 さん
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