【小説創作論】作者の伝えたいことを物語で語る
こんにちは、ウェブ小説家の皐月紫音です。
Xをやっている方でしたら、先日話題になった自作語りについてのポストを見た方も多いとは思います。
こういう話題には私のエッセイを読んでいる書き手さん達には基本的に振り回されてほしくないので、簡潔に説明します。
ある方が「自作語りは人気も実力もない物書きに限ってやりがちで、見ていてもうざい(意訳)」という発言をして、それに対して賛否両論の声が上がったという出来事がありました。
私も固定の記事にあるように、かつてはあまり見ていて気持ちの良いポストはしてこなかった側の人間です。
ですが、個人的意見としては自作語りよりも炎上狙いのポストや私もかつてはやってしまったことがありますが、人の創作してるものにケチを付けたり、あとは、こういうジャンルは売れないから書いても無駄のようなアドバイスを装った、いいね稼ぎ目的の余計なお世話の方が、よほど見ていて不快なのではないかなとは感じました。
自作を語る人は、TLで見たくないならばミュートして終わりです。
しかし、そういう類のポストは見た後にしばらく不快な気分にさせられたり、つい、反論のポストをしてしまい時間を無駄なことに奪われることになるので、何も良い影響を生みません。
もちろん、どんなことも思うのは自由です。
私もこういう作品嫌いとかありますし、上にも書いてますが実際に批判してましたね。
ただ、それを多くの人が見る場でやるのは良いことではないですよね。
自分の精神衛生上もやめた方が良いと私は思っています。
なので、皆さんもこの記事を読んだ後になって、ポストに賛同でも反対でも議論に参加するのはできれば、やめていただければと思います。
ただ、このもとのポストに賛同する形で、物書きならば伝えたいことは、作品で語るべき!という意見は結構見かけまして、これについては私なりに深ぼっていきたいなと思いました。
なので、今回は私なりの作品に読者を感動させるようなメッセージ性を込める方法を共有していきたいと思います。
それでは、前置きがやや長くなってしまいましたが、行ってみましょう!!
■メッセージ性を込めるとはポジションをとること
前提として作品にメッセージ性を込めるのは少なくない敵を作ることに繋がります。
ここでいうメッセージ性とは作者が作品の中で表現したい〝哲学〟のようなものです。
例えば、一例としてジャンプ系漫画のような〝友情・努力・勝利〟。
少し純文学風の読了後に考えさせられるものという意味では〝安楽死は尊重されるべきか〟〝人の本質は善なのか、悪なのか〟などですね。
こういうものが何故嫌われるかというと、右か左かのポジションをとるからです。
例えば上の例でいうと、自殺は個人の自由として尊重すべきだと作品で語れば、そのメッセージに強い共感を示す人も居れば、この作者はなんてことを言うんだ!!と怒りを覚える人も居ますよね。
特に今のウェブ小説の流行に乗りたいならば、メッセージ性とかは意識しない方が無難に結果は出やすいかとは思います。
いわゆる、テンプレという型に忠実に合わせて、登場させるキャラも一定のセオリーを守っているものであれば、ジャンルとして嫌われることはあっても、読んだ時にその作品自体に反感を覚える人は少ないからです。
ですから、メッセージ性を込めるというのは、どちらかというとウェブで人気の出やすい作品よりも、自由度の高い文芸や昔ながらのライトノベルを書く人向きの武器とは言えるかと思います。
メッセージ性は確かに扱いは難しいのですが、うまく込めることができれば、とんでもない爆発力の武器にもなります。
大ヒットした作品が、ファン達によって完結した後も、あれはこうだったとか、あそこでのあいつの行動は間違っていた、いいや、あれは後のあれのために必要なことだったんだよ……こんな風に議論が交わされるのは、それだけその作品に考えさせる力があった証拠です。
■自分の中に沢山の答えを持つ
私は、自分の作品には、ちょっと暑苦しいくらいにメッセージを込めて、我も出していくタイプです。
界隈の創作テクニックの話で、読者に説教する作者は嫌われるというあれそのものです。笑
これは作品で別に高い評価をいただいてるわけではないけど、メッセージは死ぬほど込めてきた、読者に親御さんから苦情が来るくらい説教してきた私の伝えるテクニックです。
それは自分の中に沢山の答えを持ち、自分の価値観と哲学を形成することです。
まず、あなたが人を言葉で操るプロの詐欺師でもない限り、作者の中で価値観がブレている状態では、人の心を動かすことはできません。
大半の人というのは意外と正直で、本当に良いと思わないものを心から勧めることなんてできないんです。
想像してみてほしいのですが、例えば自分が仕事だけで手一杯になっている時に、友人から副業しないと収入的にキツいんだけど、なかなか腰が重くてねと語られて、その時にあなたは友人の背中を押すために前向きな言葉をかけたり、根性論を振りかざせますか?
大半の人は、それが友人のために必要だと思っても、自分も仕事から帰ったら寝る以上のことはできないしなぁと思ってしまい、共感を示すこと以上はできないはずです。
ですから、まずはいろんな考えを吸収した上で、自分の中に細かな部分では変化はあっても、芯の部分は決して揺らがないという価値観を作ってください。
◽️自己啓発書を読む
いろんな考えを取り入れるのにお勧めなのは、少し意外かもしれませんが自己啓発書を読んでみることです。
自己啓発書は読者のマインドセットをより良いものにするために筆者の考え方が、とてもわかりやすく書かれています。
筆者の哲学を吸収できるのはもちろん、自己啓発書を書くような人達は人の心を動かすプロなので、読みながら人の心の動かし方が自然と染み付いてきます。
もちろん、自己啓発書の他に少し難しいですが哲学書なども良いですし、シンプルに熱いメッセージがあるという意味でラノベやマンガ、歌なども良いですね。
◽️スピーカーは最小限に
ここはテクニック面の話になるのですが、メッセージを伝えるスピーカー、作者の分身とも言える存在は最小限にした方が良いです。
出てくる多くのキャラにそれぞれの正義があるのは良いですが、書くのがライトノベルであるならば、その中で作者が示したい正解は一つに絞り、そこに読者さんを誘導した方が良いでしょう。
一番わかりやすいのが主人公ですね。
例えば、私の作品『UnderGround Magica』であれば主人公のクラウンには、世界中の相手にNoを突きつけられても、自分を信じる。
自分の人生を他者のためには生きないという強い信念があります。
彼は一章で自分とは真逆の価値観を持ったセルゲイという敵と対峙します。
セルゲイは一部の価値のある人間、組織、国家のような存続させるべきもののために他の多くの価値が低い人間は、人生を捧げるべきという思想を持っています。
セルゲイの考え方は悪には見えますが、完全に間違ってるとも言い切れません。
実際にそういう考えで動いている組織などは多くあります。
どちらかというと、クラウンの徹底した個人主義の方が現実で実現するのは難しいかなと思いますし、それが絶対正義ではありません。
実際にはある程度のバランスが必要でも、物語や自己啓発書などは極論の劇薬だからこそ、人を動かす力があります。
ですから、皆さんがメッセージ性を込めるときはそれに対する拒否反応が出るのも当然と思って躊躇わないでほしいです。
どう受け取るかは相手次第でそれをコントロールすることはできません。
私達にできるのは無責任に自分のエゴをぶつけることだけです。
◽️今日のまとめとアクションプラン
・作品にメッセージ性を込めるのは必ずしも良いことではない
・メッセージ性を込めるとは右か左かのポジションをとること
・メッセージ性は反感も買うが、上手く使えば強力な武器になる
・細部は変化しても芯の部分でブレない価値観を持とう
・自己啓発書、小説、マンガ、音楽などから様々な考えを吸収しよう
・メッセージを届けるスピーカーは最小限に
・無責任に自分の信じるエゴをぶつけよう
最後になりますが、私はエブリスタでファンタジー系を中心に執筆活動をしています。
エブリスタは、小説の書けるSNSのようなサイトです。
是非、こちらでも繋がってください。
小説も読んでくだされば、とても嬉しく思います。
それでは今日も昨日よりも、少しでも前に進める1日にしていきましょう!!