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初めてのフィルムロール

2018年7月に僕はフィルムカメラを手にした。

初めての、というのは少し語弊があり実際には「写ルンです」を何回か使用したことがあった。そこから少しずつフィルムの魅力に魅せられていったと思う。
この手のインスタントカメラは、フィルムが内蔵されており取り出せないため、実際にフィルムロールを手にすることができない。

僕が手に入れたフィルムカメラ、OLYMPUS OM-1 は一眼レフカメラであり自分でフィルムを装填する。最初のフィルムロールといっていいだろう。

写真というのは不思議なもので、撮った瞬間、現像してみた瞬間は最高だと思っていた絵が、時間が経って改めて見ると、とんだ駄作に思えてくる。また、その逆もまた然りである。

フィルムの場合、現像やスキャンやらでこの熟成期間が強制的に1週間ほどあり、しかもその間一度も写真を見れないことになる。フィルムの醍醐味かもしれない。

早速、熟成期間およそ2年、最初のフィルムロールをみていこう。
(肖像権の都合上、カットしている写真がある)

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当時は、渋谷にある 100BANCH が活動拠点だった。2F はガレージと呼ばれ、活動しているプロジェクトのボードがあった。なぜ最初の1枚がよりによって室内なのだろう。

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渋谷ストリームは、まだ開業していなかった。奥には建設中の渋谷スクランブルスクエアが見える。

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渋谷スクランブルスクエアの壁面。縦に走るスリットは、単純な長方形ではなく、下に向かって曲線を描きながらすぼんでいく。

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駅の反対側。青ガエルと親しまれているこの電車は、先日秋田県へと移された。ここハチ公口も再開発へ向けて準備が進められている。

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直線と曲線が織りなす絵を好んで撮っている。

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西武百貨店、お気に入りの1枚。

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スクランブル交差点もフィルムを通して見ると、一気に懐かしさにかられるのはなぜだろう。昭和の雰囲気すら感じる。

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このときは、工事で毎日のように道が変わっていたのを覚えている。ビニールで包まれた蛍光灯、プラグ。

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人工的な線に、自然光が人工的に射し込む。いまでも好んで追求する対象の一つだ。

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ヒカリエは、2012年に竣工している。渋谷再開発の象徴であり、他の建物より6年も先輩だ。

手元に見た現像されスキャンされた写真には、まるではるか昔からそこに佇んでいたかのように、曖昧の中に確実性を持って存在していた。
-「フィルム、記憶としての確かさ」より

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フィルムとは思えない解像感。

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ちょうど、100BANCH が1周年でナナナナ祭を開催していた。

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露出に自信がなかったのか、2枚撮っている。

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フィルムは、Superia X-Tra 400。現像は、ビックカメラにお願いし、デジタル化もフロンティスキャンによる CD 書き込みだ。

2年経ってもあまり撮る対象、興味の対象は変わっていないように思う。ただ、こうして振り返ってみると朧気な光景だったものが、解像感を持って脳裏に浮かぶ。フィルムという外部記録装置に、記憶を圧縮して保存する。熟成により、多少の変化を伴うことがあるので注意が必要だろう。



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