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ダイバーシティの前にまずはインクルージョンを【事例研究】#26

こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。
ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。

インクルージョンがダイバーシティを創る

ダイバーシティがなじみにくい業界の企業に対して、
ダイバーシティをどのように捉えるべきか悩んでいた時に出会ったのが、
サイボウズの代表取締役社長・青野慶久さんのコメント。

順番が逆なんですよね。インクルージョンを追求していくと、多様な人が集まり自然とダイバーシティになります。「誰もが働ける組織」を目指すのが先。いろんな人が集まってきた結果、カオスになってもいい。むしろカオスなほうが、それぞれの個性が発揮できます。そのカオスをまとめるのが、私たちは何のために働いているのかという「企業理念」です。常にそこに立ち返ることで、組織がまとまり、より強く成長していけます。

なるほど、ダイバーシティから始めようとすると、
「社員の属性を増やさなきゃ」が先行して、数合わせになってしまったり、既存の社員にとって自分事化できなかったりしますよね。
「インクルージョン」は、簡単に言うと
「みんなの意見が反映される組織」「みんなの強みが活かされる組織」
ですから、みんなに関係があり、プラスに働くであろうトピックです。
まずはインクルージョンから始めてみよう。これは分かりやすいですね。

事例研究:サイボウズ

そんなサイボウズでは、
「100人いたら100通りの働き方があってよい」をテーマに、多様な人事施策を実施しています。

働き方宣言制度(2018年~)
2007年から、ライフステージの変化に合わせて働き方を選択できる人事制度をスタートしました。育児、介護に限らず、通学や副(複)業など個人の事情に応じて、勤務時間や場所を決めることができます。2018年4月より、時間と場所で区切られた9分類から選ぶ、従来の選択型人事制度は廃止し、新たな人事制度「働き方宣言制度」の運用を開始しました。新しい制度のもとでは、一人ひとりが「自身の働き方」を自由に記述するスタイルで宣言し、実行しています。
育自分休暇制度(2012年~)
サイボウズを退職する人に「またチームに戻れる」という安心感をもってチャレンジしてもらうことが目的の制度です。利用希望者は、最長6年間はサイボウズへの復帰が可能です。

働き方宣言制度は、コロナ前からなので、いち早い動きです。
育自分休暇制度については、退職が増えてしまわないか心配になりますが、同社によると、「離職率が28%と過去最高を記録した2005年以降、組織や評価制度を見直し、ワークライフバランスに配慮した制度や、社内コミュニケーションを活性化する施策を実施した結果、現在の離職率は3-5%程度となっている」そうです。

インクルージョンはリーダーの務め

こちらも偶然出会った書籍「The Diversity and Inclusion Handbook 」。
インクルージョンを実現するための27の方策が挙げられていますが、
その最後の27番目はこのような言葉でまとめられています。
職場をインクルーシブにするのは、リーダーや管理職の務め。
take noteしておきたい言葉です。

Essentials of 27​  INCLUSIVE LEADERSHIP
27. Embrace the diversity around you. And remember that making inclusion a workplace reality ultimately is your responsibility as a manager … and as a leader.


「部下からの批判は上司の創造性を高める」という研究結果もあります。
まずは身近なインクルージョンから取り組みたいですね。

【参考・引用】

The Diversity and Inclusion Handbook (Leadership and Talent Development Books-Read in under 30 minutes! 4) (English Edition)
著者:Sondra B. Thiederman
出版社 ‏ : ‎ The Walk The Talk Company
発売日 ‏ : ‎ 2012/10/2

サイボウズ株式会社:ワークスタイル
https://cybozu.co.jp/company/work-style/

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