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サクセッションプランとバーンアウト【DE&I#14】

こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。
ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。
今回は気になった記事をご紹介します。

サクセッションプランの重要性

サクセッションプランとは、後継者の育成計画のことを言います。
ダイバーシティの文脈では、「サクセッションプランが多様性を考慮したものとなっているか」という点が重要となります。
コーポレート・ガバナンスコードにおいても、サクセッションプランは注目テーマの一つとなっています。

サクセッションプランに関して、
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー21年11月号で、
「CEOの後継者をどのように見出すべきか」というレポート記事があり、大変興味深かったです。
サクセッションプランが不十分であり、多くの企業が不用意に社外からCEOを採用していることが述べられています。

クラーナとノーリアは、さまざまな形でのCEOの交代が営業利益にどのような影響を与えるかを、200の組織で15年間にわたって検証した。(中略)
彼らの研究によると、社内の人材は全般的にはあまり業績を変化させない。これは当然ともいえる。同じ会社で似たような人物が同様の形で仕事をすれば、同様の結果が生まれるはずだ。
 一方で、社外の人材が就任すると、変化はずっと激しくなる。業績がひどく低迷しているという数少ないケースでは、社外の人材が、平均でみると大きな価値を生み出した。しかし、比較的好調な企業では、社外の人材は大きく価値を損なった。この研究結果が示すのは、新しいCEOを社外から採用すべきなのは、事業の再建や企業文化の改革が必要であるなど、例外的なケースだけだということである。
こうしたマイナス面があるにもかかわらず、企業幹部報酬のデータベース、エグゼクコンプのデータによると、S&P1500は2014年から2018年までの間、26%のケースで社外の人材を選んだ。

2018年の少し古いデータになりますが、経済産業省のデータによると、サクセッションプランが何らかの文書として存在していると回答した企業は、全体(東証1・2部上場企業)のうち、1割程度であったそう。
日本全体の課題と言えそうです。

バーンアウトの防止策

バーンアウトとは「燃え尽き症候群」のこと。社員の退職につながりうる重要な課題のひとつです。
かく言う私もバーンアウトを理由に会社を辞めました。
あなたのチームにもバーンアウトが心配になるメンバーがいるのではないでしょうか?

そうした方にお勧めしたいレポート記事が、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー21年7月号の「本人の努力だけでは解決しない 職場で従業員のバーンアウトに対処する方法」。
バーンアウト防止のための最たるものとして「業務量がこなせる範囲である」とした上で、会議運営に注目しています。

業務量絡みで何より目立つのは会議疲れである。組織が真っ先に対処すべき課題だ。対処に乗り出すに当たっては、次のような簡単な手順を踏むと良い。

①「この会議は必要ですか」と問いかける。
②答えが「はい」ならさらに質問する。
・オンライン会議である必然性はあるか。
・30分以上を費やす必要があるか。
・不可欠な参加者は誰か。
・カメラをオフにして写真やアバターで代用してもよいか。
・スクリーンから離れる時間が切実に求められるため、音声だけの会議でも 
 良いか。
③会議の冒頭で次のことを実践する。みんなの気分はどうか、会議に出ずっぱりの参加者はいないかを確かめる。主催者は終了時間の5分か10分前にタイマーをセットして、少し早めに退出するメンバーに時間を告げられるようにしておく。

オンライン会議の定着により、参加できる会議が増えた結果、会議疲れが増している気がします。
会議の取捨選択、心掛けていきましょう。
上席者であれば、その会議のレベル感(重要度合)をチームメンバーに事前に共有していきたいところですね。

【参考・引用】
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー21年11月号
出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社
発売日 ‏ : ‎ 2021/10/8

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー21年7月号
出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社
発売日 ‏ : ‎ 2021/6/10


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