【連載小説】蜘蛛の手を掴む<第四話>
千堂寺譲一は見逃さない「ここにいたのは、全員呪現言語師ですか?」
「ひとりか、ふたりか、全員か、わからん」
千堂寺譲一は、遠くを見ている。音丸慎吾には目も合わせない。わざわざ呼んだのだから、椅子ぐらいだしたらどうだ、お茶ぐらいだしたらどうだと、千堂寺は考えていた。
「で、その呪現言語師ってのは?」
「あ、コトダマってわかるか?言霊」
「ええ、言葉にすれば、叶うみたいな」
「まぁ、ちょっと違う。言葉には霊力が備わってる。で、これが言霊。それを具現化するのが呪現。呪うに現在の現