不動産業での独立開業を振り返る

私は「中古住宅再生業」をメイン事業とした不動産会社を興し、開業7年目に突入し、そこそこに稼げている状態です。(お給料でいえば、サラリーマン時代の5倍以上になりました。)

中小零細企業の5年生存率は約3割と言われており、そうした事実を鑑みると、私の会社は、有体にいって「成功」している部類に入る、少なくとも上位10%の優良に経営がなされている会社と言えます。

「独立・開業」をする目的は十人十色でしょうが、基本的な目的というのはサラリーマンで働くよりもより多くの「お金」や、より多くの「時間」、より多くの「やりがい」を得るために独立するはずです。要するに、サラリーマンの時よりも「幸せ」になりたい、なれると思うから独立するわけです。よって、お給料がしっかりと確保できて、リスクが無であるのなら、誰しもが会社に縛られず一人でやっていきたいと思うはずです。

しかし、現実には「独立・開業」というのは、給料は保障されないし、リスクは大きい、よほど能力値の高い人でもなければ無策で独立しても上手くいくことはありません。独立する人達というのは、基本的に周りの人間と比べて一定以上優秀な人たちが多いわけす。更に、その優秀な人たちが知恵を振り絞り、汗水たらして競い合って経営を行っているわけで、凡人が無策でそんな世界に飛び込んでいっても勝ち目はありません。

故に、「独立・開業」をするにあたっては、綿密な計画を立てることが非常に大事になってきます。

経営の成功の秘訣は綿密な経営計画・行動力・継続力です。

本記事では、私が独立に際して、

・独立を志したきっかけ

・独立前の勉強、独立をする業種・市場の選び方

・独立直前、直後に気をつけたこと

・独立後の経営手法について

について、普遍的な内容ではありませんが、私はこのような道を辿ってきたという体験記のような形で書いていきたいと思います。

成功の近道は上手くいっている人間の真似をすることです。

市場・業種の違いで、ソックリそのまま私の考え方・手法を取り入れることが出来ない場合もあると思いますが、うまくピックして取り入れて頂ければと思います。


独立を志したきっかけ(ちょっと長めの自分語りですw)


私が独立を志したのは25歳、大学7年生(笑)の頃でした。

理系出身の私ですが、小さい頃はエンジニアになるのが夢でした。大学も工学部に入り、将来はiphoneなどの革新的なインターフェースを創り出すことを夢に見ていました。

が、私は性格的に非常にいい加減でだらしなく、バイトとサークル、麻雀にはまり速攻で留年しました。(恥) また難易度が段違いにあがる大学数学を予習復習無しでこなそうとしていた私(とにかく勉強嫌い)は、授業に全く付いていけなくなり、段々と授業に出なくなりました(汗)

その後良き教授と出会い、色々と意識改革をして頂き、無事卒業の見込みがたちましたが、その頃はバイトなどを通じて自分の適性もわかり、技術職というよりはなんとなく営業系、接客業系で働く方向性の気持ちを持っていました。

その後、これからの自分の進む道を決定づける出来事が起きました!

卒業年次にも関わらず就活のしの字もしていなかった私。春休みになり実家に帰りました。すると。。。

父親「しおいぬ!アパートを競売で落としたからリフォーム手伝え!」
しおいぬ「はぁ???????」

話を聞くと元々父は飲食店を経営する傍ら、飲食店で得た利益で立地の良いテナント系収益不動産を購入しては賃貸にして貸すことを20年以上続けていたとのこと。飲食店経営をリタイアしてヒマになったので、今度は賃貸用アパートに挑戦をすることになったとのこと。

大丈夫なのか・・・?と不安に思いながらも話を聞くと、経営企画自体はどんぶり勘定ながらもまっとうな感じ。
(物件購入金額諸経費を含み1700万円、総リフォーム費用1500万円、年間賃貸収入800万円弱、表面利回りは25%over、築18年鉄骨造で24室、全部空室のみネック)

このアパート、今にして思えば超絶優良築古アパートです。(リフォーム前の表面利回りは周辺相場と同等で計算すれば70%近いです。)

当時はリーマンショックで不動産市場が非常に冷え込んでおりましたので、入札者数が少なく、入札金額も非常に低く各社抑えてきており、結果、とんでもないおいしい値段で落札できたわけです。(不動産と全く関係ない話ですが、この経験をしたことにで、「株は不況で買え」を実践することができ、その後株式投資で6000万程の利益を得ることができました。)

春休みの間という短期間ですが、 父親の手伝いとしてリフォームに参加しました。

外壁塗装をして生まれ変わったアパート、リフォームの楽しさをこの時初めて実感しました

解体ゴミ処分、クロス・フローリング貼り替え、水回り設備を問屋から一括購入で値下げさせて購入その後設置などを、基本的に大工さんを雇っての自主施工で実施。昨今流行りのDIYリフォームのレベルを超える作業を3週間程手伝いました。(今思うと1棟アパート購入一発目からここまでやるとは・・・、親父恐るべしです。)

その後、私は大学の授業が始まり現場を離れましたが、3か月後完成したアパートは自分が手伝ったこともあってか、建ち姿には後光が差しておりました(笑)

競売での落札金額も安く、リフォームも大部分が自主施工だったので、割安賃料で募集できた結果、2か月足らずで満室経営となりました。また、利回りも24%を確保できました。

さて、その後満室経営が決まった後、非常に面白い出来事が発生します。このことこそが自分の進む道を決定づけてくれた出来事なのです。

アパートが全室埋まって2ヶ月程経過した頃、丁度私は夏休みで実家に帰省しておりました。するとある不動産営業マンが買付を持ち自宅に訪問してきたのです。

営業マン「しおいぬパパ様の所有しているアパートを4500万円で売って頂けませんか?」

私はアホか?と思いました。

だってこのアパートのかかった費用は、リフォーム費含めて約3200万円
リフォームの日数は競売での取得日から約半年です。
リフォームも実際の実働時間は3日に1日程度の労働力です。
つまり利益は4500万-3200万=1300万

おいおい単純計算で1300万÷60/365(実働60日)で年収7800万になっちまうよー!

当時は短期譲渡がどうとか、仲介手数料とか、各種諸経費など知りませんでしたから、そのように単純に計算しましたが、独立した今でさえもこんな案件があれば年間2本で弊社の営業粗利の目標数字は達成してしまいますから、 相当においしい話なわけです。 (4500万でアパートを買って、表面18%でフルリフォーム済み、満室稼働。買主側もとんでもなくおいしいです。)

結局お世話になっている税理士の人にも相談し、税金などの関係から売らない方向になりました。

しかし、自分はこの一連の流れを見て、体験して思ったのです。

「不動産って、、、ビジネスって、、、面白れー!」

今まではサラリーマンという働き方で自分は生きていくのだろうという感覚しかもっていませんでした。しかし、これらの出来事を体験して、自らビジネスを動かして儲けを得るという経営者としての働き方のほうが楽しい気がする!と感じ始めたのです。

この時が「絶対、俺は将来独立するぞ!」と心に決めた瞬間でした。

私の人生の中で最も大きな「儲け」が産まれたのを見た瞬間でした。

その後すっかりやる気になった私は半年で宅建、マンション管理士、管理業務主任者、2級FP、簿記2級と資格を連続で取得していきます。

大学卒業後は、不動産業と営業スキルを最も効率よく勉強、理解できる「不動産売買仲介業」の会社に入り、その後、現在の不動産業界の中で最も成長性の高い市場である「中古住宅再生業」で独立することに決め、完全に独立前提での勉強のために中古住宅再生業で全国売上1位の「株式会社カチタス」に入社。2年でノウハウを完全に覚え独立しました。

以上が、私の独立を志すきっかけとなった出来事です。(大変長くなり申し訳ございませんw)


次回は、独立前にした勉強、独立をする業種・市場の選び方について書きたいと思います。

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