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先週の信州ダービーで感じたことについて議論します

前回書いたnoteがやたらとバズったようなので落ち着いたところで有料記事に切り替えました。

山雅側からしたら日曜ナイターなのでアクセスどうする?ということで、第三者からしたらダービー前の煽りということで見られたようです。
1枚のピザを作ったつもりがいつのまにかハーフ&ハーフになってたという感じです。

自分は学生時代、国語で「文中から作者の気持ちを読み取りなさい」的な問題が苦手だったんですが、いざ作者の側になると誰も自分の気持ちなど読み取れないということがわかりましたね。
読み手によってこうも内容が捻じ曲げられてしまうということで、面白い経験をさせてもらったなと思います。

そんなことより信州ダービーですが、実際現地に行ってきましたのでかなりマニアックな目線で書いておきたいと思います。ついてこられる方はどうぞ。

前回記事は大きく3つの話題を取り上げましたので1つづつ振り返っていきましょう。

・アクセス問題(駐車場、シャトルバス、電車)

迷惑駐車というのを全然聞かなかったような気がしていますが、みなさんどこに車を停めたのでしょうか(笑)
後述しますがシャトルバスも問題なく運用できていたようですね。
あと帰りの松本方面の電車も無事乗れたのでしょうか?

・スタジアム(入場列、スタグル、トイレ、座席)

入場列についても後述します。
スタグルとトイレはどうだったでしょうか。
列ができるのはある程度予測できていたとは思うんですが、許容の範囲内で収まったということでしょうかね。
自分が気になったのは、人が動く時間が早すぎて後から来たスタグルの車が待機列横の動線部分をを堂々と突っ切っていくところがなかなかだったように思いました。

席のほうはどうだったでしょうか。
ある程度の立ち見はあったとしてもほとんどのお客さんは座席に着けていたように思います。
当日の入場者数は13,244人、収容率は85.4%でしたから、サンプロアルウィンと違って全席個席ですので、理論上は全員座席につけていないとおかしいはずです。

これは自分の考えなのですが、「買ったチケット」と「招待券」の違いについて。
自分でお金を出してチケットを買うと特別な理由が無い限り「行かない」という選択肢にはならなくて、招待券ほど「行かない」という選択をする可能性が高くなるのかなと思っています。
チケットを買っていると行かないだけで損になりますし、逆に招待券は行かなくてももらった側が損をすることはほとんどありません。
そこに自分の考えを当てはめてみると、満員のスタジアムで全員がチケットを買うと全員来るのでスタジアム全体の快適度が下がり、逆に満員のスタジアムで招待券の割合を一定数設けていると、招待券の人が来なければ来ないほどスタジアム全体の快適度が上がるということになります。
ちょっと何言っているのかわからないのでこれも参考にしてみてください。

Jリーグに限らず、全国どこのプロスポーツクラブにおいて招待券を配布しても実際スタジアムには足を運ばないというお客様が多いなかで、これだけの方が長野Uスタジアムに足を運んでくれたわけですから、いかに信州ダービーというブランドが通用するかというのがわかったような気がしています。

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入場列問題は結構気にしていた人もいましたのでまとめてみましょう。

一般の開場時間は16時15分でした。
私独自の調査だと待機列の解消時間は
松本側(アウェイ自由席)17:20ごろ
長野側(ホーム自由席) 18:50ごろ

半ばキックオフまでに何とか押し込んだと言っても過言ではないのかもしれません。

最後尾が第3駐車場
待機列の長さ(推定)

推定される待機列の長さはご覧の通りです。
実際入場口から第3駐車場の最後尾まで歩いてみましたが、いやあ、なかなか辛いっすね。
これ毎試合だったら次の試合はいいやってことになるかもしれません。

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山雅の場合はシーズンパス特典の先行入場があるのですが、過去には先行入場も先着順に並んで待っていたことがあります。そのため18時キックオフなどのナイター試合の場合は朝から長時間並ばなくてはいけないため、待機列の抽選を導入したのです。それが2013年6月でしたからもう今年で9年目になるんですよね。

その8年のあいだにミスやトラブルもありましたが、今では先行入場から一般入場開始の30分の間で先行入場の待機列をすべて解消させるところにまでできているのです。
抽選もかつては抽選ボックスで抽選券を引いて行う抽選から、ワンタッチパスの機械を使用した抽選、今ではJリーグアプリを使用した抽選にまで進化を遂げています。
並ぶのは致し方ないところではありますが、普段人数多くないのに多客期だけ朝から先着順に並ばないといけないクラブのファン・サポーターのみなさんは、正直しんどいですね。

これは相手だけでなく山雅側もそうだと思っています。
ホームはシーズンパス保有者なら抽選を受けられるけど、アウェイ試合は相手クラブの観戦マナーが適用されるため、どうしても先着順で並ばないといけないわけです。
もしかしたら、いまでも真のサポーターこそ朝早く並ぶところから闘いが始まっていると考えている人がいるかもしれません。
並ぶことを否定するつもりはありませんが、どちらかといえば、長時間並んだうえに肝心の試合の時間になったら疲れ果てて体調を崩してしまうほうが残念だと思うんですよね。
なので、列に並ぶことに体力使うより試合時に全力で応援することに体力を使ったほうが良いと思うのです
試合後に信州ダービーについてファン・サポーターから感想が多く出なかったのって、試合結果が引き分けであったこともあるのでしょうが、昼から並ばされてみんな試合後にただただ疲れ果ててしまったのではないのかなとも思っております。
抽選も全部が全部必要だとは思いませんが、アウェイの試合でも人数多い場合はお互いのクラブで協力して公平に抽選にならないかなーと思いつつも、自分は本当に並ぶことが得意ではないことが判明してしまったので今年のアウェイはもしかしたらこれで終わりなのかなーとも考えたりしてます。
サッカーも90分フルに全力で走る選手はいないと思っていて、いかに抜くところを抜いて、重要な場面で力を出し切ることのほうがパフォーマンス良いですからね。
力抜いても良いところで力抜かずに全力で行くのも良いのですが、それによって後半疲弊してしまい、肝心の場面で力を発揮できないことのほうが本人にとっても残念に思います。
みなさんはどうお考えでしょうか。

・帰りのアクセス
わりと最後のほうでスタジアムを退出したのですが、21時20分くらいには9割以上の人がスタンドからいなくなりましたね。
試合結果によって人の流れって変わるのですが、もしかしたら試合結果を待たずに退出していた人も少なくなかったのかもしれません。

・シャトルバス

私の予想とは裏腹に、かなりスムーズに運行されていたようです。
以前シャトルバスはスムーズに運行できるの?と書いてましたので

問題なく運行できてて予想外れてざまぁww

と思っている人もいるかもしれませんが、そもそも考えが違うんですよね。

前にも書いた通りシャトルバスの乗降り場が変わっていたこと。
国道18号により近い第3駐車場を使用していたのでバスの出入りがスムーズにできていたわけです。
ならばこれでいいじゃん?と思うかもしれないですが、そもそも本来のシャトルバス乗り場はスタジアムのゲートの近くに設置されているんですよね。
普段は使っているのに、満員になったら使えないってそもそもどうなの?と思うのです。

実はサンプロアルウィンにもシャトルバス乗り場を想定して作られた場所があるのですが、結局そこは使用されずに今は第12駐車場をシャトルバス乗り場にしています。

松本山雅FCホームページより

スタジアムに常設されているチケット売場もほとんどのスタジアムで使われていないのと同じで、作ってあるもののいざ使ってみると不便で使われなくなったものって結構あります。

よく見ると長野Uスタジアムのシャトルバス乗り場にあるシェルターって寄贈品なんですよね。せっかく寄贈してくれたところが満員時には使えないというのが個人的には残念に思いますし、できないのは仕方ないとしてもなんかそういう配慮って必要なのかなとも思ったりしています。

通常時のシャトルバス乗場
スペースがなんかもったいない。。

そんななかでふと2018年のことを思い出しました。
アルウィンが芝の張替えでホーム開幕戦ができないということで長野Uスタジアムでホーム開幕戦をできないかと聞いたところ、芝の状態が悪いため試合ができないとのことでした。

幸い当時の山梨中銀スタジアムをお借りできてホーム開幕戦を開催できたわけですが、もし仮に長野Uスタジアムで試合開催をしていたら、もしかしたら1万人開催のノウハウも共有できていたのかなとも思ったりしました。
たらればですけどね。

そう考えると、改めて松本山雅のホームゲームはよくできているということではないでしょうか。
待機列も先行入場の列を30分以内に収め、一般入場もよりスムーズに入場してもらえるようチームバモスは努力しています。
シャトルバスも試合後はお待たせすることもありますが、基本は「無料」です。
そして、もっと評価されていいのがゴミ箱ですかね。

山雅後援会のYell事業によって、ごみ処理費用が0円かつ、適切な管理をされています。
実は過去、山雅も配布物によってご迷惑をおかけしたこともあります。
なので他所のことはあまり言えないんですけどね。。
パルセイロのホームゲームって基本、ゴミ箱が設置されていませんから、なおさら配布物が配られてゴミ箱が設置されればゴミ箱があふれかえるのは簡単に想像できます。
難しいところですね。

そんな目線でホームゲームを楽しんでもらえると、なんだかんだでやっぱりサンプロアルウィンでの松本山雅の試合は最高だね!と思ってもらえるようになるのかなと感じました。

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ここからはスタンドで感じた雰囲気を私独自の感覚で書いてみたいと思います。

・40 : 25 : 35
スタンドの雰囲気は長野4割 松本2.5割 中立3.5割という感覚を受けました。さらに言えば中立の3.5割のうちの半分は特にどちらも応援していないけどホームだから長野を応援する、そんな感じをアウェイスタンドから受けましたね。
長野Uスタジアムでの開催ということでオレンジが多いように見えましたが、こんな感じなのかなという印象でした。

その印象を受けた理由が2つ。

ひとつは山雅の選手紹介で、昨季まで所属していた山本龍平選手の紹介時のリアクションですね。応援している方なら昨シーズン所属していたことは存じているはずです。

それから、ハリセンですかね。普段応援されている方なら太鼓に合わせてハリセンを鳴らせるはずなんですが、そんな一体感の帯びたハリセンの怖さはアウェイ側からしたらほとんど感じませんでした。

ここで敢えて自分たちのことを言わせてもらうと、やはり旗の存在と拍手の力は大きいように感じました。アウェイ、しかもチケット争奪戦に勝って昼から並んでいたわけですから気合が違うわけですね。

さてここでひとつの疑問です。

もしどちらかが勝っていたら、その中立で来た人たちはそのチームのファンになっていたのか?

私の答え
それは無いと思います。

もちろんチームを応援するきっかけって人それぞれなので、これがきっかけにファン・サポーターになる可能性も考えられますが、自分はそうは思いませんでした。

その理由として、 中立を見に来ている3.5割の人たちって、山雅でもパルセイロでもなく信州ダービーを見に来ている人たちだなと思ったのです。
いわゆる「ライト層」ですよね。
だから、どちらも特別応援しているというわけでもないし、どちらかをひいきするということにもなりにくかったのかなと思ってます。

ウルトラマンの映画を見に映画館へ行く人はいても、そこでウルトラマンを見たことがきっかけでそこの映画館の常連になるとはなかなかならないのと同じだと思ってます。

そもそも、長野県にいてもガンズくんを知らない人たちは数多くいるわけですから、ぶっちゃけ長野県内ですらまだまだ松本山雅を知られていないのかなとも感じました。
(なぜ試合前にガンズくんはガンズと呼び捨てにされたのかが今でも疑問で、やはり相手からしたら知られていないからなんでしょうねえ。。)

それと、やはり入場前の列ですかね。
サッカー観戦で多観客の試合では入場までに時間がかかるというイメージがついてしまったのかなと思いました。
帰りのアクセスが良かっただけに、改善はできるのかなとも思っていますが、果たしてどうでしょうかね。

お互い共に信州ダービーがきっかけでファン・サポーターが増えるとは考えにくいですが、それでも観客数はデータになるのでシーズン終わればその検証はできるはずです。

とはいえ信州ダービーという名目でライト層をスタジアムまで足を運んでもらえたこと自体は有意義だったのかなと思いました。

21時03分に撮った画像
2階席はほぼ空きが見られました

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話はまた変わって、2021年の年初にこんなことを書いていまして、そのひとつに長野のライバルは松本では無いと書きました。

そのライバルというのが信州ブレイブウォリアーズなんですよね。

なんでサッカーのライバルがバスケなの?と思う方も多いと思うんですが、最近のクラブ規模を比較してみましょう。

長野 5億6400万円(2020年12月期)
信州 5億300万円(2021年6月決算)

松本 19億2800万円(2021年1月期)

まず突っ込まなくてはならないのはなんで松本はこの規模でJ3に落ちてんの!ということですね。
それは昨シーズンオフに散々突っ込まれたのであえてここでは触れないようにします。
自分達にとって都合の悪いことはどんどん隠していきましょう^^

で、本題です。
この数字をみてどうでしょう。
パルセイロとウォリアーズの経営規模が同じになってきているのですよ。
単純にウォリアーズがB1でトップリーグにいるからだけではありません。
実は2026年からBリーグは新Bリーグに移行するんですよね。

ざっくりいえば、新Bリーグというのはオン・ザコートではなくオフ・ザコートの結果、つまりクラブの経営規模(売上)、ブースター(ファン)、アリーナの規模によってカテゴリーが決まるのです。
その新B1への入会の目安が売上12億、1試合平均4,000人、アリーナなのです。

そしてウォリアーズはあと2年でこの条件をクリアし、2026年からの新B1に滑り込もうという大きな目標を掲げているのです。

https://www.b-warriors.net/lp/crowdfunding

仮に売上12億、1試合平均4,000人をクリアすると、今のパルセイロを超えてしまうんですよ。
で、アリーナで使用しているホワイトリングが2027年の長野国体に向けて改修に入るという話があり、それに合わせて新B1基準に向けた改修も一緒にするのではないかという追い風もあるほどです。

しかもですよ。
長野Uスタジアムとホワイトリングを比べてみましょう。
長野Uスタジアムは周辺駐車場が少なく篠ノ井駅から有料のシャトルバスです。
ホワイトリングへは公式の有料駐車場があり長野駅から無料のシャトルバスです。
みなさんがライト層でしたらどちらに行ってみたいと思いますか?

自分が長野のライバルは松本では無いと言っている理由はこれです。
サッカーをやっていたからサッカーを見るだろう。
バスケをやっていたからバスケを見るだろう。
そんな時代はとっくに終わっています。
地域プロスポーツは、いかに興味のない人を巻き込んで発展していくかにかかっていると思っています。

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そんなことより果たして10月30日のホーム長野戦、信州ダービー第2戦はどうなりますでしょうか。
そのためにもまずは5月30日のホーム今治戦で明治安田生命J3リーグ戦、久しぶりの勝利といきたいところですな^^

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