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私がサンプロアルウィンに知人を呼べない3つの理由

実は今年1月にこんな記事を書いていたのですが、いろいろとタイミングを探っていたら思わぬ事態になってしまい公開を見送っていました。

取り上げたいのはアルウィンを満員に!してきたうえでの課題なのです。
むしろコロナ禍で大変になってしまったからこそ、見つめ直すいい機会なんじゃないかなと思ってます。

今年2月くらいの気持ちで読んでもらえるとありがたいです。

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松本山雅FCの2019シーズンは、2度目のJ1のステージでした。
観客動員は過去最多の動員。

(松本山雅FCより)


満員のアルウィンを目指してきたクラブとして、ある程度の目標は達成したとも言えるでしょう。

その反面、タイトルの通り、ここ数年私はサンプロアルウィンに友人知人を呼んでいません。というか、呼ぶのをためらっています

今のサンプロアルウィンの状況で呼んでも、楽しんでもらえるかどうか不安なのです。

それは試合の勝ち負けだけで呼ばないということではありません。理由があって呼ぶのをためらっている状況なのです。

それは、今まで満員のアルウィンを目指してきて、伴ってきた痛みの部分でもあります。
完全に解決できるわけではないですが、今後緩和させることは十分可能でしょう。
みんながあえて触れてこなかった部分。
それを書いてみたいと思ってます。

そして、ほかのクラブも目指している

スタジアムの満員

それは果たして本当に良いことなのか?

あわせて考えてみます。

駐車場が無い


オフィシャルでは駐車場を用意していますが、どうしても毎試合迷惑駐車が発生しています。
かといって、何万台も停められる駐車場を確保できても、迷惑駐車がゼロになるとは思えないのです。
よく、交通アクセスの良い場所として駅の近くがあげられます。
たしかに良い案ではあるかもしれないですが、長野県は車社会の県です。
どんなに駅から近くてもスタジアムへは結局車で来ることになるため、スタジアム周辺の駐車場は埋まり、迷惑駐車の発生リスクも高まってしまうでしょう。
サンプロアルウィンの立地も、松本平広域公園の北側(端っこ)にあるため、隣接する西南公園の駐車場にどうしても車を停められてしまいます。
マナーを守るのは大事ですが、いつまでも観戦者のモラルばかりに頼っていて良いのでしょうか。

駐車場問題はおそらく今後も解決のめどは立たないでしょう。
だからこそ、今でこそ当たり前となった無料シャトルバスの強みをもっと活かしても良いのではないでしょうか。
松本山雅観戦初心者の方に、サンプロアルウィンはシャトルバスで行くものと認知され、実践されれば、少しは足を運んでもらえるようになるのでしょうか…

座席が無い

(松本山雅FCより)

松本山雅FCのホームゲームの座席のうち、半分近くは自由席です。
こだわりがなければ、キックオフ1時間前でも座席はあります。とはいえ、もし自由席を買っても早く行かないと座れないという印象があれば、客足は遠のいてしまうのではないでしょうか。

実は、南側のゴール裏もキックオフ1時間前にも関わらず、ゴール裏は満席だろうと思われている傾向にあるのか、両端が空席になることもしばしばありました。
J2に降格したため、残念ではありますが2020シーズンの動員は間違いなく減るでしょう。そのため、すべての座席に余裕が出てくると思っています。
特に、平日開催試合は十分に空きがありますので、キックオフ直前でも座れる可能性は非常に高いです。

座席が無いのイメージを払拭するために、ぜひまたサンプロアルウィンに戻ってきてほしいと思います。
サポーターを呼べるのはクラブではなくサポーターです。
他人に任せていては誰も来てくれませんよ。

帰れない

ここの部分はあまり表に出ないですが、個人的にはいちばん深刻な問題だと思っています。
迷惑駐車対策として無料シャトルバスを用意したものの、試合後、シャトルバスに乗車するために1時間ちかく待たされる。
そのため、バスへ乗るのに時間がかかるので、試合終了前に席を立つお客さんも少なくありません。

映像は2019年8月31日(土)のホーム大分戦試合終了時点でのシャトルバスに向かう人達の様子です。
ちょうど試合終了のホイッスルが鳴る頃です。

結果は0-0のスコアレスドローとはいえ、みんなまるでサンプロアルウィンから逃げるように、何かを急ぐようにバス乗り場へ向かっていく様子がうかがえます。

↓光るプラカードの作成

ボランティアさんや運営側もシャトルバス回避策として大芝生駐車場への徒歩ルートを提案したり、クラブも有料の予約制シャトルバスを運用したりと努力しています。

私たちも協力できることは協力したいと思いますが…

大芝生駐車場への徒歩ルートは、ほぼほぼ信州スカイパークのマラソンコースを沿っていくので、だいたい20分ほどかかります。歩いても悪くはないですが、夜間は知らない人からしたら超がつくほど不安になります特にアウェイサポーターからしたら、歩いても歩いても駐車場に着かないうえ、どこにいるのか不安になって迷子になることもありえなくはないでしょう。

試合後に市街地で買い物してもらおうとか、観光してもらおうとか考えている場合ではないと思ってます。
とにかく帰りのシャトルバスの待ち時間でファン・サポーターは時間を大きくロスしています。バスを待っているその時間は何も生まれることはありません。

試合後もスタジアムに残れる環境を作って時間差で帰る…という話しも聞きますが、ここまで実践できていないということは、今後もできない可能性は高いということなんだと思ってます。

試合前は早く来るけど、
試合が終わったら脇目もふらず
さっさと帰るのが
松本山雅のホームゲームなのです。

試合後はいち早くスタジアム周辺からサポーターを脱出させないと、経済効果も何も得られないのではないでしょうか。

それならばいかに試合後アルウィンから脱出させるか。

となると、行きのアクセスより帰りのアクセスが今後の集客のカギになると思ってます。

なぜ満員を目指すのか

スタジアムが満員
→入場料収入アップ
→グッズ・飲食収入アップ
→クラブの価値高まる

ざっくりですがこれで間違いないでしょう。
お客さんが増えることがマイナスになることはほとんどないからです。

となると、実は…

スタジアム自体が満員の運営に対応していない

と考えます。

ただただ、座席数・収容人数という数字にとらわれすぎて、スタジアム内・外の環境が全く追いついていないのではないでしょうか。

行き、帰りのアクセス
スタジアム内の動線通路(コンコース)
トイレの数
飲食ブース
などなど…


あくまで推測ですが、満員を目指す理由として、プロ野球の事例が前提にあるのではと考えます。
週末のプロ野球はどこの球場もほぼほぼ満員となっています。
ただ、それはあくまで「プロ野球」という特殊な環境であって、Jリーグではほとんどマネできないからです。

野球の場合、競技のルール上、攻撃と守備がはっきり分かれます。これに合わせて、お客さんも攻撃時には応援し、守備時には席を立ち、買い物やトイレを済ますなどの行動に移ります。もし席を立っている間に盛り上がる場面があっても、1回から9回までイニングがあり、試合時間も1試合あたり平均3時間はあるので、良い場面を見逃しても次に期待ができます。
お互いのファンの行動の時間がずれるので、飲食やトイレが混雑しても回転が早いので、球場が満員でも十分成り立つのです。
帰りの時間も、試合展開によっては7回を過ぎると帰る人もいれば、延長もあるので割りと分散傾向にあります。それに、ほとんどの球場の行きも帰りもアクセスが充実しているため、苦になることがほとんどありません。

一方のサッカーは、90分のランニングタイムなので試合から目が離しにくく、ゴールも決してたくさん出るわけではありません。そのため、試合前とハーフタイムにどうしても買い物やトイレに集中するのです。お客さん全員ではないとはいえ、その半分が動けば集中してしまうのは当然でしょう。
試合終了も、リーグ戦は90分とアディショナルタイムで完全に終了するため、試合後にほぼ全員が一斉にスタジアムから出てきます。それに、Jリーグのスタジアムは(1年に20試合前後しか試合がない影響もあり)まだまだ行きも帰りも交通アクセスが良くないところも多く、スタジアムから出るのに時間がかかるところも決して少なくはありません。
サッカーの試合で満員になりにくいのはそういうところなんだと思ってます。

アルウィンを満員に!と目指してきて、いざ満員となったらアルウィンの課題が浮き彫りになってきたのが今の松本山雅であり、サンプロアルウィンなのです。

だからこそ、今後は1人あたりの満足度を高めるチャンスなのでしょう。
松本山雅の場合は新規観戦者の割合が低いため、逆に考えれば1度来た客をもう1度呼び戻せないとこれからは難しいのではないでしょうか。

あまりに出来すぎた反町体制が終わり、今度こそ普通のクラブに向かっていく覚悟が私にはできています。

新潟や甲府の後に続くのか
さらなる発展を目指すのか

2020年は踏ん張りの年になりそうです。

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と書いたら、新型コロナウイルスの影響でそれどころではなくなってしまいました。

しかし、このようなことを書けるのはおそらく自分しかいないと思ったので、あえてこのタイミングで出そうと思いました。

まだまだ満員のアルウィンに戻る日は遠いですが、満員時のアルウィンの課題は残されたままでもあります。

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