原因よりもっと考えるべきこと-「嫌われる勇気」で知られるアドラーの教え-

#メンタルヘルス

私が学んだコーチングスクールでは、その方法論の中核にアドラー心理学を置いていました。『嫌われる勇気』ぐらいは私も、大学時代に凄く流行った本なので読んだことがありましたが、アドラーがそれ以外にも色々なことを主張していた人なんだと知れたのは、このスクールのおかげです。

人が幸せになるために、原因よりもっと考えるべきこと、あなたは何だと思いますか?

thinking time...












それでは答えを言いますね。

アドラーは、それは目的だ、と言っています。

ここからは私の解釈がかなり加わりますが、アドラーの「目的論」という考え方について書いてみます。

前提として、私は目的論に大賛成しています。私自身の経験に照らして、とても納得がいくからです。

再三書いている通り、私は9歳で小児白血病が再発し、骨髄移植をし、病気は治ったものの社会復帰にかなり悪戦苦闘しました。

この時、「どうして病気になってしまったんだろう」とか、「病気になってしまったから、それが原因で、スポーツができなくなってしまった」とか考えても、全く幸せには結びつかなかったんです。

そうではなく、「仲間と一緒に目標に向かって頑張るという青春がしたいんだ」という自分の目的を考えた時、吹奏楽部という選択肢が見えてきて、思い切って飛び込んだ結果、幸せ度がグンと上がったんです。

別にスポーツができなくても、幸せになる方法はあるんです。時間はかかりましたが、原因ではなく目的を考えた時、それに気づくことができました。当時、アドラーも目的論も一切知りませんでしたが、大人になってアドラーの目的論を知った時、過去の色々なことが目的論で説明できるな、と思いました。

考えなくてもよいことを延々考えて不幸になる必要は、ありません。そういうことは、目的に焦点を変えれば、次第に気にならなくなるものです。

数学の試験問題とか、プログラミングとか、完全にロジックが支配している世界では、原因論がある程度有効でしょう。でも例えば、人間関係についてはどうでしょうか。

よくケースとして出されるのは職場でのコミュニケーションです。部下が何か失敗をした時にその原因を追求する、それは上司として当然のことにも思えますし、怒りに任せて叱責したくなる気持ちも分かりますが、ちょっと待ってください。「失敗」というからには、部下が失敗した仕事には、何か目的があったはずですよね? そちらにフォーカスして、今から最短で目的を達成する方法を一緒に考えた方がよいのではないでしょうか? そして、それがひと段落したら、「同じ失敗をしない」という「目的」意識のもとで、必要最低限の原因分析をするでいいと思います。仕事の結果も、人間関係も、こっちの方が上手くいくのではないでしょうか。仕事って、案外ロジックじゃないと、私は思っています。

私も会社員なのでやらなければならないこともあるのですが、目的意識の無い反省会とか振り返り会とかは、暗い気持ちになるだけの最悪の取り組みだと思います。目的意識があればいいと思いますけどね!

今回はビジネスを例に挙げましたが、世の中的にはロジックがかなり信仰されているので、「案外ロジックじゃないこと」を探してみると、ちょっと面白いかもしれません。

人間は、探しているものを、見つけてしまうものだと思います。だったら、原因と目的、どちらを探すべきかは、明白ではないでしょうか?^ ^

それでは、今回も読んでくださって、ありがとうございました!

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