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WILD(野性)からWILL(意志)

(1/19/2009記)
Gary Snyderの「野性の実践」を読んでいる。彼は詩人で、ケルアックやギンズバーグらとともにアメリカのビート世代を代表する存在だ。「野性の実践」には、彼の考え方が文章の端々に詰まっていてとてもおもしろい。

言語学者でもある彼の言葉の考察はとても興味深い。彼の言う「WILD」はスピリット(魂)のようなもので、そのものに元から在る本質的な部分であると私は理解した。「WILD」の名詞形である「WILDERNESS」は「自然のままの未開の地」といった意味を持つ。「野性の実践」とは自我の奥底の自分自身、つまり自分なかの自然のままの未開な部分を自覚する方法を見つけて、動くことなのだ。精神の中にあるWILDは、直感的な洞察力や科学上の問題解決力や創造的飛躍の可能性を与えてくれるという。
こういった彼の考えを読みながら、自然の中に在るWILDと自分の中に在るWILDがぴたっと重なった。彼はWILLはWILDから派生した言葉だと言っている。WILD(野生)からWILL(意志)は生まれるのだ。自然の中の野性を大切にしないとしっかりした社会の意志は作れない。自分の中の野性を大切にしないとしっかりした意志は作れない。。そう思ったらWILD、野性という言葉がとても好きになった。

彼は12年間日本に住み、京都の大徳寺で禅の修行をしたそうだ。彼は日本について、「日本は私が山も都市も愛することを学んだ国」と言っている。それをきいてとても嬉しくなった。なぜなら、私も山も都市も好きだから。

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