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『迷うな打て!俺がリバウンドを拾ってやる』居酒屋でわんわん泣いた日

タバコの吸い殻が散乱する
ある中学校のグラウンド。


その吸い殻を何も言わずに
毎朝、黙々と片づける一人の体育教師。


学校は荒れ果てて、
生徒たちには夢も希望もない。


そんな生徒たちに
その体育教師が声をかけました。


『バスケットをやらないか?』


そんな不良たちに
その体育教師は、
毎日、毎日、夢を語り
続けていたそうです。


『市内の大会で優勝を目指そう』


と言った時、生徒たちは


『バカじゃないの?』


と言ったそうです。


その体育教師は
高い目標をかがげながらも、
あえて、勝てそうな対戦相手を選んで、
バスケットの楽しさ、
勝つ事の喜びを少しづつ、
生徒たちに伝えていったそうです。


やがて、生徒たちの目の色が
変わって本気になっていきました。



そのタイミングで、
練習をどんどん、厳しくしていった。



そんなチームがわずか
数年後、全国大会の決勝に
進むことになります。


そんな体験談を今やものすごく
社会的地位の高い人となった先輩から
聞かせて頂きました。



僕は現役時代にその先輩と
同じチームでプレーしたことがあります。


その時にめちゃくちゃ
叱られたことがあるんです。


調子がものすごく悪くて、
全然、シュートが入らない
日がながく続いたある日、
ぼくは思わず言ってしまったんです。




『僕をメンバーから外して、
  調子のいい人を使ってくださいね』




すると、先輩は

『今日、夜、あいてるか?』


と僕を居酒屋に誘ってくれて、
ふたりで飲みに行きました。



最初、雑談して楽しく
飲んでいたんですが、
突然、先輩が真剣な顔になって、


『お前、最近、調子悪いな』


と言ってきたんです。


『そうなんですよ。
 だから、いつでも、僕を
 メンバーから外してくださいね』



と言った瞬間にものすごい形相で


『ふざけるな!』


『お前にシュートを  打たせるために
 俺たちは動いているんだ』


『お前の調子が良い悪いは関係ない。
 お前の仕事はシュートを打つ事』


『落ちたシュートをリバウンドで
 拾うのが俺たちの仕事だ』


『シュートなんか、
 いくら外したっていい
  試合中はリバウンドが取れない
  俺たちに文句を言うくらいでこい!』



『お前がシュートを外して 
 負けたなら俺たちは納得する』


『迷うな、打て!』


『チームはそういうもんなんだ』


『一人でバスケットを
   やるんじゃない!』



普段、物静かな
先輩が本気で弱気な
僕を叱ってくれたんです。


僕は居酒屋で
人目をはばからず、
わんわん泣きました。


そんな先輩と一昨日、
久しぶりに会って話をしたんです。


その時の事をちゃんと
覚えていてくれました。


今でも何かに迷ったときは、
居酒屋で聞いた
先輩の声がどこから
ともなく聞こえてくるんです。



『迷うな、打て!』

『俺がリバウンドを拾ってやる』




人は人との出会いによって、
人生が大きく変わる。


あらためて、
強く感じた日でした。


素晴らしい先輩たちに囲まれて、
大事なことをいっぱい、教えて頂きました。


素敵な思い出を
たくさんつくることも出来ている。


自分のことを幸せ過ぎるくらいの
人間だなぁと思わずにはいられません。


『打たないシュートは
 絶対に入らない』


先輩に教えて頂いた事の一つです。

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