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目指すべきなのは『こいつと戦っても勝てないな』早い段階で相手にそう思わせること

孫氏の兵法『戦わずして勝つ』
という言葉を15年前に
ある社長から教えて頂きました。


最初、聞いた時は
ものすごく衝撃を受けました。
それまでは、絶対に負けたくない、
どうやって戦えば相手に
勝つことが出来るのかということ
ばかりを考え続けていたからです。


戦いの場で連戦連勝し続ける事は、
すごく素晴らしいこと。
でも、戦いというのは、
勝った方にも負けた方にも、
大きな損害が出るもの。


戦わずに勝つ事が出来れば、
無駄な労力や時間を使わない上に
何の損害も出なくてすむ。


今では何をするにもどうやったら、
無駄な戦いをせずにすむのかを
常に考え続けています。


人間にはそれぞれのタンクの中に
限られた時間やエネルギーが
与えられていて、それを
自分が好きなように、
好きなタイミングで使いなさい。
そう言われているんだと思っています。


そんな限られた資源を
無駄なことに使うような事は
なるべくしたくない。


先日、プライドを傷つけられたと
激怒している方がいました。


『それがどうした?』
と口には出しませんでしたが、


『限りあるタンク内の
 時間やエネルギーを
 無駄使いしているなぁ』


とは思っていました。

間違っても
『やり返してやろう』
なんて思わない事を祈るばかりです。


もちろん、ライバルと
しのぎを削ったり、
負けたくないという気持ちが
大きなチカラを生み出す事も多い。
絶対に譲れない、
譲ってはいけない事もある。


生産性のある戦いなのか、
意味のない無駄な戦いなのかの
見極めはちゃんとしていきたいものです。


誰かから
マウンティングされた時は

『すごいですね。僕には
 とうてい、真似出来ません』


と一言、言ってあげれば、
その人の承認欲求は満たされて、
感謝されて、勝手に去っていく。


そのような戦いはむしろ、
自分の方からさっさと
白旗をあげて負けてしまった方がいい。


仕事でもプライベートでも
戦って勝つよりも、
『戦わずして勝つこと』が
ベストであることが
案外多いような気がします。


孫氏の兵法によると、
『戦わずに勝つ』を
実現するために必要な要素の一つは、

『この戦いは労多くして益少なし』
と相手が思うような事を
次々に提示していくこと。

早い段階で相手に
『こいつと戦っても勝てないな』
そう思わせることなんだそうです。

そうすると、ライバルたちは
戦う前に自分の目の前から
勝手に次々とどこかに去っていく。


専門家によると、
ウィルスは消毒液などで
死滅させようとするから、
身の危険を感じて、
なんとか生き延びようと、
形を変えたり、相手を攻撃して
こようとするんだそうです。


相手が動けなくなるようにしたり、
共存する形をとれば、
何の悪さもしてこない。


自分に危害さえ与えてこなければ、
何がそこに存在していようが、
何の問題もない。


エジプト考古学者の
吉村作治さんはものすごい
いじめられっ子だったそうです。



だから、いつも、
休み時間になると、
図書館に逃げていた。


その時に出会った一冊の本が
『ツタンカーメン王の秘密』


それが面白くて面白くて、
夢中になって読んでいたそうです。
本を読んでいる間は
いじめられている事を
考えなくてすむ。


その後、吉村さんは世界的に
著名なエジプト考古学者となりました。


いじめっ子たちが絶対に
上がってこれない別次元の
ステージに立っている。


いじめっ子から見れば、今や、
『こいつと戦っても勝てないな』
状態です。


なんとか相手に
勝とうとする努力より、
『戦わずして勝つ』には
どうしたら良いのかを
考えることに時間と労力を
たくさん使うようにしています。


限りある自分のタンク内にある
『時間』や『エネルギー』の
無駄使いはなるべくしたくないものです。




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