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過去の失敗や挫折さえも武器になってしまうような時代

ある、高級ホテルのロビーで
スタッフに 『バーはどこですか?』と尋ねる。


『エレベーターで上がって2階にあります』
通常ならそれで終わるようなシチュエーション。


でも、そのホテルのスタッフは、
客の名前を聞いた後、


『ただいまバーに空席があるか
 確認致します。少々お待ちください』


と伝えたあと、しばらくすると、


『お席がご用意出来ました』


と告げた。


バーに着いた客に対して、
入り口で女性店員が

『○○さま、お待ちしておりました』

と名前を呼んで出迎えてくれる。


人間ってたったそれだけのことで、
幸福感を味わったり、
贅沢な気分になることが出来る。


すると、当たり前のように、
いつもよりも、高いお酒を頼んだり、
いつもよりも、たくさん飲んでしまう。


しかも、誰にも頼まれてもいないのに、
わざわざ、いろんな人に口コミや
宣伝までしてしまう。
人間って本当、単純です。

『価値』には大きく分けて二つの
種類があると言われています。
『実質価値』と『感情価値』です。

『実質価値』とはスペックとか性能のことです。
車で言えば、排気量や燃費。
パソコンで言えば、ハードディスクの容量やCPUなどの性能です。
お酒で言えば、質や熟成度合いなのです。


『感情価値』はそれをどう感じるか。
なんてことないコップも
好きな芸能人が使っていると知った途端、
突然、同じものが欲しくなる。

人気があると聞くとなんとなく買いたくなる。
商品やサービスは何も変わっていないのに、
感情が変わると、急にそれが欲しくなる。



『実質価値』は、数値化しやすい
目に見える価値のことです。


『感情価値』とは、目には見えない
感情に訴えかける価値のこと。
数値化しにくい価値です。



『感情価値』と『実質価値』、
どちらが大事かというと、
どちらも大事なんだと思います。


『実質価値』があるからこそ、
『感情価値』が生まれます。

ただ、これからは、差別化が難しく、
あまりに競合が多いため、
『実質価値』だけではなくて、
『感情価値』を高めるていくことが
最重要になってくると感じています。

Appleが良い例だと思います。
多くの方が機能性やスペックが
優れているという理由だけで
製品を使っているわけではない。


Appleの歴史やエピソード、
ストーリーやスティーブ・ジョブズ氏を
尊敬していたり、憧れを抱いていることが
使っている大きな要素だったりします。


もちろん、商品力、質が高いことが大前提です。
ただ、Appleよりも高性能の商品が登場しても
感情価値を感じている人はなかなか、
ブランドチェンジすることはないはずです。


感情価値は高まれば、高まるほど、
競合との差別化が明確になっていって、
いつしか、ライバルや競合と呼ばれる
存在がいなくなっていきます。


それは小さな会社や個人にも
同じようなことが言えると思います。


これからは、自分しか持っていないもの、
自分しか経験していないこと、
オリジナリティ、自分の人となりなどを
全面的に出していった方がいい。


商品やサービスのUSPだけを
打ち出すやり方はどんどん、
陳腐化していくんじゃないかと思っています。


優れていればいるほど、
売れれば売れるほど、
情報が拡散されて、簡単に真似されて、
そこに付加価値を付けられて、
場合によっては、安価化され、
やがて陳腐化する。


『実質価値』は真似できるけど、
『感情価値』は真似できない。



ウォルト・ディズニーは
ディズニーランドを実現するために
銀行融資を302回断られて、
303回目にオーケーをもらったそうです。


誰かの挑戦は、かりに成功しなくても、
それが栄光となってしまうことがある。


過去の失敗や挫折さえも
武器になってしまうような時代です。


商品やサービスの質を上げることだけを
考えている場合じゃないです。


実施価値を上げるにはお金や
時間や労力がものすごく必要です。


ただ、感情価値を上げるのは
基本的にお金も時間もかかりません。
たった一言で変わってしまうことさえあります。


実質価値だけでは選ばれるのが
ものすごく難しい時代です。


『実質価値』と『感情価値』
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