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『引退しても他のチームに行かないでくれ』長谷部誠選手の驚きの契約内容

サッカーワールドカップに
3大会連続で日本代表
キャプテンとして出場し、
ドイツのトップリーグで
活躍していた長谷部誠選手が
引退を表明しました。

日本代表のキャプテンとして
出場した試合数は81試合で、
これは日本代表歴代1位の記録。

ブンデスリーガにおいて
外国人の選手としては、
歴代3位の出場数、
アジア人選手としては歴代1位。

2019年にはドイツの
サッカー専門誌『kicker』が
選出したシーズンベスト11に選出、
欧州サッカー連盟が選ぶ
ヨーロッパリーグの
優秀選手にも選出されています。

長谷部選手は現在、40歳。
サッカーのドイツのトップリーグで
40歳まで活躍するなんて、考えられない。

プロの世界は自分がやりたいと
言えばプレーできるという
わけではないですからね。

ただ、僕が一番、驚いたのは
その契約内容でした。

長谷部選手は今シーズンで
引退を表明しましたが、
22年の契約更新時に、
交わした契約期間は5年。

その時点であり得ない。
サッカーに限らず、プロスポーツの
トップリーグにおいて、
38歳の選手と5年契約を
交わすなんて、考えられない。
ましてやサッカーならなおさらです。
長谷部選手は27年まで
契約が残っていることになります。

22年の契約更新の時に、
クラブ側から提示された契約内容は
もちろん選手としてチームに残って欲しい。
ただ、年齢を考えると、
契約期間中に引退する可能性もある。
もし、引退したとしても
『チームに残ってほしい』
『他のチームにはいかないで欲しい』


チームは選手としての評価だけではなく、
試合に出場していない部分も
高く評価。若手への指導や
チームメイトやメディアに
対しての対応、練習に対する姿勢、
日常の立ち振る舞いや人間性など。

『試合に出場しなくても
いいからチームにいてくれ』


すごい契約内容です。

会社員で例えると、
仕事が出来なくなっても、
出社しなくてもいいから
給料を払い続けるので、
とにかく会社にいてくれ。
そう言われているのと同じですよね。

バスケットボールのプロリーグでも、
病気になったコーチと
契約を延長するチームがありました。

『彼は練習に来れなくても、
その存在だけで 戦う姿勢を
教えることが出来る』


それが契約延長の理由だそうです。

サッカーで言えば、
『オフザピッチ』
試合に出場していない時間。

僕らで言えば、
仕事とは直接、関係のない部分。


立ち振る舞いや人間性や
人との接し方など、
サッカーの勝ち負けには
直接関係のない部分を含めた
部分で長谷部選手と契約を
交わしたクラブ側のセンスにも感動します。

長谷部選手が今後、
『オフザピッチ』
でチームに与える影響は計り知れない。

ただ、そこにいるだけで、
空気を変えることが出来る人がいる。


先日、テレビで手足がしびれる
難病を抱える男性を
スカウトして採用したという
ある美容室が紹介されていました。

手足のしびれがあるので、
当然、仕事には支障がある。

加えて頻繁な休憩が必要。
それでも、美容室のオーナーは
どうしても彼に来て欲しくて、
ずっと声をかけ続けた。

オーナーの男性に対しての
『なぜ、彼を採用しようと
 思ったんですか?』
との質問に

『彼はお店の良い雰囲気、
良い空気をつくることができるんです。
彼の人柄や空気感がうちには
どうしても欲しかった』


そう語っていました。

これから、目に見えない、
数値化されないその人の持つ
『雰囲気』とか『空気感』の
価値や重要性がどんどん、
高まっていくのは
間違いないと思います。

そこに惜しみなく
お金を出す人も
増えていくんじゃないですかね。

空気に惹かれて人が集まってくる。
その場所の空気によって、
そこにいる人の気持ちや行動が変わる。

これから、目に見えない
数値化されない部分の価値が
どんどん、上がっていく空気感を
長谷部選手の契約内容からも
感じ取ること出来ます。

それは、僕ら
個人にも同じことが言える。

『空気をつくる』は
機械やAIでは絶対に不可能です。


そのあたりに
大きな時代の変化と、
ものすごい可能性を感じます。

これから、鍵になるのは、
『空気』を
つくることが出来るかどうか
なんだと思います。

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