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秋風

日差しは暑いが風が冷たくなった
今日は地元のお祭りだったらしく
公民館がにぎわっていた

夫が単身赴任になってから
ここは再び「家族の住まい」から「仮住まい」となった

地元住民との交流も必要ない
自分たちだけで生きていく空間になった


気楽でいい
隣人の事を考えなくて済む生活
自分と家族の人生を考えて生きる生活



日本海側に引っ越してきて7年
傷付き過ぎた心はやっと少しずつ癒えつつあった
人と関わるのをやめて数年が経ったから


それでもまだ時々フラッシュバックする
数々の裏切り
ニチャニチャした近隣住民の顔


今日は娘と小さな公園に行った
枝の先だけ赤くなってきた楓が心をそっと撫でる


夫もいないこの地で暮らす意味を見つけられない
それでも子ども達がいるから
まだここにいなければならない


あと何回この楓の赤色を見れば
私はこの地から去ることができるのだろう

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