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「水平的画一化」と「垂直的序列化」が織り成す「人間性を希釈していく物語」

今日読もうと思っていたkindleちゃんの庭。黒い箱の脇にいつの間にかこんな本が咲いていた。

東京大学大学院教育学研究科 本田由紀教授の「教育は何を評価してきたのか」(岩波新書)。自身の探究テーマとは少し離れた領域なので、どうしてここに咲いているのか?

曲線で描かれた境界の内部の赤い色は、ぼくの中では花だった。それが突如現れたので花が咲くような印象が広がったのだった。

赤い花を5分程度で流し読みした際の”内在のつぶやき”


「水平的画一化」と「垂直的序列化」が織り成す人間性を希釈していく物語
この「水平的画一化」は、「垂直的序列化」と相俟って複合的な”集合vs集合”の構造を生成し、分断を招く。この構造は、成人発達理論を提唱するハーバード大学教育大学院ロバート・キーガン博士の「環境順応型知性(ソーシャライズド・マインド)」が構成する世界観を想起させる。
  規定のモノサシによる評価とその評価に基づく運営を目的の要素にもつガバナンスにもスタンダードにもベストプラクティスにもこの一連の作用はきっと含まれるだろう。
 ぼく自身の”個別化”(ストレングスファインダーの確か1番目)としての資質や何処かにある熱苦しい願い(笑)は、この「水平的画一化」とその一連の作用に激しい違和感を生じさせる。その一方で、文脈という境界を描くことで芽生える部分と差異とをひとつの美しさとして目撃するあたたかく人間らしいまなざしの感触を忘れずにいたい。
 彼女のスタンス(視座)、視点の取り方、現象の切り取り方、その率直な存在感にインスパイアされる。この書籍自体の物語は一旦保留しまたのタイミングで。
  いつの間にかkindleちゃんの庭に咲いていたこの本。このきっかけを頂いたご縁に多謝。
#探究と螺旋的発散は広がりつづけ読書スケジュールはままならない笑
#水平的多様化を見護るための垂直的ひらき
#内在のつぶやき

本田由紀「社会変容がもたらす“悪”」ー公開講座「悪」2015



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 この動画を拝聴し、「戦後日本型循環モデルの破綻」モデルの背後に、彼女が記した「垂直的序列化」と「水平的画一化」等から社会的に構成された「日本における人間の望ましさに関する考え方」あるのだろうと感じるに至った。
 ぼく自身の探究の中核は、これらの一連のプロセスが、個と集合という入れ子構造のなかどのように生起してどのように相互浸透しながら、どのように変動していくのか。個という存在の視点からそれらを明らかにして、コンクリート化してしまった地平を豊かで微細な自然の土に還していく日常的実践にあるのかもしれない。

この赤い花をポチッとしたご縁の記憶

それを辿ると、先日『人が成長するとは、どういうことか』を出版された鈴木規夫さんの「発達段階測定」に関するブログだった。

『人が成長するとは、どういうことか』 ~人の「本質的な成長」を実現する~
「成人発達理論」×「インテグラル理論」が示す能力開発・人材育成の新たな可能性
~プロフェッショナルとしての新たな次元を切り開く~
ケン・ウィルバー、ロバート・キーガン、カート・フィッシャー、
スザンヌ・クック・グロイター、ザッカリー・スタイン……
「発達研究」の最前線を対人支援に活かす。

なお、今週末(2021年8月28日)に開催される「人が成長するとはどういうことか」読書会(無料)の共同ナビゲーターを務める予定。

実は、赤い花の脇にあった黒い箱とは、この本だった。あと3日しかない…笑

「Self & other awareness」という基底が導く意識のひらき

Virtuous cycles of learning (VCoL) and the +7 skills
(規夫さんの記事に出てくる lecticaのwebサイト)

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 lecticaは、成人発達理論を実践的に探究していくと、必ず一度は辿り着く先。
 個人的には、成人発達理論が周辺領域に有している「生命」や「あはひ」や「美意識」や「哲学的問い」や「超越性の香り」のようなものを、バッサリ切り取ってしまっているに思う。探究していきたい領域ではあるけれど、探究のベクトルはシンクロすることなく、一定の探究までで距離をとっている。

 ただ、上の図にある「Self & other awareness」に関する領域は近頃のホットな探究テーマ。またいつかこの場にも書いてみようと思う。この「Self & other awareness」の基底が調っていることが、非二元までにおける意識の発達(ひらき)の基盤となるのでないか、その基底の健全さを癒すのは一般のコンサルティングやコーチングでは扱いきれないのでないか、ではそれをどのように扱おうか、とぼんやり考えているところ。

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成人発達理論については、現在、探究&実践中である「識育コーチング®︎」の視点から以下のページに記事があります(少し古い記事ですが…)。宜しければ遊びにいらしてください。
識育コーチングが援用している成人発達理論について




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