【名将クロップ】負け続けて身につけた「やさしさ」
Number最新号「不死鳥リバプール大研究。」で、ユルゲン・クロップ監督の原稿を担当しました!
・惨敗後のクリスマスパーティーのエピソード
・クロップが考える自分の最大の才能
・個人が賞を取ったとき、みんなにどう伝えるか
・病床のファンに送ったメッセージ
・感情を抑えられなかった過去
・選手が語るクロップ戦術の真髄
・進化し続けるマネジメント術
・選手をどう叱るか
・開幕前に準備したパニック対応術
ざっと上のような内容になっています。
原稿の軸になっているのは、クロップの敗戦の歴史です。
クロップは監督として何度も大一番で敗れ、プライドをずたずたに引き裂かれてきました。マインツ時代は2度も最終節に1部昇格を逃し、ドルトムントとリバプールでは決勝で6度も敗れました。
【マインツ時代】
・01-02最終節:ウニオン・ベルリン(3-1)マインツ
*あと勝ち点1で1部昇格だったが、最終節で負けて昇格を逃した
・02-03最終節:ブラウンシュバイク(1-4)マインツ
*最終節で勝利したが、得失点差1で昇格を逃した
【ドルトムント時代】
・12-13 CL決勝:ドルトムント(1-2)バイエルン
・13-14 ドイツ杯決勝:ドルトムント(0-2)バイエルン
・14-15 ドイツ杯決勝:ドルトムント(1-3)ボルフスブルク
【リバプール時代】
・15-16 リーグ杯決勝:リバプール(PK戦1-3)マンチェスター・シティ
・15-16 EL決勝:リバプール(1-3)セビージャ
・17-18 CL決勝:リバプール(1-3)レアル・マドリー
イングランドのメディアには「クロップの呪い」と書かれ、“いいところまで行くけどタイトルを取れない”というレッテルを貼られつつありました。
しかし、クロップは諦めませんでした。
「私は決勝戦に6度立ち6度負けたが、私の心は壊れなかった。人生とは何度でも挑戦することだ。6度決勝で負けて、なお7度目の決勝を目指す。それが私だ」(Number最新号より)
何度でも立ち上がるーー。その言葉通り18-19に再び CL決勝に進出するとリバプールはトッテナムを破り、“7度目の正直”を果たしました。19-20には念願のプレミアリーグ優勝を達成します。
クロップは選手一人ひとりをとても大事にする指揮官です。ロバートソンはこう評します。
「サラーやファンダイクが賞を受賞したとき、クロップ監督は『これは全選手、全スタッフ、全従業員の頑張りに対する賞だ』と強調した。誰一人として軽んじない。今まで出会った中で最高の監督だ」(Number最新号より)
こういうやさしさは、きっと挫折するごとに強められていったのでしょう。
今回の原稿についてTwitterで嬉しい感想を見つけました。
「記事を読んだら、クロップをさらに好きになった」
クロップはすべてをポジティブなオーラで包み込む。記事からドイツ人指揮官の情熱を感じて頂けたら幸いです。
(写真:NumberのTwitterより)