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「完美日記(Perfect Diary)」の中国での成功から考える日本での最先端SNS戦略

こんにちは。
ソーシャルコマース(SNS×EC)領域にて事業を展開しているmeyco株式会社の代表 山本(通称:やましん)です。

今回は中国で他のグローバルブランドと比較して圧倒的成果を出し続けている新興ブランド「完美日記(Perfect Diary)」がどのようにして成功できたのか、を記載していければと思います。

「完美日記(Perfect Diary)」とは?

「完美日記(Perfect Diary)」とは2016年に中国企業「逸仙電商」によって出されたコスメブランドです。2017年に中国のECサイト(天猫=Tmall)へ旗艦店を出店し、2018年には天猫のセール期間に数多くの海外有名ブランドを抑え、化粧品カテゴリーで1位を獲得しました。

また、その後の天猫W11(11月11日)のセールでも大きく売り上げを伸ばし、一気に中国化粧品ブランドの中で影響力を持つブランドとなりました。このように誕生してから4~5年ほどで一気に力をつけたブランドとなります。

「完美日記(Perfect Diary)」の成功の秘訣

「完美日記(Perfect Diary)」はたった数年で中国の中のTOPブランドに躍り出た訳ですがもちろんそれには理由があります。ここのセクションでは彼らの特徴やどんな施策が成功したのか、に関してをまとめていければと思います。

1. 段階別KOL/KOCの活用

過去のnoteでも記載したように中国ではブランドプロモーションをするときに「KOL(ほぼインフルエンサーと同義)」の活用が必須となります。そのインフルエンサーの中にも色々な属性の人がおり、「テレビに出るような有名人」もいれば「特定ジャンル内でのファンが多い」人もいます。
(言葉の定義は色々ありますがわかりやすい表があったので引用しておきます)

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その中でどれだけの予算があるかによってどの層のインフルエンサーを使用するかが変わってくるのですが、ここに落とし穴があります。「どれか」だけでは駄目なのです!タレント/トップインフルエンサーだけを活用しても一般人のより親近感のある人の声がないと購入の判断がつかない。なのインフルエンサーの声ばかりが上がっていてもそもそもリーチ力が弱いから認知することがない、などの問題が起こってしまいます。「完美日記(Perfect Diary)」ではこの全ての層で施策を複合的に実施しております。

初期施策:有名人+トップインフルエンサーによる拡散(Day1~Day10)
中期施策:トップ/マイクロインフルエンサーによる拡散(Day11~Day30)
後期施策:ナノインフルエンサーによる大量拡散(Day30~Day60)

このような形で施策を進めることによって、施策効果の最大化及び話題の継続を図ることができます。

2. コンテンツマーケティングの質

「完美日記(Perfect Diary)」は静止画から動画まで様々なコンテンツを日々掲載しております。実際にSNSに投稿している内容からどのようなコンテンツがいいのか分析していきます。

①タレント/トップインフルエンサーとのタイアップ投稿

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タレント、トップインフルエンサーを活用して投稿、ライブ配信を実施してもらうと同時にクリエイティブを作成し、自社内コンテンツとしても利用。フォロワー数の多い自社アカウントでも同様に展開することで施策効果の最大化を図っている。

②色味に関する投稿

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これは化粧品に限られるものだが、化粧品の色味はECで購入するにあたって非常に気になる内容。どんな色があってどのような発色なのかがわかるように実際の使用感を分かりやすく伝えている。これがないと「店に行かないと分からない」状態を生み出してしまい、ECでの購買を高めることができない。ライブ配信も実際の使用感がわかることから類似の効果があると考えられる。

③ユーザー投稿の活用(UGC)

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ユーザーの実際の口コミ投稿を活用。商品の使用感をユーザー目線で投稿してくれていたり、ユーザーだから伝えれることが伝わるため、非常に情報としての信頼感が高い。

このように投稿もいくつか分類することができ、それぞれの投稿別でテーマ/目的を分けていることが推測されます。

①タレント/トップインフルエンサーとのタイアップ投稿
 目的:新規リーチの獲得
 用途:各種広告に使用、KOLのメディアパワーによる拡散
②色味に関する投稿
 目的:自社SNSに訪れたまだ購入意向度の低い検討ユーザーへの情報提供
 用途:既存フォロワーのエンゲージメント/意向度向上の為の自社投稿
③ユーザー投稿の活用(UGC)
 目的:購買直前ユーザーのクロージング
 用途:購入率の向上の為の自社投稿

3. ユーザーとの密なコミュニケーション

「完美日記(Perfect Diary)」では購入者限定で入れるクローズドのWechatコミュニティが存在いたします。よくある企業の公式アカウントのように一方的に情報を送る、というよりかはチャット画面にて双方向のコミュニケーションを実施できており、ユーザーとの距離を縮めてファンを増やしています。

投稿の内容に関しては①新商品案内②商品レビュー③限定クーポン案内などよくあるアカウントと相違ないですが一番の違いとしては「コミュニティマネージャー」がいる事となります。

コミュニティマネージャーが「美容の専門家」というポジションも確立していることからユーザーにとっては凄くありがたい存在です。他のグループメンバーもそのコミュニケーションを見て情報を享受することができます。

日本で考えるSNS戦略

ここまで「完美日記(Perfect Diary)」の中国でのSNS活用戦略をお話させていただきましたが中国と日本では使用しているSNSや商習慣に大きな違いがあります。しかし、中国の方が日本よりSNSを活用した施策が先進的で「未来の日本での購買導線」の礎となるのは目に見えているのでそれを日本にローカライズした際にどのような施策が今の日本では重要かをまとめさせていただきました!

1. トップ/中堅インフルエンサー&KOC(ナノインフルエンサー)施策

SNSの活用の重要性は日々、感じられている人も多いかと思いますが現在では日を追ってその重要性が増しています。ロコンドさんとヒカルさんのコラボの売上のインパクトを見ていると確実にそこの重要性は上がっています。

その上で、今後重要になるのは「掛け合わせたKOC(ナノインフルエンサー)施策」となると思います。実際にトップインフルエンサーの投稿を見た上でユーザーは「他の人はどうなんだろ?」と各種SNSに探しに行きます。その際、ハッシュタグや商品名で検索した時に他の口コミが10件ほどしかない状態ですと不信感を覚えて購買まで移る可能性は非常に下がってしまいます。逆に口コミとして数百件、数千件あることで「この商品は本当にいい商品なんだ!」となり、購買に安心して移ることができます。

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そのような形でより一般人に近いユーザーの口コミ母数を担保することが重要です。

2. SNS上でのコンテンツマーケティングの実施

コンテンツマーケティングの重要性はひと昔前から言われておりますがそのプラットフォームは変わりつつあります。元々だと、ブログ記事などで検索順位を上げて獲得していく、などが一般的でしたが今はそれがSNS上で起こっております。また、動画コンテンツなども配信できることから配信コンテンツも多岐にわたり、企業によってそこでの差が大きく出ております。(松屋のInstagramも斬新で面白いですよね)

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ユーザー主体のコミュニケーションをクリエイティブで実施していくこと、かつ「購買するに当たって確認したい、知りたいと思うコンテンツ」がしっかり入っているかが重要となります。化粧品でいくとパッケージはもちろん、色味や発色、質感、持ちなどが詳しくわかるように画像や動画、テキストなどを用いてコンテンツを作成することが重要となります。

3. SNS上でのユーザーコミュニケーション

最近だと、Twitterなどで「中の人」のような形で企業アカウントを代表してアカウント運営している例がいくつかありますがまさにそういった形でユーザーと接点を持つことも重要です。(SHARPさんなど有名ですね)

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「完美日記(Perfect Diary)」がWechatでやっているように、LINEでグループを作成し、そこでコミュニティマネージャーを設置してユーザーとのやりとりをしていくのも一つの手法。そこでお得な情報を伝えるのはもちろん、その商品やカテゴリの専門家として「ユーザーが気軽にコミュニケーションできる存在」のポジションを確立していくことで信頼を構築できます。

まとめ

中国企業のSNS活用戦略に基づいた日本国内でのSNS戦略をまとめましたがここまでいかがでしたでしょうか?日本で検索エンジンが大きく伸びていた時から中国ではSNSが伸びていた影響もあり、日本よりも5~10年ほど先に進んでおります。よってそこから学べることも非常に多くなっております。

気になることやちょっと話してみたい!などある方は遠慮なくメッセージでもDMでも飛ばしていただければと思います。

それでは皆さん、SNSどんどん活用して成功させていきましょう〜!

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