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[KOL型ソーシャルコマース]RuHnnの決算を読み解いてみた

皆さんこんにちは。
meyco株式会社の代表、山本です。
現在、ソーシャルコマースについて色々インプットを増やしています📄
今回はその一環として中国のソーシャルコマースの会社「如涵(RuHnn)」について紐解いていきたいと思います!

Ruhnnとは?

RuHnnとはKOL(Key Opinion Leader。インフルエンサーの意)を活用したECビジネスを展開する会社です。2019年4月に米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)した会社でもあります(その後、開示規則に違反した可能性があるとして集団訴訟を受けていますが、、、)
また、ソーシャルコマースの中でも「KOL型ソーシャルコマース」を中心として実施している企業でもあります。

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RuHnnのこれまでの軌跡

RuHnnの始まりは、陳思佳が最初に立ち上げたブランド「莉贝琳(liblin)」でした。そのショップを展開する中で今ではTOP KOLとなった「張大奕」を発掘し、KOLを活用したECのビジネスモデルを確立しました。
「張大奕」は、今やEC界のスーパースターで年収1億元以上を稼ぎ出すというだけでなく、多くのブランドも手掛けております。

そのように陳思佳のファッションブローカーとしての手腕と張大奕のKOLとしての地位の確立によりRuHnnは大きく成長しました。

その後、RuHnnは大きな決断として大人気Shopとなった「莉贝琳(liblin)」を閉鎖し、各KOLごとに店舗を開設。網紅(KOL/インフルエンサー)を全面に押し出した店舗を展開をしていくことに。

それを機に大きく拡大し、そこから多くの人気KOLとも契約を進め、一気に規模も拡大し、まさに「KOL型ソーシャルコマース」の代表例の会社となりました。(その後、陈思佳の手によって莉贝琳 店舗も再開しました)

如涵は2016年にアリババから3億元(約50億円)の資金調達、2019年にはアメリカ株式市場への上場を果たしました。

そんなRuHnnの中国での事業の推移をご紹介します。

Ruhnnの決算の紐解き

さて、ここまでRuHnnの概要及び軌跡を説明してきましたが昨年ナスダックに上場していることもあり、その決算を見ていければと思っております。

まずは総売上。依然赤字が続くRuHnnではありますがトップラインは伸び続けております。中でも、「Service」と記載してある(添付赤部分)、KOL活用ナレッジを他社に展開し、サポートする事業が約2倍ほどに伸びております。

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また、Serviceサイドは粗利率も高く、今後の成長によってはRuHnnの収益部門として確立していく可能性が大いにあります。こうやって自社ECだけではなく、KOLアセットを活用し、販路を広げることで収益に繋げています。

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実際、RuHnnに所属しているKOLは全部で168名おり、その内訳は下記のようになります。人数で割るとほとんどのKOLが「Emerging KOL(新興KOL)」というのが分かります。まだまだこれから伸ばしていく、という形でしょうか。

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しかし、面白いのがこの後。売上構成比率でいくとまさに逆転状態全売上の53%をたったの3人しかいないTop Tier KOLが占めていることが分かります。知っている人からしたら当たり前な情報かもしれませんが初耳の人からしたら驚きの数字だと思います。中国ではこんなにも顕著に人気による売上の差が出てしまうのです。まさに直近の日本でいうとYoutuberヒカルさんのロコンドでのヒカル砲が近い状態かと思います。

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上記の状態を受けて2019〜2020年にかけてRuHnnもビジネスモデルに大きな動きがありました。TOP KOLとその他のKOLで戦略を大きく変更しています。ここから分かるのは「一部のTOPを除き、KOL型プロモーションの中でも複合的に他のKOLや他の施策と連動していかないと簡単に商品は売れない」ということです。KOL側としても自分の商材だけでももちろん、少額の売上を作ることはできますがそれだけでは上限が確実に来てしまいます。とても大胆な戦略変更ですがこれが今後、どうなるのか非常に楽しみです。

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RuHnn決算からみたKOL型ソーシャルコマースの今後

RuHnnの決算を色々自分なりにコメントさせて頂きましたが自分の中で感じたことが3つあります。

①ソーシャルコマースの需要は依然高まっており、売上も増加傾向。これからもKOLなどの口コミ中心のマーケティング需要はさらに高まっていく。

②KOLなら誰でも簡単に商品を売れて、利益が出る訳ではない。一部のTOP KOLを除いては商品販売においては複合的な施策(KOL/その他プロモーション)が重要になる。

③ユーザーはKOL(インフルエンサー)の商品を求めているというよりかはその声(レビューや感性の共有)を求めている。(その一種のアウトプットとしての商品販売はもちろんあるのでそこはプロモーション戦略を組んで攻略していく必要がある)

最後に

以上、RuHnnの決算の読み解きでしたがいかがでしたでしょうか?
Ruhnnは集団訴訟を受けるなど少々問題もありますが張っている市場に間違いはないと思っております。
この辺り是非色々な人とディスカッションしたいのでもし少しでも興味ある人は是非ランチでもお茶でもお話させてください〜!(FBでもTwitter DMでもお気軽にください)

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